国家試験

キャリアコンサルタント国家試験合格 39 | テクノファ

投稿日:2021年2月28日 更新日:

今回から令和2年3月の特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会の「キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業報告書」について説明いたします。平成28年に始まったキャリアコンサルタント国家資格化は年々その資格者の数を順調に増加させてきましたが、各領域で活躍するキャリアコンサルタントにはなお一層の力量向上が期待されています。

キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業報告書」の背景、目的、実施方法について、報告書の「はじめに」は次のように記述されています。

<はじめに>
人口減少局面を迎える中、我が国の持続的な経済成長のためには、労働者一人ひとりの生産性を向上させることが不可欠になっており、そのためには、各人が自らのキャリアを自律的に形成していくことが求められています。このため、労働者のキャリア自律とキャリアプランの策定を支援するキャリアコンサルティングの重要性が益々増しています。キャリアコンサルティングを担うキャリアコンサルタントは、国家資格化以降、登録者数が 49,000人を超える(令和2年1月末現在)など順調にその数を拡大していますが、上述の社会的使命に適切に応えていくためには、ミニマム標準として設定された国家試験に合格しただけでは不十分であり、試験合格後も継続的に最新知識の習得や技能向上のための学習が必要です。特に、資格取得後の実践経験の乏しい段階のキャリアコンサルタントは、自身が行うキャリアコンサルティングについて振り返りを行い、改善・克服していくべき課題を認識したうえで、経験を重ねることが資質の向上に重要です。

そのためには、キャリアコンサルタントの継続的学びの中核をなすスーパービジョンについての考え方を明らかにするとともに、スーパーバイザーを養成し、キャリアコンサルタントがスーパービジョンを受けることを可能にする環境を整備することが必要です。しかしながら、 キャリア支援職のスーパービジョンのあり方が明確になっていないこと、カウンセリングアプローチを中心とするスーパービジョンはいわゆる流派(特定の理論や学派等)ごとの徒弟関係の中で行われていること、スーパービジョンの訓練を受けたことがない指導者がスーパー ビジョン(主に事例検討を通じた教育的指導)を実践指導していること等が指摘されています。

そこで、標準的なキャリア支援職のスーパービジョンを明確にし、スーパーバイザーに求められる能力水準とその養成プログラムなどを検討し、スーパービジョンの普及を通じたキャリアコンサルタントの質向上につなげることを目的に、本調査研究事業を実施いたしました。

ということで、「キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業報告書」はキャリアコンサルタントへのスーパービジョンについて報告をしています。スーパービジョンは「監督」するという英語で、監督する人をスーパーバイザーと言いますが、誰がスーパーバイザーになるのかがまずポイントになります。欧米の向上には古参の職人がスーパーバイザーになって新人を監督しますが、技能士1級の人が初心者のキャリアコンサルタントを指導するという仕組みを考えていくという報告書であると思ってよいと思います。続いて報告書では次のように述べています。

多くの知見を得て本事業を効果的に実施するため、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会(以下「協議会」という。)は、既にスーパーバイザーの養成等に関わっている特定非営利活動法人キャリアカウンセリング協会、一般社団法人日本産業カウンセラー 協会、特定非営利活動法人日本キャリア開発協会、株式会社日本マンパワー、株式会社テクノファ及び一般社団法人日本産業カウンセリング学会の7機関で連合体を組み、連携して検討を進めることとしました。本事業では、初めに既にスーパーバイザーの養成を行っている機関やスーパービジョンに関わっている専門家による発表を通して、スーパービジョンの考え方やスーパーバイザーの養成プログラム等の実態を把握しました。また、社内(組織)でキャリアコンサルティングを行っている企業等の協力を得てスーパービジョンをモデル実施し、モデル実施に関わった相談者及びスーパーバイジー(キャリアコンサルタント)のアンケート並びにスーパーバイザーの報告書を分析してスーパービジョンの効果等を把握しました。これらを通して現段階でのスーパー ビジョンの基盤整理等を行いましたが、本事業はスーパービジョンの今後の標準化に向けた検討の第一段階と認識しています。本事業の結果報告を踏まえた調査研究を継続実施してキャリア支援職の標準的なスーパービジョンのスキームを明らかにし、スーパーバイザーの養成とスーパービジョンの普及を通じたキャリアコンサルタントの質向上が図られることを願っております.
(つづく)木下昭

-国家試験

執筆者:

関連記事

キャリアコンサルタント国家試験合格 94 | テクノファ

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りがある、働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたを可能にする制度・施策を説明してきました。続いて前回は様々な事情を抱えて、多様で柔軟な働きかたを必要としている、これまで説明してきた制度・施策の対象者である働く人たち、その人たちを具体的に支援する立場にある支援者やキャリアコンサルタントなどに対して必要な情報を提供している厚生労働省のサイトのひとつ「治療と仕事の両立支援ナビ」の「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」 https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/dl/guideline.p …

キャリアコンサルタント国家試験合格 21  I テクノファ

― 過去問勉強 その3 労働法規 ― ここまで説明してきたように、国家試験機関「キャリアコンサルティング協議会」は、平成30年3月の厚生労働省の見直しに合わせて「キャリアコンサルタント試験の出題範囲」を改定しました。 新「キャリアコンサルタント試験の出題範囲(キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目)」の適用は、2020年度(令和2)からの試験となっています。 今回からは、新「キャリアコンサルタント試験の出題範囲(キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目)」に焦点を合わせて、分野ごとに過去問を中心に勉強をしていきたいと思います。 【過去問勉強 その3 …

キャリアコンサルタント国家試験合格 145 | テクノファ

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について説明していますが、今回は能力開発基本調査について、前回の続きから説明します。 実施したOFF-JTの教育訓練機関の種類については、正社員、正社員以外ともに「自社」が最も高く、正社員では78.8%、正社員以外では86.7%となっている。次いで、正社員、正社員以外ともに、「民間教育訓練機関(民間教育研修会社、民間企業主催のセミナー等)」が続き、正社員では45.3%、正社員以外では21.0%となっています。 実施したOFF-JTの内容は、「新規採用者など初任層を対象とする研修」が76.4%と最も高く、「新たに …

キャリアコンサルタント国家試験合格 34 | テクノファ

前回に続きキャリアコンサルタントに向けて2級キャリアコンサルティング技能検定の概要について、受検資格や、その手続きについて説明します。 ■実技・学科いずれかの受検も可 キャリアコンサルタントを目指す方は学科試験、実技試験どちらか一方の受検は可能ですが、学科試験、 実技試験にそれぞれ合格したときのみ2級キャリアコンサルティング技能士と称することができます。 実技試験は論述試験と面接試験両方受検し、いずれとも合格点(60点)に達しなければなりません。合格点(60点)にどちらかが達したとしても、もう一方が未達の場合は、次回もう一度、両方を受検しなければなりません。 検定試験は、年度内2回(春と秋)行 …

キャリアコンサルタント国家試験合格 76 | テクノファ

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りがある、働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたをかなえる制度・施策の一つである、短時間勤務制度について前回の続きから説明します。 同法により定められた主なポイントを厚生労働省の資料https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355354.pdf から説明します。 キャリアコンサルタントが知っていると良いポイントです。 Ⅰ 所定労働時間の短縮措置(短時間勤務制度) ○ 事業主は、3歳に満たない子を養育する労働者について、労働者が希望すれば利用できる所定労働時間を短縮することにより当該労働者 …