基礎編・理論編

人間関係の本質に関する前提認識 | テクノファ

投稿日:2022年1月28日 更新日:

キャリアコンサルタントが知っていると良いと思われる「組織文化とリーダーシップ」を紹介します。記事はエトガー・H・シャインの著作「組織文化とリーダーシップ」を横山先生が翻訳されたものです。横山先生はシャイン博士が2006年来日した時の立役者(JCC:日本キャリア・カウンセリング研究会が招待した、彼と娘さんが来日した)で、東京、大阪でシャインが講演をする際にいつも同席し、そればかりか新幹線で京都案内までされて、ごくごく親しく彼の人柄に触れた日本人でありました。

横山先生の思想の系譜をたどるときには、エドガー・シャインにかならず突き当たるので横山先生の翻訳を紹介しながら彼の思想の系譜を探索していきたいと思います。
〇 人間関係の本質に関する前提認識
すべての文化の核心にあるものは,個人がお互いを関係づけ,自分たちの属するグループを安全で,居心地よく,生産的にする適切な方法についての前提認識である。そのような原則が広く共有されていない状態をアナキー(anachy)とアノミー(anomie)と言う。これまでに記した前提認識はグループとその外的環境との関係性であることが多かったが,ここで取り上げる前提認識のセットはグループ自体の本質と,メンバーのための内部環境の種類に関わることである。これらは第6章で取り上げた種々の問題にグループがどう関わるかにも影響するし,第12章でもさらに補足されるであろう。

人間として,いくつかの基本的な問題に取り組むに当たってはコンセンサスを求め,成立させなくてはならない。基本的問題というのはすべて基本的な事実に由来している。何が基本的事実かと言えば,人間はすべて頭脳を持っている。とくに物事を認知する能力,感情をマネジする能力,意思の方向を定める能力に優れている。人間としての基本的な問題の解決に取り組むにはこれらの能力が発揮されなくてはならないが,グループで取り組んで同意を図るためには,つまり,共通の概念で同意できるためには,一連の質問のセットに反応してみることである。図られた合意の成立の程度によってメンバーの焦りや心配や,自説へのこだわりは最小化されるであろう。

〇 解決すべき問題は何か。
・アイデンティティーと役割何のために自分はこのグループにいるのか。私の役割は何か(自分と役割についての明確さ)。
・パワーと影響力自分の影響力,統制力はどうなるか(自分の攻撃性をどうマネジできるか)。
・ニーズとゴールグループのゴールと自分のニーズは一致するか(意図と意思のマネジメント)。
・受容と親密性自分は受けいれられているか。尊敬されているか。好かれているか。われわれの関係性は良好か(愛情のマネジメント)。

第12章でリーダーの行動とグループの反応によって,メンバーが徐々にこれらの質問に反応し,グループとしてのタスクを達成できるようになるプロセスを検討することになる。グループ,組織,社会のそれぞれが相異なる反応を示すが,自己防衛的な態度は少なくなり,何らかの解決案に同意することになるのが常である。そしてメンバーのグループでの内的行動が活性化し,信頼できる有意義な社会的秩序が上記の諸点において観察される。自己とその役割についての自覚,攻撃性のセルフ・マネジメント,意図と意思のセルフ・マネジメント(入口と出口),愛情のマネジメントである。

マクロ文化ではこれらの質問は社会と職業に向けての教育と社会化のプロセスで対応されている。第6章で,このレベルではグループのなかにも差異があると述べた。マクロ文化間の比較研究では,グループメンバーの基本的アイデンティティーは,権威と親密をめぐる社会的秩序のルールによって深く形作られていることが明らかであった。またさらに,より基本的な問題についても,メンバーのアイデンティティーはその出身社会との絆を維持していた。

〇 個人主義と集団主義
広範に,多様なマクロ文化を観察してきた人類学者たちの指摘によれば,国家や民族のなかで相互に大きな次元としての相違を示す発見があった。それは社会の最終単位を個人とするか,グループとするかの課題である。すべての社会は個人性(individuality)の支持とグループへの忠誠の両方のシステム化を開発しなくてはならないが,両者は社会の最終単位についての前提認識を異にする(Kluckhohn & Strodtbeck,1961;Havrylyshyn,1980)。ホフステッド(Hofsted,2001)も,その比較研究で,個人主義-集団主義をとらえ,例として前者に米国,カナダ,オーストラリア,英国,後者にパキスタン,インドネシア,コロンビア,エクアドル,日本を挙げ,それぞれその傾向が強いとした。

