実践編・応用編

キャリヤコンサルタント実践の要領 166 | テクノファ

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新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活に大きな変化を呼び起こしました。キャリアコンサルタントとしてクライアントを支援する立場でこの新型コロナがどのような状況を作り出したのか、これからの世界について知っておく必要があります。ここでは厚生労働省の白書からキャリアコンサルタントが知っておくべき情報をお伝えします。キャリアコンサルタント技能試験にチャレンジする方にもこのキャリアコンサルタント知恵袋を読んでいただきたいと思います。

第3節 外国人材の活用・国際協力
1.専門的・技術的分野の外国人の就業促進
グローバル化が進行する中で、我が国の経済活力と国際競争力の強化のためには、国内人材の最大限の活用はもとより、高度な技術や専門的知識を有する外国人材(以下、高度外国人材という。)の活用が重要な課題であります。厚生労働省においても、外国人雇用サービスセンター*6を中心に全国のネットワークを活用して、その能力発揮及び定着促進を念頭に置いた、企業における高度外国人材の活用促進のための取組みを支援しています。

なお、「外国人の受入れ環境の整備に関する業務の基本方針について」(平成30年7月24日閣議決定)において、関係府省が連携を強化し、地方公共団体とも協力しつつ、外国人の受入れ環境の整備を効果的・効率的に進めることとされたことを受け、2020(令和2)年7月に、「外国人在留支援センター(FRESC/フレスク)」が開所し、外国人の在留支援に関連する各省庁の関係機関が入居しました。

同センターに入居している「東京外国人雇用サービスセンター」においては、他の入居機関との連携を強化しながら高度外国人材等の就業促進に取り組んでいます。また、留学生の在籍者が多い大学等が多数所在する地域を管轄する新卒応援ハローワークに留学生コーナー*7を設置し、外国人雇用サービスセンターと密接に連携のうえ、留学生に対する就職支援の取組みを推進しています。外国人雇用サービスセンターや留学生コー ナーにおいては、担当者制によるきめ細かな相談・支援のほか、地元企業、地方公共団体等関係機関と連携したインターンシップや留学生向け求人の掘り起こし、就職ガイダンス等のセミナー、合同企業説明会の開催等に取り組んでいます。2020年度における新たな取組みとしては、留学生が日本の就職活動の仕組みの理解に乏しいといった課題を克服し国内就職を促進するため、ハローワークと大学との官学連携協定により留学生を留学早期からその後の就職・定着まで一貫してサポートする取組みを開始しました。

更に、留学生を含む高度外国人材にとって魅力的な就労環境等を整備するため、高度外国人材の採用、入社後の活用や雇用管理改善の好事例集として、「高度外国人材にとって魅力ある就労環境を整備するために~雇用管理改善に役立つ好事例集~*8」や「外国人留学生の採用や入社後の活躍に向けたハンドブック*9」を作成し、ハローワーク等において、事業主セミナー開催時や、高度外国人材の雇用に関して企業担当者から相談があった際等に活用し、高度外国人材の雇用管理改善に向けた周知・啓発に努めています。
*7  2020年度現在、北海道、宮城、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、石川、静岡、愛知、三重、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、 香川、福岡、長崎の20都道府県21か所に設置
*8  2018(平成30)年3月 https://www.mhlw.go.jp/content/000541599.pdf
*9 2020(令和2)年2月https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09808.html

