基礎編・理論編

キャリアコンサルタント養成講座 52 | テクノファ

投稿日:2021年4月5日 更新日:

テクノファで行っているキャリアコンサルタント養成講座は、民間教育訓練機関におけるサービスの質の向上のガイドラインである「ISO29990(非公式教育・訓練のための学習サービス- サービス事業者向け基本的要求事項)」のベースとなっているISO9001に沿って行われています。厚労省はISO29990を踏まえ、民間教育訓練機関が職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)の質の向上を図るために取り組むべき事項を具体的に提示したガイドラインを発表しています。

以下、厚労省「民間教育訓練機関における職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)ガイドライン(以下ガイドライン)」を紹介していきます。

4.6.2 講師及びスタッフ等の職務遂行のための能力等の管理
【指針】
民間教育訓練機関は、提供する職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)関わる講師及びスタッフ等が職務を遂行するために必要な能力等を明確にし、講師及びスタッフの特性や能力に対する評価を行う。

【指針の補足説明】
1.職務を遂行するために必要な能力等の明確化
効果の高い職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)

(講師及びスタッフが備えるべき能力等の分析項目の例)
①訓練分野に関する専門的知識、技能及び技術、資格
②上記①についての指導力
③カリキュラム等における指導項目の設定、コースごとの訓練環境等をコーディネートする能力
④就職支援、キャリア・コンサルティングに係る専門的知識や具体的な経験等
⑤コミュニケーション能力
⑥勤務態度   等

2.必要な能力等の有無の検証
実際に職業訓練を行う講師及びスタッフが職務を遂行するために必要される能力を有するか否かを、適切かつ効果的な方法を用いて検証します。活用する情報としては、上記(1)にて分析した能力や、検証時の業績等が考えられます。場合によっては、複数の検証方法を併用して、より確実な情報を収集、分析します。その分析に基づく評価は、公平かつ平等が基本原則であり、その評価のプロセスにおいて、関係法令、公平性、人権の基本原則との整合性を考慮し、定期的に検証する仕組みが必要です。
講師及びスタッフを新たに確保する場合も、必要と判断される能力を有するか否かを検証するための適切かつ効果的な方法を選択し実施します。

3.情報の共有
講師及びスタッフ個人の評価結果が適切に各個人と共有される仕組みを構築し ます。なお、講師及びスタッフと共有する評価結果については、事前に妥当性や信頼性を有する情報であることを検証し、公平かつ適切に情報を共有します。また、講師及びスタッフの意欲や仕事に対する満足度や要望等について、講師及びスタッフ自身の意見を聞く仕組みも整備します。

4.6.3 講師及びスタッフ等の能力開発等
【指針】
民間教育訓練機関は、講師及びスタッフが担当業務を適切かつ効果的に遂行し、質の高い職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)の提供を可能にするため、継続的かつ計画的に講師及びスタッフの能力開発に取り組み、その効果を評価し記録する手順を確立する。

【指針の補足説明】
スタッフ(必要に応じて協力者を含む。)の能力を維持向上させるため、「6.2 講師及びスタッフ等の職務遂行のための能力等の管理」で得られた評価結果に基づき、養成する必要のある能力を明確にするとともに、講師及びスタッフ(必要に応じて協力者を含む。)に対して継続的な能力開発に取り組む機会を公平かつ平等に与えるための育成計画を用意します。育成計画は、OJT と自己啓発を中心とし、講師及びスタッフの職務内容に応じてOff-JT(研修)により補完します。また、その効果について評価及び記録する手順を確立します。

4.7 見直し及び改善
4.7.1 受講者等からの意見及び要望等への対応
【指針】
民間教育訓練機関は、①提供した職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)による目標の達成状況、②職業訓練サービスに対する受講者等からの満足度や意見及び要望等の把握と分析、③意見及び要望等に対する対応、等へ対応するための手順を確立する。
また、職業訓練サービスが目標を達成していない等、期待する成果を上げていない場合には、必要な改善処置を講ずるための手順を確立する。
(注記)受講者等からの苦情、意見や要望、提案等への具体的な対応方法は「3.4 職業訓練サービスのモニタリング」を参照。
【指針の補足説明】
1.受講者及び職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)を利用する関係者等から提供された職業訓練サービスに対する満足度等の評価、意見及び要望等の把握と分析、意見及び要望に対する対応等の手順は、以下の例を参考にして確立します。
(意見及び要望の収集方法の例)
コースの受講中又は修了時の調査、さらに修了後の追跡調査等として、受講者の派遣元の事業所等の満足度、受講者が習得した能力の活用度等の訓練効果に関する必要な項目を設定し、ヒアリング又はアンケート調査等を実施します。

(収集項目の例)
① 受講者の受講中又は修了時の満足度、習得度
② 受講者の修了後の満足度、習得した職業能力の活用状況(就職先での満足度)
③ 受講者の派遣元や受講者の就業先となる事業所等の満足度
④ 高い成果が得られた職業訓練サービス(キャリアコンサルタント養成講座)に関する各種統計データ 等

2.把握された様々な情報を分析し、「4.7.3 予防処置及び是正処置」により事案ごとに必要な処置を講じるとともに、その結果を記録します。

【公的職業訓練等受託等に向けた質保証の取組例】
・訓練を行う日には、実施する時間の他に最低 1 時間以上、質疑応答ができる講師の支援体制があること
・受講者からの問い合わせ等に常に対応する窓口として、事務担当者を 1 人以上配置すること
・受講者等からの苦情を適切に処理できる体制を整備すること

(つづく)平林良人

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