この次元を検証するひとつの方法は個人とグループの大切さが異なるとして,どちらを犠牲にし,どちらを守護するかを訊ねることであろう。米国では憲法と人権に関する法律にもあるように最終的に守るべきは個人であり,逆に集団主義文化の国では犠牲の対照が個人であろう。極端な事例として,第二次世界大戦での神風パイロット,最近の戦争での自爆行動が挙げられる。

事実上,いずれの社会,あるいは組織においても,個人とグループはどちらも大切であり,片方が欠ければ話にならない。しかし文化の差異が極端に甚だしい場合には,信奉された価値と様式にこだわりが強く,深いところの前提認識といえども無視される。表面的には米国もオーストラリアも個人文化に属するが,オーストラリアやニュージーランドでは“tall poppy syndrome(ひとりが目立つことを嫌うシンドローム)”(訳者注:背の高いケシの草は先に刈り取られる)という表現がよく聞かれる。たとえば,その両親の転勤とともにオーストラリアに越してきた米国人のあるティーンエージャーが次のように語っている。彼がサーフボードで絶妙な技を見せたときでも,オーストラリア人の友達には「運よくいい波が来たよ」と言わなくてはならなかったのだ。強い集団主義の価値観が信奉されている(一見)個人主義的文化の国では,個人が特技をひけらかしてはならないのだ。一方対比的に,米国はチームワークを信奉はするが,スポーツで賞賛されるのはスーパースターであり,チームビルディングは現実的には必要だが,本質的には望ましくないのだ。

前述した4つの基本的質問については,個人尊重社会での反応としての役割は,個人願望の成就,個人競争によるライセンスの取得,野望の達成に特別賞金,そして,親密性の定義は,きわめて個人的な意味合いでの愛情,となる。集団優先社会では,グループ・メンバーシップ,ライセンス獲得は他グループとの競争,個人的願望は重視せず,恋情の展開もグループのなかで,となる。

〇 パワー(権威・権力)との距離(格差)
すべてのグループと文化はパワーへの攻撃をいかにマネジするかの問題を抱えている。ホフステッドの広範な文化調査が“power distance(パワーとの距離)”次元として引用されていることは当然である。組織階層(階級)に関わる人たちにお互いの行動を見通す力が十分かどうかは国家レベルにおいてもさまざまである。パワーディスタンスの高い国,たとえばフィリピン,メキシコ,ベネズエラでは上司と部下の間の不平等が目につく。デンマーク,イスラエル,ニュージーランドのようなパワーディスタンスの低い国ではそれほどの不平等感はない。同じインデックスで職業別に見ると,未熟練・半熟練ワーカーのグループのなかでは,専門・管理職グループに比べれば,低ディスタンスで,これは想像通りである。

組織レベルでは,関係性に関わる前提認識は,当然広い文化要素を反映させている。但しこの原則は手を入れて独自性のあるものにされる。組織の創設者やリーダーは組織を運営するには,個々人にタスクを課して,業績の結果責任を明確にする。グループワークや協力ワークを最小限にする,というのはグループで問題解決をさせると最大公約数的な処理になってしまうし,悪くすると責任感を希薄にしてしまうからである。このやり方に対して別のリーダーは,お互いの協力と部下たちのなかでのコミュニケーションを問題解決と実践のベストの方法として考える。このふたりのリーダーは全く異なったスタイルを用いるであろうし,その相違は組織全体のプロセスや報奨や統制のシステムの導入に反映できるであろう。

