実践編・応用編

子どもの心の健康支援 | テクノファ

投稿日:2022年3月14日 更新日:

新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活に大きな変化を呼び起こしました。キャリアコンサルタントとしてクライアントを支援する立場でこの新型コロナがどのような状況を作り出したのか、今何が起きているのか、これからどのような世界が待っているのか、知っておく必要があります。

2.■ 不妊に悩む夫婦への支援
経済的な負担が大きい体外授精と顕微受精については、2004(平成16)年度から、費用の一部の助成を行っています。この助成事業については、より安心・安全な妊娠・出産に資するよう、都度助成対象範囲の見直しを行ってきました。具体的には、2016(平成28)年 1月から、早期の受診を促すため、出産に至る割合が多い初回治療の助成額を15万円から30万円に拡充するとともに、不妊の原因が男性にある場合に精子回収を目的とした手術療法を実施した場合、更に15万円を上限に上乗せして助成することとしました。2016年度からは、対象年齢を43歳未満、通算助成回数を6回(助成開始年齢が40歳以上の場合は3回)とし、年間助成回数の制限を撤廃しました。また、2019(平成31)年4月から男性不妊治療にかかる初回の助成額を15万円から30万円に拡充しました。(2018(平成30)年度支給実績:137,928件)。 さらに、「全世代型社会保障改革の方針」(2020年12月15日閣議決定)において、子供を持ちたいという方々の気持ちに寄り添い、不妊治療への保険適用を早急に実現することとされ、保険適用までの間、現行の助成事業について、2021(令和3)年1月から、 以下のとおり大幅に拡充しました。

・所得制限の撤廃 ・助成額を1回15万円(初回のみ30万円)から1回30万円に引き上げ
・助成回数を生涯通算6回から、一子出産ごとに6回(治療開始時に妻の年齢が40歳以上43歳未満の場合は3回)
・法律上の婚姻している夫婦に加え、事実婚の夫婦も対象
加えて、不妊に関する医学的な相談や、不妊による心の悩みの相談などを行う「不妊専門相談センター事業」を実施しています。

3.■ 子どもの心の健康支援等
様々な子どもの心の問題等に対応するため、都道府県及び指定都市における拠点病院中核とし、各医療機関や保健福祉教育関係機関等と連携した支援体制の構築を図る「子どもの心の診療ネットワーク事業」を実施しています。
また、入院を必要とする未熟児に対しては、その養育に必要な医療の給付等を行っており、2013(平成25)年度からは事務の実施権限が都道府県、政令市及び特別区から市区町村に移譲されました。

さらに、新生児スクリーニングとして、先天性代謝異常等の早期発見・早期治療を図るための都道府県及び指定都市における先天性代謝異常等検査を行っているほか、聴覚障害の早期発見・早期療育を図るための市区町村における新生児聴覚検査については、2020(令和2)年4月から都道府県における新生児聴覚検査結果の情報集約等の検査体制整備の支援を拡充するなど、確実な実施に向け取組みを促しています。

4. ■ 「健やか親子21」の推進
「健やか親子21(第2次)」(2015(平成27)年度~2024(令和6)年度)は、21世紀の母子保健の取組みの方向性と目標を示し、関係者、関係機関・団体が一体となって推進する国民運動です。「健やか親子21(第2次)」では、日本全国どこで生まれても、一定の質の母子保健サービスが受けられ、生命が守られるよう地域間での健康格差を解消すること、また、疾病や障害、経済状態等の個人や家庭環境の違い、などの多様性を認識した母子保健サービスを展開することが重要であるとしています。そういった認識のもと、10年後に目指す姿を「すべての子どもが健やかに育つ社会」とし、3つの基盤課題と2つの重点課題*7を設定して、成育基本法*8の趣旨を踏まえ、取組みを行っています。

国民運動の取組みの充実に向けて、ウェブサイト等を活用して幅広い対象者に向けた普及啓発を実施しています。また、毎年、全国から母子保健事業及び家族計画事業関係者を集めて「健やか親子21全国大会」を開催していますが、2020(令和2)年度は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、中止となりました。また、「健康寿命をのばそう!アワード(母子保健分野)」を実施し、母子の健康増進を目的とする優れた取組みを行う企業・団体・自治体を表彰しています。

