実践編・応用編

キャリアコンサルタント実践の要領 104 | テクノファ

投稿日:2021年9月3日 更新日:

キャリアコンサルティングの社会的意義
キャリアコンサルティングを学ぶ前提

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを学ぼうとするとき、日本の産業社会においてはキャリアという言葉も概念も、つい最近まで正しく存在していなかったという点をふまえておかなければならない。キャリアコンサルティングはキャリア開発の支援活動であり、キャリア開発のためのコンサルティングであるが、キャリアコンサルティングを学ぶということは単にキャリアコンサルティングを技法としてとらえるのではなく、キャリアコンサルタントが果たさなければならない役割など、キャリアコンサルティングの前提や背景、あるいは周辺についても正しく理解しておかなければならない。

以上のような点を踏まえながら、キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを学ぶということはどういうことかについて概論的に述べる。

日本の産業社会におけるHRM・HRDの変化と改革
1.ジャパン・アズ・ナンバーワンの意味
日本の産業社会は、ジャパン・アズ・ナンバーワンの前と後で、国際舞台での日本の立場、つまり他の先進国の日本に対する扱いがまるっきり異なっていることを認識する必要がある。

先にも述べたように、日本は終戦以来一貫して「物の量的拡大と物の質的向上」を国としての命題として掲げ、国民が一致団結して欧米に追いつけ追い越せと励んだ。約50年間続いたキャッチ・アップの時代である。その結果、瞬間ではあったが欧米を抜いてナンバーワンとなった。しかし、その量的拡大と質的向上を支えたのは、ほとんどが欧米の先進国における発明であり発見であった。つまり、日本は先行する欧米から基礎研究を買ったり借りたりして、それを応用展開するという図式であった。その結果、日本の応用技術は飛躍的に発展し、物の量は増え、物の質が向上し、経済が発展した。

ここで着目したいのはトップとフォロアーの関係である。自分がトップを走っているとき、自分より後ろにいる者に対しては誰でもが寛容になれる。自分が開発したネタでも代価を払えば売るだろうし、貸すであろう。事実、日本は工業化に必要な基礎研究の90%以上を欧米に依存してきた。つまり、日本経済の発展の源は欧米における研究開発といっても過言ではないだろう。そのために、日本の開発技術は応用技術に比して遅れをとってしまうことになった。
(つづく)平林

-実践編・応用編

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