実践編・応用編

キャリアコンサルタント実践の要領 57 | テクノファ

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前回に続きキャリアコンサルティング協議会の、キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業報告書スーパービジョンのモデル実施及びアンケート・実施報告書の分析から、スーパービジョンモデル実施後に感じたキャリアコンサルタントの課題から記述します。

[3] SVモデル実施後に感じた自身の課題
「組織内独自の人事や組織特性を事前に知る事が重要」「依頼側とSVeeとその組織に対してのマネージメント力」等、組織の情報や組織への働きかけに関する内容や「今回2回で終了」「モデル実施で今後の継続がない」といったモデル実施という回数等が制限された中での実施であったことによる課題の回答が散見された。

キャリア支援領域のスーパービジョン、スーパーバイザーについて
[1]必要だと思う理論、知識、情報、ツール等
スーパービジョンに係る理論、知識だけでなく、対象領域や対象組織に係る情報等を含め、「網羅的な幅広い理論・知識が必要」という回答が多かった。

[2]必要だと思う能力・スキル等
基本である「キャリアコンサルテイング能力」や組織への働きかけに係る「コーディネート力」等に加え、「真摯な態度」「人間性」「自身が指導を自ら受ける意識(倫理観)」等も散見された。

[3]大切にしているスーパーバイザーとしての姿勢
「自発的行動変容への援助」「自己成長の支援」「内省できる安心な場の形成」等、キャリアコンサルタントが自ら成長するために支援するといった姿勢や「共に成長」「一緒に学んでいく」といったキャリアコンサルタントと共にスーパーバイザー自身も成長する姿勢が大切とした回答が散見された。

[4]キャリアコンサルタントのキャリア支援領域の理想的なスーパーバイザーとはどのような専門家か
キャリアコンサルタントの成長を促すようなスーパービジョンが出来る」「キャリア開発支援の実践者」「理論や技能が土台にありつつも、常に自己研鑽し続けられる人」等、様々な専門家像が回答された。また「多岐にわたる領域のため、各分野における一定レベルの専門家である必要性がある」といった回答も散見された。

[5]キャリア支援領域のスーパービジョンで重要なことは何か
知識や理論、技能(スキル)等に関する重要性を示す回答の中で、「クライアントの表面的な言葉ではなく言葉になってない想いを聴ける」「キャリアコンサルタントの向こうにCLがいる。キャリアコンサルタントの自己満足や自己評価向上ではなく、真にCLに役立つキャリアコンサルタントを育成」「クライエントの成長とは何か」等、キャリアコンサルタントの先の「相談者」(=クライアント、CL)に関する記載や「個人と組織の共生という視点」など、相談者の更にその先の背景にある「組織」という言葉も散見された。

[6]キャリア支援領域のスーパービジョン、スーパーバイザーに関するその他の考え等
モデル実施に関する感想や考えの中で「全ての領域のスーパービジョンができることは難しい」「スーパーバイザーも、専門領域で活躍すべき」等、専門領域に係る内容が散見された。

「組織対応」のために講じた方法について
スーパーバイザー実施後アンケートの中で「対応可能な機能」の「組織支援(組織活性化、組織開発等)」「人材育成、能力開発、キャリア開発等」「職場のマネジメント等」において「豊富な経験があり、対応に自信がある」もしくは「豊富で様々な経験があり、対応に非常に自信がある」と回答したスーパーバイザーに対し、それぞれの機能に自信をもって対応するためにどのような方法を講じたかを確認した。

[1] 「組織支援(組織活性化、組織開発等)」に自信をもって対応するためにどのような方法を取りましたか?
学習や業務の中で対応する力を身に付けたという回答が多かった。

[2] 「人材育成、能力開発、キャリア開発等」に自信をもって対応するためにどのような方法を取りましたか?
学習や業務経験の中で対応する力を身に付けたという回答が多かった。

[3] 「職場のマネジメント等」に自信をもって対応するためにどのような方法を取りましたか?
主として業務でのマネジメント経験により対応する力を身に付けたという回答が多かった。

(つづく)木下 昭

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