基礎編・理論編

キャリアコンサルタント養成講座 47 | テクノファ

投稿日:2021年3月22日 更新日:

テクノファで行っているキャリアコンサルタント養成講座は、民間教育訓練機関におけるサービスの質の向上のガイドラインである「ISO29990(非公式教育・訓練のための学習サービス- サービス事業者向け基本的要求事項)」のベースとなっているISO9001に沿って行われています。厚労省はISO29990を踏まえ、民間教育訓練機関が職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)の質の向上を図るために取り組むべき事項を具体的に提示したガイドラインを発表しています。

以下、厚労省「民間教育訓練機関における職業訓練サービスガイドライン(以下ガイドライン)」を紹介していきます。

(つづき)
4.受講に際してのオリエンテーション
「3.3.1 情報提供等」を参照の上、以下の例を参考にして必要な事項について伝達します。
(伝達事項の例)
① 受講に関する諸規則及び諸注意事項
② 訓練期間中及び訓練修了後の周知事項
③ 受講者の責任事項
④ 訓練カリキュラム及び日程表等
⑤ 訓練期間中の傷害保険等
⑥ 受講者に対する各種支援策及び支援計画
⑦ その他(災害対応、相談窓口(苦情及びクレーム対応等を含む)、中退及び退校の手続き等)

5.修了証等の発行等
証明書等の発行手順に従い、修了証又は受講証明書の発行等を行います。

6.帳簿等の保管及び管理
訓練期間中の受講者の個人情報に関する書類、各種届出、訓練日誌、発行された証明書、その他訓練記録等は、適切に管理し、定められた期間保管します。

3.4 職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)のモニタリング
【指針】
民間教育訓練機関は、事前に定めた方法を用いて、訓練期間中及び訓練修了後に、受講者の職業能力の習得状況や受講状況を確認する。また、受講者等との意見交換等を行う。
【指針の補足説明】
(1) 「3.2.2 モニタリング方法の明確化」にて検討したモニタリング方法に基づき、ニーズ等を踏まえて作成したカリキュラムの訓練目的又は目標に対する職業訓練サービスの効果を確認します。また、訓練期間中は訓練日誌等を活用して、受講者の職業能力の習得状況を確認し記録します。

習得状況を確認した記録は、「3.5.2 職業訓練の効果の評価」において活用します。
(習得状況を把握する項目の例)
① 指導項目ごとの受講者の反応、理解状況
② 必要に応じて実施した小テストの記録
③ 演習課題、実習課題の取組状況
④ 受講者がつまずきやすい箇所とその理由
⑤ 受講者のコメント
⑥ 受講者との意見交換の要点

(2) 欠席、欠課、遅刻、早退等、受講者からの連絡、報告、相談に関する規則、報告又は届出様式を示して受講者とのコミュニケーションが図れるよう工夫するとともに、受講者の受講状況を記録します。また、その状況に応じて必要な指導又は面談を実施します。
記録した受講状況は、「3.5.3 職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)の効果の評価」において活用します。

(3) 受講者の目標達成における職業訓練サービスの効果を確認するため、以下の例を参考に、職業訓練サービスの提供中や受講修了後の適切な時期に、「3.2.2 モニタリング方法の明確化」で明確にした方法により受講者から意見を聴取することとし、その方法の伝達とともにあらかじめ受講者に協力を依頼します。
収集した情報は、上記(2)と同様に 「3.5.3 職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)の効果の評価」に活用するするほか、「4.7.1 受講者等からの意見及び要望等への対応」の情報と統合し、改善の材料としても活用します。
(収集する意見の例)
① 受講者の反応、受講者から職業訓練の感想の他以下の項目についてのアリング(職業訓練の満足度)
・講師の指導方法又はスタッフの対応
・カリキュラム(難易度、訓練期間)
・訓練環境(施設、設備及び機器、教材等)
・訓練以外の支援策            等
② 受講した職業訓練の内容をどれだけ理解し習得したかの確認(職業訓練の習得度)
③ 受講者の職場における行動の変化を測定し、その行動が現実に職場でどの程度行われているかの確認(職場での活用度)
④ 受講者の行動の変化が、就業している事業所等にもたらした成果の達成度合いの確認(職場での成果)

3.5 職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)の評価
3.5.1 評価対象及び評価指標等の設定
【指針】
民間教育訓練機関は、職業訓練サービスの評価の実施に当たり、以下の項目を設定し、評価を実施するための情報を整理する。

  • 評価を実施する際の要件、評価対象及び評価指標
  • 評価方法等

(3)測定及びその評価情報(評価データ)の性質
【指針の補足説明】
1.評価を実施する際の要件、評価対象及び評価指標
評価を実施する際の要件、評価対象及び評価指標を、以下の例を参考に設定します。

(評価を実施する際の要件の例)
① 評価を実施する対象、評価指標の選定と目的、想定される評価範囲(職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)全体、訓練コース、受講者、講師又はスタッフ等)の明確化
② 評価の実施そのものが目的にならないよう評価結果の活用範囲及び活用場面の十分な検討と具体的な評価目標値の明確化
③ 設定された評価指標ごとの測定及びその評価担当者、直接の管理責任者、評価結果によって影響を受ける関係者の明確化

(評価対象及び評価指標の例)
① 職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)全体に係る評価指標
分野ごとの定員に対する応募者数、応募率、分野ごとの求人数及び就職率並びに関連就職率、職業訓練サービス全体の受講者の満足度等
② 訓練コースに関する評価指標
定員数に対する応募率、受講率、修了率、修了者数等に対する就職率、定着率、満足度、資格取得率等
③ 受講者に対する評価指標
満足度、習得度、活用度、資格取得等の有無、欠席、欠課、遅刻、早退の回数及び時間数、出席率等
④ 講師及びスタッフ等の評価指標満足(指導力、対応力等)等

2.評価方法等
上記(1)で設定した評価指標ごとに評価を実施するに当たり、評価目的に沿った評価結果が得られるように以下の例を参考にして、方法や手順等の仕組みを明確にします。
(評価の仕組みの例)
① 評価方法、評価手順、評価項目及び評価基準の設定
② 評価目的に適した評価項目の選定と評価の実施時期の設定、評価計画及びスケジュールの策定
③ 評価に偏りが発生しない手順、評価を実施する際の留意事項等の検討
④ 評価者は公平かつ平等であり、評価する分野について十分な知識を備え客観的に評価する能力を有する者である根拠
⑤ 上記①~④を見直す仕組み

(つづく)平林良人

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