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専門実践教育訓練給付金 | テクノファ

投稿日:2022年1月27日 更新日:

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について説明していますが、今回は前回の教育訓練給付制度の3つのコースの中の1つ専門実践教育訓練給付金の(支給額)の項目の続きから説明します。

(支給額)
2.専門実践教育訓練の受講を修了した後、あらかじめ定められた資格等を取得し、受講修了日の翌日から1年以内に被保険者として雇用された人又はすでに雇用されている人に対しては、教育訓練経費の20%に相当する額を追加して支給します。
この場合、すでに給付された上記1.の訓練経費の50%と追加給付20%を合わせた70%に相当する額が支給されることとなりますが、その額が168万円を超える場合の支給額は168万円(訓練期間が3年の場合、2年の場合は112万円、1年の場合は56万円が上限)とし、4千円を超えない場合は支給されません。
また、10年の間に複数回専門実践教育訓練を受講する場合は、最初に専門実践教育訓練を受講開始した日を起点として、10年を経過するまでの間に受講開始した専門実践教育訓練の教育訓練給付金の合計額は、168万円が限度となります。

なお、法令上最短4年の専門実践教育訓練を受講している方については、3年目受講終了時に、専門実践教育訓練給付の10年間における支給上限額168万円に、4年目受講相当分として上限56万円を上乗せされます(4年間で最大224万円)。

3 特定一般教育訓練給付金
(支給対象者)
受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて支給を受けようとする人については、当分の間、1年以上)あること、受講開始日時点で被保険者でない人は、被保険者資格を喪失した日以降、受講開始日までが1年以内(適用対象期間の延長が行われた場合は最大20年以内)であること、前回の教育訓練給付金受給から今回受講開始日前までに3年以上経過していることなど一定の要件を満たす雇用保険の被保険者(在職者)又は被保険者であった人(離職者)が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合に支給。

特定一般教育訓練の教育訓練給付金を受給するためには、受講開始前に訓練対応キャリアコンサルタント(訓練前キャリアコンサルティングに従事するための要件を満たした者を、「訓練対応キャリアコンサルタント」と呼んでいます)による「訓練前キャリアコンサルティング」を受け、就業の目標、職業能力の開発・向上に関する事項を記載した「ジョブ・カード」を作成することが必要です。このジョブ・カードとハローワークなどで配布する「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票」を訓練受講開始日の原則1か月前までにハローワークへ提出し、受給資格確認手続を行うことが必要です。

(支給要件期間)
その被保険者資格を取得する前に、他の事業所等に雇用されるなどで被保険者等であった期間も通算しますが、被保険者資格の空白期間が1年を超える場合は、その前の期間は通算されません。
また、過去に教育訓練給付金を受給したことがある場合、その時の受講開始日より前の被保険者等であった期間は通算しません。

(支給額)
教育訓練施設に支払った教育訓練経費の40%に相当する額となります。ただし、その額が20万円を超える場合は20万円とし、4千円を超えない場合は支給されません。

4 教育訓練支援給付金(2022年3月31日までの時限措置)
(支給対象者)
初めて専門実践教育訓練(通信制、夜間制を除く)を受講する人で、受講開始時に45歳未満など一定の要件を満たす人が、訓練期間中、失業状態にある場合に支給。

(支給額)
当該訓練受講中の基本手当の支給が受けられない期間について、基本手当の日額と同様に計算して得た額に80%の割合を乗じて得た額に、2か月ごとに失業の認定を受けた日数を乗じて得た額を支給します。

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について説明していますが、ここまで何回か回を重ねて職業教育訓練等のキャリア形成支援に関連した事項を説明してきましたが、国の施策として、キャリア形成支援と同時にキャリア形成に資するために、効果的な職業能力評価基準の確立及び職業経験等を基礎とした職業能力評価手法の開発促進が必要であるとしています。先に説明した職業能力開発基本計画にはこの職業能力評価について下記のように記述されています。

・第7次職業能力開発基本計画における記述
厚生労働省の資料
https://www.mhlw.go.jp/topics/0106/tp0606-1.html
から引用。
(3) 職業能力評価システムの整備
労働者のキャリア形成に資するため、特定の技能及び知識に関する評価に加え、効果的な評価基準の確立及び職業経験等を基礎とした評価手法の開発を促進する。
イ 民間委託を活用した技能検定制度の拡充及び整備
ロ ホワイトカラーの職業能力の評価基準や職業経験等を基礎とした実践的な評価手法の確立等包括的な職業能力評価システムの構築に向けた検討の実施

・第9次職業能力開発基本計画における記述
厚生労働省の資料
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000063164.pdf
から引用。
3.教育訓練と連携した職業能力評価システムの整備
① 職業能力評価と教育訓練を体系的に結びつけた「実践キャリア・アップ戦略(キャリア段位制度)」の構築
② 職業能力評価基準の普及・促進
③ 技能検定制度が社会的ニーズにあったものとなるよう見直し

今回から、上記の職業能力開発基本計画にも記述されている技能検定、職業能力評価に関する厚生労働省の施策についてキャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で必要な知識、資料の説明をします。
厚生労働省の雇用・労働の職業能力評価・技能振興サイト
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/shokugyounouryoku/ability_skill/index.html
とこのサイト内のリンク先の厚生労働省サイト及び厚生労働省資料より説明します。

このサイトには、〇技能検定制度、〇職業能力評価基準、〇社内検定認定制度、〇「現代の名工(卓越技能者)」表彰制度、〇技能競技大会、〇若年技能者人材育成支援等事業(ものづくりマイスター制度)の施策が掲載されています。これらの施策を下記、順を追って説明します。

〇技能検定制度
技能検定制度は働く人々の雇用の安定、円滑な就職、社会的な評価の向上などを目的とした、働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度で、機械加工、建築大工やファイナンシャル・プランニングなど全部で130職種(都道府県が実施する職種:111職種 / 指定試験機関が実施する職種:19職種)の試験があります。試験に合格すると合格証書が交付され、「技能士」と名乗ることができます。
(等級)
等級があり試験の難易度によって特級、1級、2級、3級に分かれます。また、職種によっては難易度を分けないで行う単一等級もあります。さらに、職種によっては管理・監督者向けの特級があります。

・特級 管理者または監督者が通常有すべき技能の程度
・1級及び単一等級 上級技能者が通常有すべき技能の程度
・2級 中級技能者が通常有すべき技能の程度
・3級 初級技能者が通常有すべき技能の程度
(つづく)A.K

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