今回は、エドガー・H、シャイン著「組織文化とリーダーシップ」翻訳紹介の間に、横山さんの講演録を入れさせていただきます。この講演録は2010年3月にキャリアコンサルタント協議会が収録したもので、連続した講演を4回に分けて紹介しますが、今回はその2回目をお送りします(2回を4日間に分けてお送りします)。この講演はACCN(オールキャリアコンサルタントネットワーク)もサポートしておりキャリアコンサルタントの方にはぜひ聞いていただきたいものです。
横山哲夫先生講演録 その2- 2
ご承知の通りでありまして、これが非常に日本の組織力を強くした。集団から小集団というこの流れでありますね。ご覧になります通り、小集団から個の間に壁がありますね。線が2本引いてある。この壁がまさに当時までの今でもそうですけれども、この三つの部分の限界と言いますか、を語っている。つまり小集団までは非常に流れが良く組織力の維持蓄積、そして若干の革新的な展開、小集団というものを通してなかったんでありますけども、もっとも掛け声だけで無視され、なおざりにされてきたのはこの個のマネジメント人事、一人一人を生き生きとさせるこの個の管理というところで、日本型の保守的な特に保守的な日本型の組織っていうのは、掛け声だけで何もしてこなかった。そしてこれを破ってですね、有能な個人を育てその個人の力というものを組織力に結びつけるということがやれたのは、つまりその壁に穴を開けてこの3つの分野に整理をした。この3つとも行ったという個人が、とてもそういう組織が強いわけでありますけど数えるほどしかいません。
今どうやらですね、この部分に注目が集まってきて、この壁に穴を開けるということがこれは同時に終身雇用体制の終わりということをもう意味することにもなりますけれども、ここで新たな、後から繰り返し申し上げますけれども、新たな事実的な個人とそれを許容しあるいは、奨励する組織との共生関係を保てるその共生が関係のなかで新たな知恵をこの個人が出してくれる長期的な共生関係などで代替しているということで、その責任者というのはこの図を見てをご覧いただきますとこれは人事の担当との専門的な助言はそれ、けれども最も直接的な責任を有するのはラインの管理者であると、まあこういう風にこの図はお読みを頂きたい訳でありましょう。
理想は、ゴールは、集団と小集団と個集団管理・小集団管理。この仮に3つが調和を取れた状態であるということを、集団、小集団を育てていいなんてことは一言も言ってないんですね。それだけが人事管理・労務管理だという風に思い込んできた。そうじゃないでしょう。と、組織を構成する個人が一人一人が主体的に生き生きしてる姿を作り上げる。そんなこと言ったら出来るかどうか、この領域を超えてその個の部分に入ることが、ある的な極端にも禁句ですね。これ入ってはいけない。
集団の中で個を云々するということ、これは自由を与える。個を活性化するということは同時に集団的な統制・効率を下げることになってしまうということを、すぐに恐れるということからですね。掛け声は勇ましいけれども実際には何もやらない、あるいは行った振りをするというところで終わってきている。
別の言葉で言うところも後からやらせて頂くのですが、我々に分かっている制度から言うと目標による管理。あるいはキャリア開発目標にいう管理とキャリア開発の居場所というのはこの一番上の個の部分なんだ。個に焦点を当てている。何をしていいか分からないではないし、何をしたらいいっていうのは分かっている。ちゃんとやらないだけということ。なんでありましても答えは示唆されているという風に私は堅く信じておりますけれども目標にある感じでキャリア開発。これをこのその部分でこの状態の一番上の部分でやるということについて、これ3つが見事に調和してくれるぞ。これが将来のですね、終身行為に変わる日本型の HRM・HRDの動向であろう。そういう見え方、考え方に同調していていただける方はもちろんあったわけでありますけれども、とにかく事実として私はあの ILOの講演の記録として日本型のHRM・HRDもそうの様な方向に進みつつあるよ。ということを講演記録を残してまいりました。
その時ILOに努めている日本人のスタッフが大変喜んでくれて、まあ日本といえば、個人が無視され、軽視される集団。せいぜい小集団までの国という風な異質の国扱いをされていたのが、漸くこのような講演をして頂けてそれが正式な記録に残ったということでホッとしました。ということのお礼を言われたりしたんですけれど、それほど外国の日本を見る目もですね、だいたい小集団まで。だからよく言われる台詞がありますけれど、個人が見えない日本という風な言い方をされている。これはスポーツ、その他の世界でみんなの同じでありまして、サッカーのあの監督。あの名前は度忘れしてしましたけれども・・・・。
だからチームプレーは上手。パスワークは見事。だけど最後の勝負を決めるのは個人だという姿。の感じと一緒に似た感じですね。
(つづく)平林良人