キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りのある働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたをかなえる制度・施策が整備されてきていること、 その制度施策に基づく具体的な支援情報を、支援を必要としている人や支援する側の立場の人・組織に周知するサイトがあること、働きかた改革を推進するためには働く人のキャリア形成支援も重要であることから、キャリア形成支援におけるキャリアコンサルティングの役割が重視され、キャリアコンサルティングの質の向上や、キャリアコンサルタントの能力向上が図られていることなど、今まで主として働きかた改革に関連した事項を中心に説明してきました。
今回からは、キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について、説明します。
今回はキャリア・インサイト(統合版)について説明します。
独立行政法人労働政策研究・研修機構のサイト
https://www.jil.go.jp/institute/seika/careerinsites/index.html
とそのリンク先の内容により説明します。
- キャリア・インサイト(統合版)
キャリア・インサイトは、利用者自身がコンピュータを使いながら、職業選択に役立つ適性評価、適性に合致した職業リストの参照、職業情報の検索、キャリアプランニングなどを実施できる総合的なキャリアガイダンスシステムです。
これまでの18歳から34歳程度の職業経験の少ない若年者を対象とした「Career In★Sites(キャリア・インサイト)」と、35歳以上で職業経験のある求職者の方を対象とした「キャリア・インサイトMC(ミッド・キャリア)」を、1つのシステムで利用できるように、統合版として改訂したもの。
〇キャリア・インサイトの目的
利用者がパソコンを使いながら、自分の個性を理解し、その上で、将来の進路や職業について考える素材を得られるように支援すること。
〇機能
キャリア・インサイトは、主に4つの機能で構成されている。
1.適性評価機能(適性診断コーナー)
2.職業情報の検索機能(職業情報コーナー)
3.適性と職業との照合機能(総合評価コーナー)
4.キャリア・プランニング機能(キャリア・プランニングコーナー)
〇特徴
・適性理解、職業の検索、キャリアプランなど、キャリア・ガイダンスに必要な基本的ステップを利用者が一人で経験できるような内容で構成されている。
・さまざまな側面から適性評価ができ、適性理解に重きが置かれている。
・わかりやすさ、使いやすさが工夫されている。
〇キャリア・インサイトの構成
メニュー段階でECコースとMCコースに分かれる。どちらのコースを利用するかは、利用者の年齢や職業経験を考慮して決定。
〇キャリア・インサイトの内容
キャリア・インサイトの中心機能は「適性診断コーナー」で、そこには「能力」、「職業興味」、「価値観」、「行動特性」という4つの適性評価ツールが組み込まれています。
〇利用方法
キャリア・インサイトには様々な機能が用意されていますが、必ずしも全ての機能を使う必要はありません。利用者のニーズにあわせて、好きな機能を使うことができます。
・若年者の場合には、システムの中心的な機能である適性診断コーナーの4つの評価を実施する人が多い。
・時間があまりとれない場合には、能力評価、職業興味評価の後、総合評価コーナーを実施して終了という利用方法もあります。
・職業相談の中で活用する場合には、利用者の要望や状況に合った利用方法を相談担当者からアドバイスするとよい。
〇利用対象者
キャリア・インサイトECは、18歳から34歳程度の若年者で、職業経験が無いか、もしくは経験が少ない方を主な利用対象者としています。
キャリア・インサイトMCは、35歳から60歳代程度で、職業経験のある方を主な利用対象者としています。
〇利用上の留意点
得られた結果については、利用者と相談担当者が一緒に解釈していただくことを勧めています。
キャリア・インサイトは職業とのマッチングを目的としたシステムではありません。適性評価の一部に、プロフィールに合致した具体的な職業名が表示される部分がありますが、示された職業名は、能力や興味の特徴から調べた場合に実際の職業には具体的にどのようなものがあるのかということを示した例であり、その職業に就くことを勧めるような意図で示されているものではありません。
利用者が結果をよく理解できるように、また、結果を誤って解釈したり、固定的に受け止めてしまうことがないように、サポートが必要です。
(つづく)A.K