基礎編・理論編

キャリアコンサルタント養成講座 38 | テクノファ

投稿日:2021年2月22日 更新日:

テクノファで行っているキャリアコンサルタント養成講座は、民間教育訓練機関におけるサービスの質の向上のガイドラインである「ISO29990(非公式教育・訓練のための学習サービス- サービス事業者向け基本的要求事項)」のベースとなっているISO9001に沿って行われています。厚労省はISO29990を踏まえ、民間教育訓練機関が職業訓練サービスの質の向上を図るために取り組むべき事項を具体的に提示したガイドラインを発表しています。

以下、厚労省「民間教育訓練機関における職業訓練サービスガイドライン(以下ガイドライン)」を紹介していきます。

(つづき)
3.1.2  把握したニーズ等の取扱い上の留意点
【指針】
民間教育訓練機関は、具体的な訓練コースの設定に当たり、職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)の品質に関する基本理念、品質方針及び品質目標を踏まえ、以下の点に留意する。

  • 把握したニーズ等の分析結果の活用
  • ニーズ等を踏まえた課題及び問題点の把握
  • ニーズ等を踏まえた訓練方法、訓練教材及び訓練成果の検討

【指針の補足説明】
(1)把握したニーズ等の分析結果の活用
(求職者に対する職業訓練の場合)
求職者に対する職業能力の向上、職種転換の支援等、外部労働市場における円滑な労働力の移動に役立つ観点を持ちながら、雇用のセーフティネットとして求職者の早期の就職を促進することを目指して訓練コースの設定又は開発に活用します。具体的には、ニーズ等の分析結果から訓練コースを設定する職種又は職務に求められる専門知識並びに技能及び技術と就業する際の基本能力について、可能な限り採用する事業所側の人材ニーズとのマッチングが容易となる訓練目標を設定します。
(在職者に対する職業訓練の場合)
ニーズ等の分析結果を踏まえて、職業訓練の成果及び効果の影響を受ける事業所等の生産性の向上、現場の課題解決、競争力強化に役立つような訓練目標を設定するとともに訓練目標を達成できるよう訓練内容等を検討し、在職者の職業能力の向上を図ることを目指します。とりわけ、オーダーメイドの職業訓練の場合は、事業所等との十分な協議を踏まえて、事業所等が求める人材像及び職業能力とマッチングするよう配慮して訓練コースを設計します。

(2) ニーズ等を踏まえた課題及び問題点の把握
訓練コースの設定から訓練の実施及び評価に至る職業訓練のプロセスごとに、ニーズ等を踏まえた課題及び問題点を把握する手順について、以下の例を参考にして明確にしておきます。
(課題及び問題点を把握する手順の例)
① 職業訓練の受講に際して、受講者が備えていることが望ましい知識、技能及び技術等の確認
② 受講者に求められる実務経験、保有資格などの具体的な要件等の確認
③ 訓練期間中における受講者の職業能力の習得状況及び要望等の把握

(3) ニーズ等を踏まえた訓練方法、訓練教材及び訓練成果の検討
ニーズ等を踏まえて設定した訓練目標の達成を目指して、訓練期間、訓練方法、訓練課題、訓練教材等を工夫し、訓練成果を高めます。とりわけ、訓練修了時の成果を意識し、以下の例を参考にして、受講者及び受講者が所属する事業所等にとって具体的で分かりやすい訓練成果の提示について配慮します。
(分かりやすい訓練成果の例)
① 受講者が受講により取得等が可能である資格及び技能等
② 訓練中に制作する課題(実務で活用できる成果物)
設計図面、構造物、製品、制御回路、制御プログラム、受発注及び経理処理等プログラム、企画書等の見える成果物 等

【公的職業訓練等受託等に向けた質保証の取組例】

    • 職業訓練は、事業所、受講者等へのヒアリング等を踏まえ、就職のために必要な技能及び知識が習得できるように検討して設定すること
    • 訓練の実施方法は、訓練により習得できる内容(仕上がり像)に到達するために必要な水準(カリキュラム、訓練時間等)であり、かつ、その教材等は訓練の内容との整合性がとれており、必要なものに限定するとともに、低廉な価格となるように留意すること。
    • 必要に応じ、関連する資格や免許に関する情報、受講修了者の体験談の提供等の支援措置を含むものとすること。
    • 障がい者等の訓練実施に際し配慮が必要となる者に対して訓練を実施する場合は、障がい者等の個々の特性に応じた内容とすること。
    • カリキュラムの策定に際しては、必要に応じ、独立行政法人高齢・障害・求職者 雇用支援機構の職業能力開発総合大学校が提供するカリキュラムモデル等も参考とすること。

3.2 職業訓練サービスの設計
3.2.1 職業訓練サービスの目的及び範囲の明確化
【指針】
民間教育訓練機関は、職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)の設計に当たり、把握したニーズ等とその分析結果を踏まえ、提供する職業訓練サービスの受講要件、具体的な目的等を設定する。また、利用者が適切な職業訓練サービスを選択できるようにするため、職業訓練サービスが対応できる範囲の情報及び相談援助の機会の提供方法を明確にする。
【指針の補足説明】
1.求職者や在職者等の受講希望者や事業所等の職業訓練サービスの利用を希望する者(以下「職業訓練サービス利用希望者」という。)が自らの要望に応じた職業訓練サービスを的確に選択できるよう、また、職業訓練サービス利用希望者のニーズ等に対応した職業訓練サービスが提案できるよう、以下の項目例を参考にして、職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)の目的及び対応できる範囲を明確にします。

(職業訓練サービスの目的及び対応できる範囲の例)
① 職業訓練サービスの対象者(求職者、在職者、その他具体的な対象者)
② 職業訓練サービスの目的、訓練目標、訓練内容、成果等
③ 目的を変えない範囲内での訓練コースの内容の変更に対する対応の可否等
④ 民間教育訓練機関が設定した範囲に対する柔軟な対応の条件  等

2.職業訓練サービス利用希望者と職業訓練サービスのマッチングは、職業訓練サービスの有効活用と訓練効果を高めるために重要なことです。そのために、民間教育訓練機関は、職業訓練サービス利用希望者が目的に合った適切な訓練コースを受講できるようにするため、職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)の目的や範囲等の必要な情報を、分かりやすく提供する工夫をします。

また、職業訓練サービス利用希望者に対して、民間教育訓練機関との相互理解等が可能となる相談援助の窓口を設定する等、職業訓練サービスに関する相談援助の機会を提供する工夫をします。

(つづく)平林

-基礎編・理論編

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