キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りがある、働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたをかなえる制度・施策のひとつである短時間勤務制度について前回の続きから説明します。
同法により定められた主なポイントを厚生労働省の資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355354.pdf
からキャリアコンサルタントが知っていると良い内容を説明します。
Ⅲ 対象家族の介護のための所定労働時間の短縮等の措置
○ 事業主は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者について、就業しつつ対象家族の介護を行うことを容易にする措置として、連続する3年間以上の期間における所定労働時間の短縮等の措置を講じなければなりません。
○ 介護のための所定労働時間の短縮等の措置は、2回以上の利用ができる措置としなければなりません。
(1)「措置を講じている」とは、短時間勤務制度が就業規則等に規定される等、制度化された状態になっていることをさします。運用で行われているだけでは不十分です。
(2) この措置については、期間を定めて雇用される者は対象となりますが、日々雇い入れられる者、及び労使協定で適用除外とされた次の労働者は対象となりません。
① その事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない労働者
② 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
(3) 労働者が就業しつつ要介護状態にある対象家族を介護することを容易にする措置は、2回以上利用できる措置(④を除きます。)であって、次のいずれかの方法により講じなければなりません。
① 短時間勤務の制度
a 1日の所定労働時間を短縮する制度
b 週又は月の所定労働時間を短縮する制度
c 週又は月の所定労働日数を短縮する制度(隔日勤務や、特定の曜日のみの勤務等の制度をいいます。)
d 労働者が個々に勤務しない日又は時間を請求することを認める制度
② フレックスタイムの制度
③ 始業又は終業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる制度(時差出勤の制度)
④ 労働者が利用する介護サービスの費用の助成その他これに準ずる制度
(4) 事業主は、当該措置を講ずるに当たっては、労働者が就業しつつ対象家族を介護することを実質的に容易にする内容のものとすることに配慮してください。
(5) 連続する3年間以上の期間は、労働者が短時間勤務制度等の利用を開始する日として申し出た日から起算します。例えば、平成29年2月20日に、3月20日から短時間勤務を利用したい旨を申し出た場合には、3月20日から起算して3年である令和2年3月19日以上利用できる制度である必要があります。
(6) 事業主は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者について(3)に掲げる措置のうち少なくとも1つを講ずれば足り、労働者の求めの都度これに応じた措置を講ずることまで義務づけられているわけではありませんが、可能な限り労働者の選択肢を広げるよう工夫することが望まれます。特に短時間勤務の制度は、労働者がその要介護状態にある対象家族を介護することを実質的に容易にする内容のものであることが望ましいものであることに配慮しましょう。具体的には、所定労働時間が8時間の場合は2時間以上、7時間以上の場合は1時間以上の短縮が望ましいでしょう。
(つづく)A.K