基礎編・理論編

横山哲夫先生の講演 | 目標による管理とキャリア開発

投稿日:2021年11月6日 更新日:

今回は、エドガー・H、シャイン著「組織文化とリーダーシップ」翻訳紹介の間に、横山さんの講演録を入れさせていただきます。この講演録は2010年3月にキャリアコンサルタント協議会が収録したもので、連続した講演を4回に分けて紹介しますが、今回はその2回目をお送りします(2回を4日間に分けてお送りします)。この講演はACCN(オールキャリアコンサルタントネットワーク)もサポートしておりキャリアコンサルタントの方にはぜひ聞いていただきたいものです。

横山哲夫先生講演録 その2- 3

経営も同じ。強い個人。実践に動ける個人。そこから知恵が出る。生き生きしている個人の姿。それを見られるようにするためには、具体的には何をしたらいいのかということを我々がすでに慣れている制度から言うと、目標による管理とキャリア開発。これが新しい個人と組織の共生を示す図でもあろうと、ということでこの図を使わせて頂きました。
また後で戻りますけどとりあえず1番はこの様なことで。日本から経営陣への確信というのはこういうようなことを意味している。
事実そういう風に動いている。キャリア開発の世界というのは、このまさにこの今も問題としているこの個の部分なんですね。と、いう風にこの状況を見ておいていただきたいと思います。

この6番に進みましょう。
現代若年層分布試書でてあります若年性と言葉を削ってもいいのでありますけれど、私は20年に渡ります4つの大学での学生との関りの中から生まれたものがヒントでありまして、それを図にしてみました。
慶應の国際人事で有名な石田英夫さんが助けてくださって、まぁ横山一緒だぞということにさせて頂きました。ご覧ください。左コードこの2つの軸ですね。2本の軸でマトリックスができます。
左に行く程、集団主義。右に行く程、個人主義。上へ行く程、成熟し、下へ行く程、未熟。あまりにも漠然としているのではないか、成熟は心理的な成熟といってもいいし大人としての成熟パーソナリティーの成熟といってもいいです。
ですから、未熟はその逆、子供であり成熟していない。
このマトリックスを作りますとですね、ABCD と絡み合いつけると4つ枠ができるのですね。これですね、これはご参加の皆様にも問いかけなんですけれども、皆さんご自身はどこにいらっしゃるでしょうか。かって皆さんが対応する組織あるいは個人っていうのはどこにいらっしゃるでしょうか。自分を当てはめてみることも意味がある事ではないでしょうか。

第6図をご覧いただいておりますが、まあ人材というの C とD 上の二つ。人材になる前の素材の状態というのはAとBです。
皆さんが A とB であるはずはないので、CとDなのでしょう。
便宜上 AとBを言っているので、CとDを説明するとAは未定不定、見ているだけで、何を考えているか分からない。説明をしてくれない。質問にも答えない。
こういうグループがいる。Bはそれで引き換え、誠に分かりやすい。どう分かりやすいか。自分のことしか考えないエゴ過剰分という風に言っていました。特に日本の精神風土・或いは日本の企業風土では大変な持て余し者になってしまう。
しかしながらAもBもですね、この対応を誤らなければAはCに。BはDという風に成長する。という風に考えないと面白くない。それで考えようによって人材に育てることができるではないかというふうに考えようとAもBもCとDになっていく。

皆さんはCかDはどちらかにいらっしゃるんだと思いますけども、これもですね便宜上作ったマトリックスがありましてCに10人、Dに10人その10人10人を比べてみると発揮するかもしれません。C 1からC 10まで D 1からD10までC 1からC 10までの10人帰属順応と書いてある通り、これは自分はどういう考え方で何をしようとしているのか、してきているのか、これからしたいと思っているか。ということを言われても、答えは出てこない。出てこないわけではない。何か考えているんだけれども、それ以上に自分が所属している帰属している労働集団、会社企業、あるいは団体、あるいは行政、そこの価値観、そこのしきたり、というものに自分を合わせるということは非常に巧みな人材。自分自身の思いよりかは自分の環境、環境の価値を優先させようという。で、与えた言葉が帰属順応群。立派な人材であります。

今の組織を支えるというのはまさにC群が中心でしょう。そのC群は先を支えてくれるか?というようになると、そうだ。と言いたいのだけれども、そうでない部分が出てくる。なぜか?C1からC10まで10人のこの中に属するという風に思われた方、つまり集団主義傾向は強くて、そして大人らしいし分別はちゃんと思っているという方、現状を守るのは得意ですね。現場を支えるっていうこと非常に得意なのだけども個人差はなさすぎる。10人の間にもちろん個人差はあるのだけれども、そのあるって言うのは右側のD群に比べたらばはるかに小さい。
言い方を変えるとここにいる10人というのは、一つの指示命令によってあるいは一つの考え方に纏めることができる、纏めやすい。D群はそうはいかない。ここにCとDの相違が出てくるわけでありますけれど、どちらも人材。途中ですけれども、ちゃんと申し上げていきます。C群はまず現場を支えてくれる人材である。D群は個立連帯群。個人主義傾向が強い。大人です。

