キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について説明していますが、今回は厚生労働省が運営する職業情報提供サイト(日本版O-NET)からキャリアコンサルタントが知っておくと良い知識について説明します。今回は厚生労働省編職業分類について説明します。
ハローワークインターネットサービスのサイト
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/info/mhlw_job_exposition.html
より説明します。
厚生労働省編職業分類は、職務の類似性、及び公共職業安定機関における求人・求職の取扱件数などに基づいて、それぞれの職業に対して社会的にどの程度需給があるかを考慮して職業を区分し、それを体系的に分類したもので、職業紹介事業や労働者の募集等に共通して用いるための職業分類として編集されたものです。
〇分類項目の設定
この職業分類の分類項目は、産業分類の区分とは別に定めています。
職務の類似性を判断する際に考慮した点は、以下のとおり。
1.仕事の遂行に必要とされる知識又は技能
2.事業所又はその他の組織の中で果たす役割
3.生産される財又は提供されるサービスの種類
4.作業者が扱う道具・機械器具・設備・原材料の種類
5.作業に従事する場所及び環境
6.仕事に必要とされる資格又は免許の種類
〇分類構造、符号、項目数
職業分類は、大分類(アルファベット大文字表記 11)、中分類(2桁数字で表記 73)、小分類(3桁数字で表記 369)、細分類(5桁数字で表記 892)の4階層に区分された分類項目によって構成されています。
大分類項目及び中分類項目は、日本標準職業分類の大分類項目及び中分類項目と一致しています。
小分類項目は、原則として日本標準職業分類の小分類項目に準拠して定めていますが、職業紹介業務における必要性を考慮して項目を補正しています。
細分類項目は、職務の類似性、職業紹介業務における求人・求職の取扱件数などを考慮してその上位の小分類を細分化したものです。
細分類において、上から4・5桁目の数字97、98、99には、特定の意味を与えて使用しています。97は補助者や助手、98は見習、99は雑分類項目であることを表します。
〇求人・求職者の職業の決定方法
求人・求職者の職業は、求人事業所の産業分類の区分、雇用形態、雇用期間とは独立に、その仕事にもとづいて決定します。
〇複合的職務
複合的職務とは、仕事内容が職業分類上の複数の分類項目に該当するもので、そのような職務は、従事する時間の最も長い仕事に対応する項目に分類します。
2つ以上の大分類項目にまたがる場合は、財・サービスの生産に直接かかわる大分類項目を優先。また1つの大分類内又は中分類内の複数の項目に該当する場合、分類が財を生産する複数工程をもつときは、主要工程又は最終工程に該当するものにより、そうでない場合は、十分な仕事遂行のために経験年数研修期間などが最も長くかかる工程のものによります。
〇その他の特殊な取り扱い
・資格・免許
公的資格又はそれに準じた資格を要件とする仕事で、当該資格名をもって分類項目が設けられている場合当該項目には有資格者のみを分類、そうでない場合求人の仕事内容又は求職者の希望する仕事に即して該当する分類項目に分類。
・見習、補助者、助手
見習、補助者、助手の分類項目の設定があればその分類、設定分類がない時、(1) 公的資格又はそれに準じた資格を要件とする仕事については、当該資格を有しない見習・補助者・助手は、有資格の本務者と同じ内容の仕事には就けず、異なる仕事を行うものとみなし、その内容に即して本務者とは別の項目に分類します。(2) 公的資格又はそれに準じた資格を要件としない仕事であって、見習・補助者・助手が行う仕事については、その内容が本務者のものと類似している場合には本務者と同一の分類項目に分類します。その内容が本務者のものと異なる場合には、その内容に即して該当する項目に分類します。
〇日本標準職業分類との違い
日本標準職業分類は統計法に基づく統計基準として設定されており、公的統計において職業別統計をまとめるときはこれを使用しなければなりません。
一方、厚生労働省編職業分類は、職業紹介事業等に利用されるものですが、大分類、中分類、小分類は日本標準職業分類に準拠して設定されています。
(つづく)A.K