キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について説明していますが、今回は厚生労働省が運営する職業情報提供サイト(日本版O-NET)からキャリアコンサルタントが知っておくと良い知識について説明します。今回はOHBYカードについて説明します。
独立行政法人労働政策研究・研修機構のサイト
https://www.jil.go.jp/institute/seika/ohby/index.html
より説明します。
OHBYカードは、職業カードソート技法を行うために開発されたカード式職業情報ツールです。430職種の職業情報を、写真・イラスト・チャート・動画などで紹介する「職業ハンドブックOHBY」の内容を48枚の必要最小限のカードにまとめた各職業の写真とイラストが載ったカードを使って作業を行う中で、自分の興味や関心を知り、同時に、知っておくべき必要最小限の職業情報も得ることができます。
〇OHBYカードの特徴
・カードの取り扱いが容易である
海外のカード式職業情報ツールは、30枚程度から数百枚のものまで多種多様の形式のものがあります。OHBYカードは、様々な検討を重ねた結果、トランプやカルタなど古くからある遊技用のカードに準ずる枚数(50枚程度)とした。
・絵や写真などを用いたものである
海外のカード式職業情報ツールは、ほとんどが文字情報を中心としたものでした。OHBYカードは、各職業とも表の面に職業の絵と写真を1枚ずつ、裏面に文字情報という形で絵や写真を中心にカードを作成。
・多様な目的、対象者で使用できる
児童・生徒から若者、中高年まで多様なキャリアニーズに柔軟に対応し、様々な場面、様々な目的で活用できるように作成。
・職業理解と自己理解を同時に深められる
OHBYカードの標準的な使い方は、職業の絵や写真を見て自分の職業興味を考えるというものです。最終的には本人の職業興味の大まかな特徴が分かるようになっています。また、自分がどのような職種、産業に関心があるのかも分かるようになっています。
〇OHBYカードの内容
OHBYカードは表の面に絵と写真、裏面に文字情報等の詳しい情報を載せています。
〇OHBYカードの使い方
OHBYカードは、1対1のカウンセリング場面で使用する方法、グループ形式で使用する方法、学校の授業で使用する方法など、場面や対象者によって様々な形で活用することができますが、標準的な手続きに沿った使い方もできます。
〇利用上の注意
OHBYカードは、職業理解と自己理解を同時に深めるカード式職業情報ツールです。しかし、本格的な職業理解・自己理解のためには、やはり専門的なツール(職業ハンドブックOHBY、キャリア・インサイト、VPI職業興味検査など)を用いる方が効果があります。
OHBYカードは、むしろ、カードを使って作業をしながら、職業や自分について、いろいろな形で対話をしたりコミュニケーションをしたりするためのツールです。工夫次第で様々な可能性が広がります。
(つづく)A.K