3.日系人を含む定住外国人等に対する支援
日系人を始めとする定住外国人は、「派遣・請負」といった不安定な雇用形態で就労する者も多く、職場内のコミュニケーション能力の不足や我が国の雇用慣行に不案内であることから、離職した場合には再就職 が極めて厳しく、リーマンショック後の雇用失業情勢悪化の影響も深刻でした。こうした状況に置かれた求職者がハローワークを拠点に求職活動ができるよう、日系人集住地域のハローワークを中心にポルトガル語等の通訳員を配置する等の支援を行ってきました*10。
ほか、13か国語の電話通訳を行う多言語コンタクト センターを設置し、全国いずれのハローワーク窓口でも多言語による利用が可能な体制を整備しています。引き続き、通訳員等を活用したきめ細かな職業相談、職 業紹介を実施していきます。また、2015(平成27)年度より、日系人を含む定住外国人全般を対象に、外国人就 労・定着支援研修を実施し、職場におけるコミュニケーション能力や我が国の雇用慣行に関する知識の向上等による円滑な求職活動や職場への定着の促進を図っています。

更に、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた外国人求職者への対応としては、ハ ローワークにおける職業相談員や通訳員の増員等に加え、来所が困難な外国人求職者からの相談に対応するため、これまで日本語対応だったハローワーク・コールセンターへの多言語対応機能の追加など、早期再就職に向けた相談支援体制を強化しています。そのほか、ホームページやSNSなどを通じて、離職時に必要な手続きや支援等を多言語(14言語)や「やさしい日本語」で周知するなど、多言語による情報発信を強化しています。
*10 通訳を配置している公共職業安定所等一覧 ¥https://www.mhlw.go.jp/content/000592865.pdf

4.生活に困窮する在留外国人への就職支援
2020(令和2)年度は、新型コロナウイルス感染症等の影響で生活に困窮する在留外国人に対し、緊急的な支援の必要性が確認され、政府においても様々な取組みが進められました。ハローワークでは、こうした外国人を含め、外国人求職者数が年間を通じて2019(令和元)年より多い状況であったため、3でも述べたとおり、多言語での相談体制の整備や、情報発信の強化等により、対応に当たりました。特に、困窮する在留外国人への就職支援の一つとして、2020年12月下旬にハローワーク新宿において、全国で初めて、アルバイト求人に特化した外国人留学生等向けの企業面接会を実施しました。外国人雇用の状況も注視しつつ、こうした就労支援のほか、地方出入国在留管理局とハローワークの連携による在留申請手続から就職相談までの一貫した支援や、外国人支援団体(NPOなど)等を通じた支援策の周知など、きめ細かな対応を行っています。

5.二国間の協定等に基づく外国人看護師候補者及び介護福祉士候補者の受入れ
経済連携協定(EPA)等に基づく外国人看護師候補者及び介護福祉士候補者の受入れ*11は、経済活動の連携強化の観点から、公的な枠組みで特例的に行われているものであります。本枠組みにより入国した看護師候補者及び介護福祉士候補者は、協定等で定められた滞在期間(看護師候補者3年、介護福祉士候補者4年)の間、病院・介護施設で就労を行い、国家試験の合格を目指して研修等を受け、滞在期間中又は帰国後に国家資格を取得した場合においては、日本国内において看護師及び介護福祉士としての就労が認められます。

インドネシアは2008(平成20)年度から、フィリピンは2009(平成21)年度から、ベトナムは2014(平成26)年度から受け入れています。厚生労働省では、国家資格取得に向けた就労・研修等に関する支援の実施、受入れ調整機関である公益社団法人国際厚生事業団(候補者の受入れを適正に実施する観点から、同法人が唯一の受入れ調整機関となっています。)による職業紹介業務等に対する指導監督を行うとともに、外務省、法務省及び経済産業省と緊密に連携しその運営を行っています。

また、2010(平成22)年度から、看護師国家試験及び介護福祉士国家試験における用語等を見直し、2012(平成24)年度からは、試験時間の延長などの配慮も実施しています。さらに、2016(平成28)年4月からEPA介護福祉士候補者等の受入対象施設の範囲の拡大を行い、2017(平成29)年4月から介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを含めました。
*11 受入れの枠組みを紹介したホームページ「インドネシア、フィリピン、ベトナムからの外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて」  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/other22/index.html

