キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りのある働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたをかなえる制度・施策が整備されてきていること、 その制度施策に基づく具体的な支援情報を、支援を必要としている人や支援する側の立場の人・組織に周知するサイトがあること、働きかた改革を推進するためには働く人のキャリア形成支援も重要であることから、キャリア形成支援におけるキャリアコンサルティングの役割が重視され、キャリアコンサルティングの質の向上や、キャリアコンサルタントの能力向上が図られていることなど、今まで主として働きかた改革に関連した事項を中心に説明してきました。
今回からは、キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について、説明します。今回はジョブ・カード制度について、説明します。
- ジョブ・カード制度
厚生労働省のジョブ・カード制度総合サイト
https://jobcard.mhlw.go.jp/
と、そのリンク先記載されているジョブ・カードに関連した説明内容を使って説明します。
〇ジョブ・カードとは
ジョブ・カードとは、「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」の機能を担うツールであり、個人のキャリアアップや、多様な人材の円滑な就職等を促進するため、労働市場インフラとして、キャリアコンサルティング等の個人への相談支援のもと、求職活動、職業能力開発などの各場面において活用するものです。
①生涯を通じたキャリア・プランニング
キャリアコンサルティング等の支援の前提となる個人の履歴や、支援を通じた職業経験の棚卸し、職業生活設計等の情報を蓄積し、訓練の受講、キャリア選択等の生涯のキャリア形成の場面において活用する「生涯を通じたキャリア・プランニング」のツール。
②職業能力証明
免許・資格、教育(学習)・訓練歴、職務経験、教育・訓練成果の評価、職場での仕事ぶりの評価に関する職業能力証明の情報を蓄積し、場面・用途等に応じて情報を抽出・編集し、求職活動の際の応募書類、キャリアコンサルティングの際の資料等として活用する、職業能力を見える化した「職業能力証明」のツール。
〇ジョブ・カードの概要
■目的
個々の労働者の状況に応じた職業能力開発、多様な人材の必要な分野への円滑な就職の支援等のため、下記のツールとして、生涯を通して活用。
・生涯を通じたキャリアプランニングのツール
個人の履歴、職業経験の棚卸し、職業生活設計等の情報を蓄積し訓練の受講、キャリア選択等で活用。
学校卒業―求職―在職(非正規雇用、正規雇用)―ミドル~引退
・円滑な就職等のための職業能力証明のツール(職業能力の見える化)
免許、資格、学習、訓練歴、訓練の評価、職務経験、仕事ぶりの評価の情報を蓄積し、応募書類等として活用。
■活用の形態・様式
職業人生を通じて、個人が、各情報を項目別に記入(原則電子化)し、継続的に蓄積、場面に応じて抽出・編集して活用。
ジョブ・カードを構成する様式(情報記入シート)
・キャリア・プランシート
・職務経歴シート
・職業能力証明(免許・資格)シート
・職業能力証明(学習歴・訓練歴)シート
・職業能力証明(訓練成果・実務成果)シート
上記シートをそのまま活用するだけでなく、加工し、履歴書等として出力することもできます。
(つづく)A.K