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キャリアコンサルタント国家試験合格  104 | テクノファ

投稿日:2021年9月10日 更新日:

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りのある働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたをかなえる制度・施策が整備されてきていること、 その制度施策に基づく具体的な支援情報を、支援を必要としている人や支援する側の立場の人・組織に周知するサイトがあること、働きかた改革を推進するためには働く人のキャリア形成支援も重要であることから、キャリア形成支援におけるキャリアコンサルティングの役割が重視され、キャリアコンサルティングの質の向上や、キャリアコンサルタントの能力向上が図られていることなど、今まで主として働きかた改革に関連した事項を中心に説明してきました。

今回からは、キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について、説明します。今回はジョブ・カード制度について、前回の続きから説明します。

〇ジョブ・カードの活用
ジョブ・カードは、「生涯を通じたキャリア・プランニング」のツールとして、労働者等の個人自らが、このサイト(ジョブ・カード制度総合サイト)で示す質問等を参考に、自己理解、仕事理解、職業経験の棚卸し、キャリア・プランの作成等を行い、ジョブ・カードに記入します。その際、記入に困る場合など必要に応じて、キャリアコンサルティング等の支援を受けます。また、自らのキャリア・プランを踏まえて、必要に応じて、公的職業訓練の機会の提供等の支援を受けるなどにより、職業能力開発を行い、訓練の成果等の評価をジョブ・カードに記入します。さらに、訓練の成果等の評価、職業経験等を記入したジョブ・カードの「職業能力証明」の機能を活用して求職時の応募に活用するなど、労働者等の中長期のキャリア形成にそって活用します。

このように、作成したジョブ・カードを活用し、キャリアコンサルティングや、職業訓練を受けることができます。また、これまでの職業経験や、免許・資格、学習歴、職業訓練機関や企業からの評価結果等をジョブ・カードに取りまとめ、自身の職業能力を証明する書類として求職活動で活用することができます。

そのほか、一部の職業訓練や教育訓練等を受講する際には、訓練受講の必要性をより明確にすること、また、訓練の効果を高める等の目的にジョブ・カードの作成が必要とされています。こうした訓練では、最後に訓練の成果を評価します。

〇ジョブ・カードの活用例
■労働者、求職者、学生などの場合
・生涯を通じたキャリアプランの作成
・就職活動やキャリア形成に活用
・訓練の受講に活用
■キャリアコンサルタントまたはジョブ・カード作成アドバイザーの場合
・ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングの実施
■訓練実施機関・企業の場合
・ジョブ・カードを活用した職業訓練
・ジョブ・カードを活用した職業能力の評価
〇ジョブ・カードの主なメリット
■労働者、求職者、学生の方等がジョブ・カードを作成する主なメリット
・自分の能力や職業意識を整理することができ、職業人生設計を容易にします。
・目標・職業能力開発の必要性が明確になり、職業能力開発の効果を高めることが期待できます。
・訓練の評価が明確化されることによって職業能力証明を容易にします。
・資格以外にも自分のPRポイントが明確になり、求職時の職業能力の証明を容易にします。(応募書類の準備、作成など就職活動に活用可能)
(つづく)A.K

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