国家試験

キャリアコンサルタント国家試験合格 106 | テクノファ

投稿日:2021年9月23日 更新日:

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りのある働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたをかなえる制度・施策が整備されてきていること、その制度施策に基づく具体的な支援情報を、支援を必要としている人や支援する側の立場の人・組織に周知するサイトがあること、働きかた改革を推進するためには働く人のキャリア形成支援も重要であることから、キャリア形成支援におけるキャリアコンサルティングの役割が重視され、キャリアコンサルティングの質の向上や、キャリアコンサルタントの能力向上が図られていることなど、今まで主として働きかた改革に関連した事項を中心に説明してきました。

今回からは、キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について、説明します。今回はジョブ・カード制度について、前回の続きから説明します。

1 求人における活用(1)
ジョブ・カードを履歴書の追加資料などとして活用することにより、履歴書だけでは分かりにくい応募者の職業能力に関する情報を、決められた様式によって得ることができます。なお、応募書類として活用されるジョブ・カードの情報は労働者本人の意思により提出されるものです。本人の意思に反して提出を求めることはできません。

2 求人における活用(2)
雇用型訓練外部サイトへにおいてジョブ・カードを活用することにより、訓練成果を業界共通の「ものさし」によって訓練の評価をすることができます。また、一定の要件を満たす場合には、国からの助成金を受けられます。

3 在職労働者の職業能力の評価における活用
ジョブ・カードを活用して在職労働者の実務成果、職業能力を評価することにより、在職労働者のキャリア形成の促進、職業能力の見える化の促進を図ることができます。また、一定の要件を満たす場合には、国からの助成金を受けられます。

4 在職労働者へのキャリアコンサルティング等での活用
在職労働者の職業能力開発の促進のため、事業主によるキャリアコンサルティング、職業訓練等を行う場合、ジョブ・カードを活用することにより、訓練の必要性が明確になるなど、これらの取組みが一層効果的なものとなります。また、一定の要件を満たす場合には、国からの助成金を受けられます。

5 「求職活動支援書」の作成における活用
在職労働者(45歳以上65歳未満)が離職することとなり、事業主が高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に基づく「求職活動支援書」の作成を行う場合に、ジョブ・カードの情報を活用することができます。また、45歳未満の離職予定の方に対しても同様の書面を交付することにより、円滑な求職活動を支援することができます。

〇ジョブ・カード作成の流れ
ジョブ・カードを作成する方法を決定
1.ジョブ・カード作成支援WEB/ソフトウェアを使って作成
ジョブ・カード制度総合サイトからジョブ・カード作成支援WEB/ソフトウェアを利用することで、ジョブ・カード作成支援機能や、履歴書出力機能を使用できます。

2.様式(PDF)を使って作成
印刷して手書きで作成するための様式です。

3.様式(Excel)を使って作成
特別なソフトをPCにインストールせずにMicrosoft Excelを使ってジョブ・カードを作成するための様式です。
(つづく)A.K

-国家試験

執筆者:

関連記事

過労死等防止対策キャリコン国家試験合格221|テクノファ

キャリアコンサルタントが必要とする過労死等に関する知識、資料について説明します。 ● 過労死等防止対策推進シンポジウムの開催 過労死等防止対策推進法第3条では、「過労死等の防止のための対策は、(中略)過労死等を防止することの重要性について国民の自覚を促し、これに対する国民の関心と理解を深めること等により、行わなければならない。」と規定されている。同法第5条では、過労死等防止啓発月間を設け、これを11月と規定するとともに、「国及び地方公共団体は、過労死等防止啓発月間の趣旨にふさわしい事業が実施されるよう努めなければならない。」と規定されている。 また、同法第11条では、民間の団体が行う過労死等の …

キャリアコンサルタント国家試験合格 96 | テクノファ

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りがある、働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたを可能にする制度・施策を説明してきました。続いて前回は様々な事情を抱えて、多様で柔軟な働きかたを必要としている、これまで説明してきた制度・施策の対象者である働く人たち、その人たちを具体的に支援する立場にある支援者やキャリアコンサルタントなどに対して必要な情報を提供している厚生労働省のサイトのひとつ「治療と仕事の両立支援ナビ」の「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」 https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/dl/guideline.p …

長時間労働の削減に向けて|キャリコン国家試験合格239テクノファ

キャリアコンサルタントに必要な情報をお伝えします。 ■長時間労働の削減に向けて 長時間労働と過労自殺には関連性があることが一般的に認識されており、長時間労働と自殺に至る精神障害の関連を示唆する学術研究等もありますが、依然として長時間労働は問題となっており、長時間労働の削減に向けて施行された「過労死等防止対策推進法」に基づき、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が定められるなど、長時間労働対策の強化が課題とされています。こうした状況の中、厚生労働省は大臣を本部長とする「長時間労働削減推進本部」を設置し、長時間労働対策に取り組んでおり、対策の一つとしてこのパンフレットが公開されました。 「長 …

労働者の生活の保障のために賃金 | テクノファ

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について説明していますが、今回は労働者の雇用、労働契約に関連する知識、資料などについて、前回の続きから説明します。 (3)その他 その他にも、労働者の生活の保障のために賃金について、以下のような決まりもあります。 [1]減給の定めの制限(労働基準法第91条) 労働者が、無断欠勤や遅刻を繰り返して職場の秩序を乱したり、職場の備品を勝手に私用で持ち出したりするなどの規律違反をしたことを理由に、制裁として、賃金の一部を減額することを減給といいます。一回の減給金額は平均賃金の1日分の半額を超えてはなりません。また、複数 …

パワーハラスメントの予防・解決のための取組|テクノファ

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について、メンタルヘルス、自殺・過労死、ハラスメント等に関する知識、資料について説明していますが、今回は令和3年版過労死等防止対策白書について前回の続きから説明します。 国会への年次報告を義務付ける過労死等防止対策推進法及び過労死等の防止のための対策に関する大綱には、国が取り組む重点対策として、過労死等の調査研究を行うことが明記されており、令和3年版過労死等防止対策白書では「過労死等をめぐる調査・分析結果」の章の中で調査研究の結果報告を行っています。今回は過労死等をめぐる重点業種・職種の調査・分析結果を大綱で重 …