第8節  〇 仕事と育児の両立支援策の推進
1.■ 現状
(育児休業取得率の推移)
育児・介護期は特に仕事と家庭の両立が困難であることから、労働者の継続就業を図るため、仕事と家庭の両立支援策を重点的に推進する必要があります。直近の調査では、女性の育児休業取得率は83.0%(2019(令和元)年度)と、育児休業制度の着実な定着が図られています。

(第1子出生年別にみた、第1子出産前後の妻の就業変化)
しかし、第1子出産後の女性の継続就業割合をみると、53.1%(2015(平成27)年度)となっており、いまだに半数近くの女性が出産を機に離職しています。
また、育児のための休暇・休業の取得を希望していた男性労働者のうち、育児休業制度の利用を希望していたができなかった者の割合は約4割である*9中、実際の取得率は7.48%(2019年度)にとどまってさらに、男性の子育てや家事に費やす時間も先進国中最低の水準です。こうした男女とも仕事と生活の調和をとることが難しい状況が女性の継続就業を困難にし、少子化の原因の一つになっていると考えられます。
*7 「健やか親子21(第2次)」の課題は、以下の通り。
基盤課題A 切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策
基盤課題B 学童期・思春期から成人期に向けた保健対策
基盤課題C 子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり
重点課題① 育てにくさを感じる親に寄り添う支援
重点課題② 妊娠期からの児童虐待防止対策
*8   成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れなく提供するための施策の総合的な推進に関する法律
*9 (出典)三菱UFJリサーチ&コンサルティング「仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書」(平成30年度)
基盤課題A 切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策
基盤課題B 学童期・思春期から成人期に向けた保健対策
基盤課題C 子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり
重点課題① 育てにくさを感じる親に寄り添う支援
重点課題② 妊娠期からの児童虐待防止対策

2.■ 育児・介護休業法
男女ともに子育て等をしながら働き続けることができる環境を整備するため、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(以下「育児・介護 休業法」といいます。)において、育児休業、短時間勤務制度や所定外労働の制限のほか、父母がともに育児休業を取得する場合の育児休業取得可能期間の延長(パパ・ママ育休プラス)、父親が配偶者の出産後8週間以内に育児休業を取得・終了した場合に再度の育児休業の取得を可能とする等、父親の育児休業取得を促進するための制度が規定されています。

「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」等が2019(令和元)年12月に改正され、2021(令和3)年1月から子の看護休暇の時間単位での取得が可能となったほか、雇用保険法が2020(令和2)年3月に改正され、同年4月1日から、雇用保険制度の安定的な運営を図るため、育児休業給付に充てる独自の保険料率と資金を設定し、育児休業給付を他の失業等給付から区分経理しています。

また、2020年9月より、労働政策審議会において、男性の育児休業取得促進策等について議論を行い、2021年1月に建議が取りまとめられまし。これを踏まえ、子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設、育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け等を内容とする「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案」を2021年2月に第204回通常国会に提出し、同年6月に成立しました。

3. ■ 企業における次世代育成支援の取組み
(次世代育成支援対策推進法の概要と改正のポイント)
次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ育つ環境をつくるために、「次世代育成支援対策推進法」(以下「次世代法」といいます。)に基づき、国、地方公共団体、事業主、国民がそれぞれの立場で次世代育成支援を進めています。

(企業における次世代育成対策推進の取組み状況)
地域や企業の子育て支援に関する取組みを促進するため、常時雇用する労働者数が101人以上の企業に対し、一般事業主行動計画(以下「行動計画」といいます。)の策定・届出等を義務づけ、次世代育成支援対策推進センター(行動計画の策定・実施を支援するため指定された事業主団体等)、労使団体及び地方公共団体等と連携し、行動計画の策定・届出等の促進を図っています。

また、適切な行動計画を策定・実施し、その目標を達成するなど一定の要件を満たした企業は「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受け、認定マーク(愛称:くるみん)を使用することができます。
2015(平成27)年4月1日からはくるみん認定を受けた企業のうち、より高い水準の両立支援の取組みを行い、一定の要件を満たした場合に認定を受けられる特例認定(プラチナくるみん認定)制度が施行されており、特例認定を受けた企業は認定マーク(愛称: プラチナくるみん)を使用することができます。