DECは強い個人重視であったが上位者と下位者のパワーディスタンスをできるだけ低くした。よいアイディアは誰からでも,どこからでも出てくるという前提認識に沿うものであった。シニアマネジャーは常に接触可能で,時間や場所は必ずしも自由にはならなかったが,どんなことでも,また誰とでも喜んで話をしてくれた。R&DにいたあるR&Dのシニアマネジャーが,よりよきキャリアを求めてDECを退職した。しかしわずか3か月後にDECに復職してこう言った。「その会社で,新製品についてのアイデアを思いついたら,まず上司に話せといわれた。上司はR&Dのディレクターに話せと。その次は上級副社長に話せ,だった。DECではアイデアが浮かんだら,ケン・オルセンへ直行して,アイデアをめぐって論争した。そういうところでないと自分は働けないことがわかった」。

対照的に,チバ・ガイギーでは集団尊重の人が多く,階層,形式,儀礼が重視された。会議,会合は明確な目的,等級への配慮のもとに準備され,参加者の節度が重んじられた。私のコンサルティング訪問のときは,具体的な案件について私の時間を要請した人たちとしか会うことがなかった。ほかの人たちのところへ立ち寄ったり,幹部専用のダイニングルームでのささやかなもてなしの場以外で会話を弾ませようなどの想いは不適切そのものであったに違いない。

〇 役割関係の基本的特性
人間関係の課題もパーソンズ(Parsons,1951)の「パターン変数」のおかげで有効な分析が可能になった。クラックホーンとストロッドベックのモデル(Kluckhohn & Strodtbeck,1961)や,いま人気の,ハムデン-ターナーとトロンペナールスのモデル(Hampden-Turner & Trompenaars,2000)を導き出したのも,すべての役割関係性に関わる,このパターン変数による基本特性である。人間のあらゆる関係性についての基本的な質問。
1.感動性の程度(degree of emotionality):冷静で,「専門的」で,離れ た感じ。医者と患者の関係。情感で充たされている。あるいは深い友情?
2.具体性 vs.散漫性(degree of specificity vs.dffuseness):具体的 理由,根拠,セールスと顧客。散漫な関係性,一般的な友情。
3.普遍主義 vs.個別主義・特別主義(degree of universalism vs.partic-ularism):その関連に含まれる人たちは,ステレオタイプにもとづいてきわめて曖昧な「普遍主義的な」方法でお互いをとらえているか(専門家同士のように)? あるいは夫婦間,友人間のようにお互いを全人格的に「個別的に」とらえているか?
4.地位礼賛 vs.自力達成(degree of status ascription vs.achiev-ment):地位またはランクのような社会的褒賞は,個人の出生または家族のメンバーシップのような,その個人の属性として与えられるのか,あるいは個人の努力を通してその個人が実際に達成した成果であるのか?

これらのパターン変数によるDECにおける関係性は,感動性,散漫性,個別性,自力達成性の強い指向性であり,チバ・ガイギーは冷静,具体性,ある程度の普遍性,そして地位と自力は混合の方向性と見られる。チバ・ガイギーの組織としての自力達成指向は戦略的に明らかであるが,個人レベルでの家系,教育レベル,社会的背景の礼賛等も目立った。チバ・ガイギーの人たちも意欲的ではあったと思われるが,会社への貢献が優先されるところはDECと顕著に異なっていた。DECでは前提認識の「正しいこと」をやっていれば,その努力に対して個人が報われ,その結果として会社への貢献が果たされる,とされていた。

これらの次元によって,マクロ文化が著しく異なり合っていることが具体的に示され,そのことが多文化グループにおけるコミュニケーションの難しさを示唆している。ビジネスの倫理的側面を明らかに定義することの困難さの根源はここにあるのだ。個人の自律性を重視する国から来たマネジャーたちは普遍的,ユニバーサルなルールを基盤とし,組織の地位,ポジションは仕事の成果に見合うものであることを当然と信じて疑わない。ところが,集団主義の国で働くことになると,その国の人が他者との感情充足にとらわれ,関係性を散漫にし,血縁主義やリベートの要求に走る者もありで,仕事をすすめることが困難と感ずる。集団主義の国では関係性の構築が仕事に先行する。仕事の完遂を何事より優先する個人主義的,競争主義的なマネジャーは困惑させられる。タスク指向のマネジャーは関係性指向の部下に困惑するのだが,関係性指向の観点からはよい関係ができなければタスクは遂行できないとなるのだ。これらの問題をめぐる相互理解は切実なものとなるであろう。多文化チームによる仕事が増えていくことは間違いないからだ。そしてそのチームのメンバーは世界の国々からその国の関係性に関わる前提認識とともに集まってくるのだ。

