キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りがある、働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたを可能にする制度・施策を説明してきました。続いて前回は様々な事情を抱えて、多様で柔軟な働きかたを必要としている、これまで説明してきた制度・施策の対象者である働く人たち、その人たちを具体的に支援する立場にある支援者やキャリアコンサルタントなどに対して必要な情報を提供している厚生労働省のサイトのひとつ「治療と仕事の両立支援ナビ」の「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」
https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/dl/guideline.pdf
について説明しています。
前回の続きから説明します。
②主治医の意見を産業医等に提供し、職場において必要とされる業務遂行能力等を踏まえた職場復帰の可否に関する意見を聴取する。産業医等がいない場合は、主治医から提供を受けた情報を参考とする。
③本人の意向を確認する。
④復帰予定の部署の意見を聴取する。
⑤主治医や産業医等の意見、本人の意向、復帰予定の部署の意見等を総合的に勘案し、配置転換も含めた職場復帰の可否を判断する。
(エ)「職場復帰支援プラン」の策定
職場復帰が可能であると判断した場合、事業者は、必要に応じて、「職場復帰支援プラン」を策定することが望ましい。
プランの策定に当たっては、産業保健スタッフ、主治医と連携するとともに、必要に応じて、主治医と連携している医療ソーシャルワーカー、看護師等や、地域の産業保健総合支援センター、保健所等の保健師、社会保険労務士等の支援を受けることも考えられる。
(オ)「職場復帰支援プラン」等に基づく取組の実施とフォローアップ
事業者は、職場復帰支援プラン等に基づき、必要な就業上の措置及び治療への配慮を実施する。
職場復帰支援プラン、就業上の措置及び治療に対する配慮の内容の見直しの検討に当たっては、人事労務管理担当部門や産業保健スタッフ等による組織的な支援を行うことが望ましい。
(カ)周囲の者への対応
労働者に対して就業上の措置及び治療に対する配慮を行うことにより、周囲の同僚や上司等にも一時的に負荷がかかる。そのため、負荷がかかる同僚や上司等には可能な限り情報を開示し理解を得るとともに過度の負担がかからないようにする。また、人事労務管理担当部門や産業保健スタッフ等による組織的な支援を行うことが望ましい。
6 特殊な場合の対応
(1)治療後の経過が悪い場合の対応
治療後の経過が悪く、病状の悪化により、業務遂行が困難になり、治療と仕事の両立が困難になる場合もある。その場合は、労働者の意向も考慮しつつ、主治医や産業医等の医師の意見を求め、治療や症状の経過に沿って、就業継続の可否について慎重に判断する。
(2)障害が残る場合の対応
障害が残ることが判明した場合には、労働者本人の了解が得られるよう努めた上で、就業上の措置を実施する。
期間の限定なく就業上の措置の継続が必要になる場合もあり、人事労務担当者や所属長・上司、同僚等の理解・協力が重要である。
(3)疾病が再発した場合の対応
通常勤務に復帰した後に、同じ疾病が再発した場合の両立支援も重要。事業者は、あらかじめ疾病が再発することも念頭に置き、改めて検討することが重要である。
(つづく)A.K