個立という言葉を初めてご覧になる方があるかもしれないが、これは一人ぼっちになる。これ孤立ではなくて個人として精神的に自立している、自立しようとしている、という意味で個立ということ。これはいずれ辞書に載る言葉だと信じてますけれど。この言葉は、たまたま私のカウンセラーのカウンセリングのお師匠さんの一人である平井典子さんがたまたま研究会のときにこの個立という言葉を使われた。いい言葉だなとしびれましたね。個立者が連帯をしていくという、これこそまさに日本の人材力のこれからを使う産業界で多いに流行らせようということで発生したのですが、なかなか流行ってくれない。しかし字としては残っておりまして、どこかで時々出てきて引用されているのを見ることができる。大いに流行らせたい言葉で個立・連帯・個立連帯群、これはD1かD10まで10人を先程行ったと同様に見ていますと、個人差がとても大きい。かなりC群よりなDでこれはマトリックスでいいますから、もちろん中はいろいろと動くんでありますけれども、C群に近いようなD1というのもいるかもしれないけれど、これD10になってくるとですね、自分の価値を確立するまでに、まだまだ模索中。しかし帰属の価値観には従わない。
ちょうど必ず自分の意見を付けて、まだ自分は価値観ができてないという状態にいるということを自覚もし、表明もしてしまう。かなり自分の考えができているという人はもちろんいるわけです。その自分の考えに照らして組織の方法がいいかどうか?あたりのことを言うということがある。

場合によっては生意気なことを言うのでありますから、帰属順応群的な管理者にはですね、この個立連帯群というのはですね、今の時代は着々と変わりつつありますけれど今までのところまだ体制としてはですね、体制としては自分勝手なグループのように見える理由。言い方を変えるとですね、エゴ過剰群のB群と個立連帯群のD群との区別がつかない。旧来的な管理者には、C群的な管理。帰属順応群的な管理者にとってはこの区別がつかないというわけであって、個立連帯群をこれからの人材として認めるどころか、どちらかとするとはいえ、追い出しにかかってしまうということなんかもやり兼ねないです。

ここに悲劇がある訳でありまして、将来の日本の産業界、産業界に限りません。日本社会をしょって立つ可能性を持った、新たな人材。一人一人が自立しようとしている。一人一人が自分の考えを持とうとしている。
その考えのところで周辺と組織とあるいは関わり合う人達と、共生をしていこうという風な姿勢を持った人達が、人材について扱われないままにですね、むしろ疎外されてしまうっていうがこれは悲劇であります。
これが見ておりますと、私のあの何十年かの間振り返って見てみますとね。だんだんと、だんだんとこの個立連帯群D群っていうのが増えていることを間違いありませんね。

つい最近まで個立連帯群を逃してしまうというのはそれを待ち受けて、人材を逃がしてくれる会社。いただきますという方もあって、それで得をしているという会社が変わるというのが1話題になったことがある位。なかなか個立連体群的なD群というのは育ちにくい。旧来の文化と言いますか、旧来のしきたり、慣例というものがこの人たちを生き難くしているという。トップマネジメントにお伺いしますと、必ずこの両方が必要だということを教えます。現在の組織を支えていける人材、将来の組織の在り様ということを考えてくれる人材。何が起こるか分からないような変化に対応するという知恵を出してくれそうな人というのは、個立連帯群のD群じゃないか。

皆さんいかがですか?お一人お一人にこれは問い掛けということをさせて頂きますけど、どちらにしても人材で明日からどちらに行っても構いません。ですけれども、ABであってなければね、あるいはシートでの中間ぐらいにいらっしゃるでしょうか?あるいは典型的なC群でしょうか?典型的なD群でしょうか?良い悪いは全く別であって、特に人のキャリアに他社に影響を与えるキャリア支援者、キャリア支援を考える方にとっては、先ずご自分のことを掴んで頂くというのが大事なので、これはまだしつこい様でありますが、何度もあったかで言わせていただきます。

けれども、皆さんご自身は何処にいらっしゃるんでしょうか?で、この辺りのところはかなり基本的な態度と関係してきますので、クライアントの考えが汲み取れないということなんかもあり得るという現代若年層を分布しなったのはこのように読んでいただきました。このD群の養成。このD群の増やすということ現状ではですね、現状ではC群は過剰気味でございます。社外のどの部分についても帰属順応的な人材、あるいは管理者というのは余り気味で、D群の個立連帯群的なスタッフあるいは管理者というのは不足気味であります。これがですね、キャリア開発という考え方が社会に浸透してくるにしたがって、この個立連帯群の増強を果たしていくだろうという様に、私はかなり強く予測をしております。ですから、将来楽観ということは前学のところ申し上げましたけれど色々な分析からいってもですね、これは将来は決して暗くない。

将来いい方向すごいだろう。その中でご自分はどうなさっていらっしゃいますか?どうなさるおつもりですかってことです。絶えずご自分に問いかけて頂くという様にして頂けたらいいなと思っております。
図1番と6番の説明はここで終わります。
(つづく)平林良人

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