〇 相互作用のルール:時間,空間,関係性の前提認識の合同効果
第8章では親密性の問題をタイミング,距離,ポジションによって定義してみた。もし,これらの前提認識を関係性に関わる前提認識と併せて集約すれば,われわれは実質的に前提認識のセットを手にすることになり,詳細に,具体的に,相互作用についての基本的ルールを作り上げることができる。(関係性に関わる前提認識とは,人間がお互いを関係づけるための適切な方法の前提認識である)(Goffman,1967;VanMaanen,1976b)。われわれが気遣い,落ち着き,よきマナー,エチケットなどと呼ぶものは,社会規律を保っためのルールのセット(ゴフマンらの言う“face work”)なかに入れ込むことにすればよい。言い換えれば,人間の作るグループのすべてについて言えることだが,メンバーが遅かれ早かれ学ぶこととして,グループにはグループのルールと形式がないと生き残れないということだ。ルールと形式がグループの環境を安全に守ってくれる。すべてのメンバーは環境が危険にならないように,お互いの「顔」と自尊心を守らなくてはならない。もし私があなたの顔を潰すようなことをしたら,あなたも私に同様なことをしてよいという,ライセンスを差し上げるということだ。

相互作用の基本ルールの中身は文化ごとに異なっていて当然だが,そのようなルールのセットのある部分はどのグループにとっても予想可能と思われるし,安定した存在たり得るし,またいくつかのグループの共同の歴史にもなり得る。社会的秩序に関わるグループの機能はメンバーにその意味を提供し,心理的な安心感をもたらす。相互作用のルールは顔と自尊心を守り,組織における個人的境界線を明らかにし,愛情と親密性についての相互作用のルールを示してくれる。

〇 本章の要約と結論
本章では深いところの文化的な前提認識について検討した。つまり,人間性,人間活動,人間関係に関わった前提認識だ。検討された問題と次元は一種のグリッドを構成し,特定の組織文化がそこに描かれた。言うまでもなく,特定の組織文化にとってすべての次元が等しく注目され,一様に重要であったわけではない。さらにまた,次元は相互作用を起こして一種のパターン,ないしはパラダイムを形成する。DECとチバ・ガイギーに関する第3章がその証明となる。

人間の本質に関わる基本的前提認識を検討した。現存的,打算的,社会的,自己実現的,複雑な人間性,ポジティブで適応力のある人間性(セオリーY)とネガティブで固定的な人間性(セオリーⅩ),行動と支配を強調する行動指向(doing orientation),一方にある自らの運命と居場所を確認する存在指向(being orientation),さらに開発に意義を認める指向性の文化(being-in-Becoming orientation),この文化では自己開発をあるべき「正しい」方法としてフォーカスしている。これらの次元は,組織がそのおかれた環境との関係性を重視していることを特徴としている。

次いで検討したのは人間関係を特徴づける基本的次元であった。そのもっとも基本的な基準はグループが,グループとして個人志向的で競争的であるか,あるいは,集団的で協力的であるかである。すべてグループには何らかの階層がある。関連して,文化次元には心理的な距離感の強弱,長短がある。

いかなる社会であっても,それが形成されるときには,そのメンバーのすべてが自分自身のために自分のアイデンティティの問題を解決しなくてはならない。そのグループの中では自分はどういう存在になるのか,グループからどのような影響,統制を受けるのか,グループのゴールやニーズに自分はマッチするのか,グループが私と親密になれるのか。このプロセスのなかでグループは,メンバーに対しての感情的な充足を抱こうとするか,中立的でいようとするか,曖昧なままにしておくか,普遍的であろうとするのか,また,メンバーの誰かが何かをやり遂げたとき,それがグループにとって何を意味するのかなど,グループはそれらを次元にもとづいて習得することになる。もっとも注意すべき次元は,関係構築が職務達成に優先するか否かであり,それは関係構築の相対的価値が組織文化のありようによって大きく変動するからである。