第4節 重層的なセーフティネットの構築
1.生活保護受給者などの生活困窮者に対する就労支援の推進
2013(平成25)年度から生活保護受給者を含め生活困窮者を広く対象として、地方自治体(福祉事務所)にハローワークの相談窓口(常設窓口や巡回相談)を設置するなど、ワンストップ型の就労支援体制を全国的に整備し、ハローワークと地方自治体の協定に基づき、両者によるチーム支援方式により、就労支援を行う「生活保護受給者等就労自立促進事業」を実施しています。2019(令和元)年度における実績は支援対象者数約11.1万人、就職者数約7.3万人となっています。

2 求職者支援制度
求職者支援制度は、雇用保険を受給できない方々に対して公的な職業訓練の受講機会を提供するとともに、収入、資産など一定の要件を満たす場合に、訓練を受けることを容易にするための職業訓練受講給付金を支給しています。また、2021(令和3)年2月には、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて休業を余儀なくされている方や、シフトが減少した方などが、働きながら訓練を受講しやすくするため、職業訓練受講給付金の収入要件と出席要件に特例措置(2021年9月30日まで)を講じています。

なお、求職者支援訓練には、多くの職種に共通する基本的能力を習得するための「基礎コース」と、基本的能力と特定の職種の職務に必要な実践的能力を一括して習得するための「実践コース」があります。また、ハローワークは求職者に対してキャリアコンサルティングを実施し、適切な訓練へ誘導するとともに、個々の求職者の状況を踏まえて作成した就職支援計画に基づき、訓練期間中から訓練修了後まで、一貫して就職支援を行い、求職者の早期の就職に向け取り組んでいます。

2019(令和元)年度においては、約2.1万人が訓練を受講したところである。(2020 (令和2)年3月末時点)また、2019年度中に終了した訓練コースの雇用保険適用就職率は基礎コース56.5%、実践コース62.4%となっています。

3.雇用保険制度
(雇用保険制度の見直し)
急速な少子高齢化が進展する中で、高齢者、複数就業者等に対応したセーフティネットの整備、就業機会の確保等を図り、誰もが安心して活躍できる環境の整備を進めることが我が国における重要な課題となっています。また、雇用保険制度については、雇用保険料率 及び国庫負担の引下げの暫定措置の期限が2019(令和元)年度末までとされており、2020(令和2)年度以降の取扱いについて検討することが求められました。これらの課題を踏まえ、第201回通常国会において雇用保険法等の一部を改正する法律案を提出し、2020年3月31日に成立しました。その内容は次の通りです。
①65歳以上の複数就業者に対する雇用保険の適用、
②高年齢雇用継続給付の縮小及び70歳までの就業確保措置の雇用安定事業への位置付け、
③基本手当の受給資格要件である被保険者期間の算定の見直し、
④育児休業給付について失業等給付とは異なる給付体系に位置付け、その経理を明確化、
⑤雇用保険料率及び国庫負担引下げの暫定措置の継続等の措置を講じました。(①については令和4年1月1日、②については令和7年4月1日に施行、③については令和2年8月1 日、④⑤については令和2年4月1日)。

4.雇用調整助成金
(雇用調整助成金を活用した企業の雇用維持努力への支援の実施)
雇用調整助成金は、景気の変動、産業構造の変化等の経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的に休業、教育訓練又は出向を行って労働者の雇用の維持を図る場合に、休業手当、賃金などの一部を助成するものであります。
令和元年東日本台風(台風第19号)や令和2年7月豪雨等の大規模災害が発生した際には、災害により経済状況が悪化し、地域の雇用維持に深刻な影響が生じると見込まれたことから、助成率の引き上げ、支給限度日数の延長等の特例措置を講じました。
2020(令和2)年には、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い事業活動が縮小した事業主を対象に、感染状況を踏まえつつ累次の支給要件の緩和及び前例のない助成内容の拡充を行っています。
(つづく)Y.H

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