基礎編・理論編

キャリアコンサルタント養成講座 106 | テクノファ

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横山哲夫先生の思想の系譜

私(平林)は横山先生と2004年に初めてお目にかかりました。当時テクノファはISOマネジメントシステムの研修機関として、JAB(一般公益法人日本適合性認定協会)の認証を日本で最初に受けた第三者審査員養成講座を開設しておりました。当時、ISOマネジメントシステム規格には心が入っていないと感じていた私は、その時に横山先生にキャリアコンサルタント養成講座立ち上げのご指導をお願いしたのです。

横山哲夫先生は、個人が人生を通じての仕事にはお金を伴うJOBばかりでなく、組織に属していようがいまいが、自己実現のためのWORKがあるはずであるとキャリコンサルタント養成講座の中で強調されていました。そして数多くの著書を世の中に送り出しています。

今回はその中からキャリコンサルタントが知っていると良いと思われる「組織文化とリーダーシップ」を紹介します。

本記事はエトガー・H・シャインの著作「組織文化とリーダーシップ」を横山先生が翻訳されたものです。横山先生はシャインが2006,7年頃来日した時の立役者(JCC:日本キャリア・カウンセリング研究会が招待した、彼と娘さんが来日した)で、東京、大阪でシャインが講演をする際にいつも同席し、そればかりか新幹線で京都案内までされて、ごくごく親しく彼の人柄に触れた日本人でありました。

横山先生の思想の系譜をたどるときには、エドガー・シャインにかならず突き当たるので今回から横山先生の翻訳を紹介しながら彼の思想の系譜を探索していきたいと思います。

<ここより翻訳:2010年シャイン著>
第6章 内部的統合のマネジメントについての前提認識
グループは,組織の内的な諸関係をマネジできなければ,課題,生存,成長を果たすことはできない。内的関係のマネジメントの習得とグループの課題達成は同じ場面で起こる。この第6章ではこのふたつを区分して記述している。現実には両方の活動は同時進行しているが,分析的に区別しておくことはリーダーシップの観点から大変重要なことなのだ。グループのリーダー,メンバー,外部コンサルタントは,そのエネルギーと時間を,タスク次元(前章に記述)とグループと人間関係次元(これから記述)のそれぞれに分けて集中することができる。グループの進化には外的な課題への集中が必要な時期と,内的な課題や人間関係の問題に集中すべき時期とがある。事実,リーダーシップのもっとも重要な機能は,このふたつのプロセスへの時間とエネルギーの配分のマネジメントである。

グループを形成し,進化させるプロセスが問題解決と課題達成のプロセスとして同時に起こるということは,究極的にグループの文化が外的,内的に表れたものである。内的な問題について,いかなるグループも対応を余儀なくされる主なものを表6-1に示した。

共有言語と概念分類の創出
グループが機能するためには,集まった者たちがコミュニケーションのシステムを確立し,適切な言語によってゴールを設定し,グループで進行している事柄を解釈し,対応できなくてはならない。人間組織は不明確なことや刺激が

表6-1内部統合の問題(すべてのグループに共通して)
・共通言語と概念分類の創出:メンバーがお互いにコミュニケートできず,理解し合えなければグループは存在できない。
・グループの境界線の規定とメンバーの新規参入・除外の基準の規定:グループは自身を規定できなくてはならない。メンバーシップの基準は何か。
・権力,権限,地位の委譲:委譲の順位,基準,規則と,その取得,維持,返還等の明文化など,メンバーからの挑戦のマネジメントのためのコンセンサスが不可欠。
・信頼感,親密さ,仲間意識,恋愛感情などに関する基準:仲間関係,異性関係に関するルール作り,あるいは.組織課題をマネジするに当たって,個人的オープンさと親密性に関するマナーなど。友好感情と恋愛感情の区分のためのコンセンサスが不可欠である。
・賞罰に関する規定と適用:模範的行為と不道徳的行為についてのコンセンサスが必要。
・説明困難なことの説明:グループを含めた一般社会においても,説明の困難な出来事について.少なくともその出来事の意味の説明が必要。それによってメンバーは反応を考え,無用の心配を避けることもできる。

多すぎたりすることに耐えられなくなる。意味の分類は知覚や思考を整理して,重要なものを取り込み,重要でないものを振り落とす。分類は,過労や心労の減少に役立つばかりか,調和,調整行為のための事前作業となる。そのような分類は言語によって成立する。

シーソー遊びのふたりの子供は上がったり下がったりするとき,ふたりの重さが違う場合はとくに,体の動きのタイミングや,強弱や,速さなどについて言語,非言語の合図を送りあう。新組織設立に集まった創業メンバーはお互いの意味論的空間(同じ母国語の場合でも)を学び合う必要がある。「低コスト」でつくられた「高品質」の「よい製品」を「できるだけ速く」「市場に投入する」などの抽象語が何を意味するかを決めること。もっと普通の生活のレベルではエスキモーのお母さんの漫画がポイントをついている。
(つづく)平林良人

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