また,すべてのグループにおいて,空間,時間,関係性が相互作用のルールを組み立てるという前提認識が,社会秩序を生み,育て,意味づけ,攻撃性,親密性をマネジする。文化は深く,広く,複雑で,多次元である。ひとつやふたつの顕著な次元のみによって組織現象をステレオタイプ化する誘惑を避けなくてはならない。タイプ論については次章で取り上げる。
(つづく)平林良人

-基礎編・理論編

執筆者:

関連記事

リーダーシップのパターン | キャリコン養成講座260テクノファ

キャリアコンサルタント養成講座を紹介していただいた横山先生が翻訳されたサニー・S・ハンセンの著作「Integrative Life Planning」を紹介しながら、横山先生の思想の系譜を探索します。 ■リーダーシップのパターン 組織におけるリーダーシップの動向と、変化する社会において必要とされる新しい管理者と労働者のスキルについて、多くの書物が書かれている。そのなかでも、最も創造的で明確なビジョンを示している本が、Jean Lipman-BlumenのThe Connective Edge:Leading in an Imterdependent World(1996)である。世界の5000 …

文化の類型と文化サーベイ | テクノファ

キャリコンサルタントが知っていると良いと思われる「組織文化とリーダーシップ」を紹介します。本記事はエトガー・H・シャインの著作「組織文化とリーダーシップ」を横山先生が翻訳されたものです。横山先生はシャイン博士が2006年来日した時の立役者(JCC:日本キャリア・カウンセリング研究会が招待した、彼と娘さんが来日した)で、東京、大阪でシャインが講演をする際にいつも同席し、そればかりか新幹線で京都案内までされて、ごくごく親しく彼の人柄に触れた日本人でありました。 <ここより翻訳:2010年シャイン著> 第10章 文化の類型と文化サーベイ 先の数章で私は,文化の特性を解明するために活用されてきた数多く …

グループの主要なタスクである学習 | テクノファ

キャリアコンサルタントが知っていると良いと思われる「組織文化とリーダーシップ」を紹介します。本記事はエトガー・H・シャインの著作「組織文化とリーダーシップ」を横山先生が翻訳されたものです。横山先生はシャイン博士が2006年来日した時の立役者(JCC:日本キャリア・カウンセリング研究会が招待した、彼と娘さんが来日した)で、東京、大阪でシャインが講演をする際にいつも同席し、そればかりか新幹線で京都案内までされて、ごくごく親しく彼の人柄に触れた日本人でありました。 横山先生の思想の系譜をたどるときには、エドガー・シャインにかならず突き当たるので今回から横山先生の翻訳を紹介しながら彼の思想の系譜を探索 …

キャリアコンサルタント国家資格3 I テクノファ

厚生労働省のキャリアコンサルティング実施のために必要な能力要件の説明をしています。前回は、「Ⅱキャリアコンサルティングを行うために必要な知識、11.個人の多様な特性の知識」まで説明しました。今回は、「Ⅲ キャリアコンサルティングを行うために必要な技能、1.基本的な技能、(1)カウンセリングの技能」から説明を続けます。 Ⅲ キャリアコンサルティングを行うために必要な技能 1.基本的な技能 (1)カウンセリングの技能 ・カウンセリングの進め方を体系的に理解したうえで、キャリアコンサルタントとして、相談者に対する受容的・共感的な態度及び誠実な態度を維持しつつ、様々なカウンセリングの理論とスキルを用い …

キャリアコンサルタント養成講座 93 | テクノファ

横山哲夫先生の思想の系譜 横山哲夫先生が2019年6月に逝去されて今年は3回忌になります。テクノファでは2004年に先生のご指導でキャリコンサルタント養成講座を立ち上げさせていただいて以来、今年まで実に16年もの間先生の思想に基づいたキャリコンサルタント養成講座を開催し続けさせていただきました。 横山哲夫先生はモービル石油という企業の人事部長をお勤めになる傍ら、組織において個人が如何に自立するか、組織において如何に自己実現を図るか生涯を通じて研究し、又実践をされてきた方です。 横山哲夫先生は、個人が人生を通じての仕事にはお金を伴うJOBばかりでなく、組織に属していようがいまいが、自己実現のため …