この認定制度及び認定マークの認知度を高めるため、認定企業の取組み事例や認定を受けるメリット等を積極的に紹介するとともに、認定企業に対する公共調達における加点評価について、幅広く周知し、認定の取得促進を図っていきます。
なお、認定基準については、男性の育児休業取得率に関する政府目標や実際の取得率の上昇を踏まえ、前述の労働政策審議会の建議において、各認定基準の見直しや、新たな認定制度を創設することとされました。

4.■ 仕事と家庭を両立しやすい環境整備の支援
事業主が労働者の育児休業の取得及び育児休業後の円滑な職場復帰による継続就労を支援するために策定する「育休復帰支援プラン」や介護離職を防止するために策定する「介護支援プラン」の普及や策定支援を行っているほか、育児や介護を行う労働者が働き続けやすい雇用環境の整備を行う事業主を支援するため、両立支援等助成金を支給しました。

①育児休業等支援コース
・育休取得時、職場復帰時 「育休復帰支援プラン」を策定・導入し、プランに基づく取組みを実施し、労働者に育児休業を取得させ、原職等に復帰させた中小企業事業主
・代替要員確保時育児休業取得者の代替要員を確保し、対象となる育児休業取得者を原職等に復帰させた中小企業事業主
・職場復帰後支援育児休業等から復帰後の労働者を支援するため、法を上回る子の看護休暇制度や保育サービス費用補助制度を導入し、利用させた中小企業事業主

②出生時両立支援コース
男性労働者が育児休業や育児目的休暇を取得しやすい職場風土作りの取組みを行い、その取組みによって育児休業や育児目的休暇を取得した男性労働者が生じた事業主

③介護離職防止支援コース
「介護支援プラン」を策定・導入し、プランに基づき労働者の円滑な介護休業の取得・復帰に取り組んだ中小企業事業主、または介護のための柔軟な就労形態の制度(介護両立 支援制度)を導入し、利用者が生じた中小企業事業主

④再雇用者評価処遇コース
妊娠、出産、育児、介護又は配偶者の転勤等を理由として退職した者が、従前の勤務経験が評価・処遇される再雇用制度を導入し、再雇用した事業主
また、新型コロナウィルス感染症に関する対応として、小学校等の臨時休業等に伴い、子どもの世話のために休暇を必要とする労働者に対して特別な有給休暇を付与した事業主に対しては小学校休業等対応助成金、子どもの世話のため仕事ができなくなった委託を受けて個人で仕事をする方に対しては小学校休業等対応支援金により支援を行いました。

また、 介護離職防止支援コースに新型コロナウィルス感染症対応特例を創設し、家族の介護を行う必要がある労働者のために特別な有給休暇を付与した事業主への支援を行いました。
さらに、インターネットで設問に答えると自社の「仕事と家庭の両立のしやすさ」を点検・評価することができる両立指標や、両立支援に積極的に取り組んでいる企業の取組み等を掲載したサイト「女性の活躍・両立支援総合サイト両立支援のひろば」*10による情報提供等により、仕事と家庭の両立に向けた企業の自主的な取組みを促進しています。

また、介護離職防止のため、介護支援専門員(ケアマネジャー)が、要介護者の介護を行う家族が就労している場合に、その勤務事態も踏まえてケアプランを作成できるよう、仕事と介護の両立支援について学べる研修カリキュラムを策定しました。このほか、育児を積極的に行う男性「イクメン」を応援し、男性の育児休業取得を促進する「イクメンプロジェクト」を実施しています。男性の仕事と育児の両立を積極的に促進する企業を対象とした「イクメン企業アワード」、管理職を対象とした「イクボスアワード」等表彰の実施のほか、人事労務担当者向けセミナーの実施や啓発用動画の作成、企業の事例集等広報資料 の作成・配布、公式サイトの運営等により男性が育児をより積極的に楽しみ、かつ、育児 休業を取得しやすい社会の実現を目指しています。
*10「女性の活躍・両立支援総合サイト 両立支援のひろば」ホームページ https://ryouritsu.mhlw.go.jp/
(つづく) 平林

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