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同一労働同一賃金ガイドラインの概要 | テクノファ

投稿日:2022年5月24日 更新日:

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について説明していますが、今回は労働者の雇用、労働契約に関連する知識、資料などについて、前回の続きから説明します。

■改正のポイント
非正規雇用労働者(パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者)について、以下の1~3を統一的に整備しています。

1 不合理な待遇差の禁止
同一企業内において、正社員と非正規雇用労働者との間で、基本給や賞与などのあらゆる待遇について、不合理な待遇差を設けることが禁止されました。
⑴ 均衡待遇規定(①職務内容②職務内容・配置の変更の範囲③その他の事情の内容を考慮して不合理な待遇差を禁止するもの)について、個々の待遇ごとに、当該待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべき旨を明確化。<法第8条>(不合理な待遇差の禁止)
⑵ 均等待遇規定(①職務内容②職務内容・配置の変更の範囲が同じ場合は、差別的取扱いを禁止するもの)について、新たに有期雇用労働者も対象とする。<法第9条>(差別的取扱いの禁止)
⑶ 待遇ごとに判断することを明確化するため、ガイドライン(指針)を策定。<法第15条>

2 労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
パートタイム労働者・有期雇用労働者(非正規雇用労働者)は、「正社員との待遇差の内容や理由」などについて、事業主に説明を求めることができるようになりました。
⑴ 有期雇用労働者に対する、雇用管理上の措置の内容及び待遇決定に際しての考慮事項に関する説明義務を創設。<法第14条第1項、第2項>
⑵ パートタイム労働者・有期雇用労働者から求めがあった場合、正社員との間の待遇差の内容・理由等を説明する義務を創設。<法第14条第2項>
⑶ 説明を求めた労働者に対する不利益取扱い禁止規定を創設。<法第14条第3項>

3 行政による事業主への助言・指導等や裁判外紛争解決手続の整備
⑴ 有期雇用労働者についても、行政による助言・指導等の根拠となる規定を整備しています。<法第18条>
⑵ 「均衡待遇」や「待遇差の内容・理由」に関する説明についても、行政ADRの対象となります。<法第24条、第25条、第26条>

■パート・有期労働ポータルサイト
https://part-tanjikan.mhlw.go.jp/
厚生労働省が運営する、パートタイム労働に関する総合情報サイト。
パートタイム労働法の概要に関する情報のほか、パートタイム労働者の雇用管理を改善するための各種ツールやマニュアル、短時間正社員制度の導入・運用を支援するための情報、パートタイム労働者の活躍を支援する情報など、各種情報が多種掲載されています。

〇掲載コンテンツ
1「パートタイム労働法とは」
2「パート労働者活躍企業診断サイト」
3「パート労働者活躍企業宣言サイト」
4「パートタイム労働者活躍推進企業表彰サイト」
5「パートタイム労働者活躍企業好事例バンク」
6「職務評価をやってみよう」
7「短時間正社員制度導入支援ナビ」
8「パート労働者キャリアアップ支援サイト」

■同一労働同一賃金ガイドライン
厚生労働省のホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000190591.html
より引用説明します。

同一労働同一賃金ガイドラインの概要
このガイドラインは、正社員(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのか、原則となる考え方と具体例を示したもの。
・ 基本給、昇給、ボーナス(賞与)、各種手当といった賃金にとどまらず、教育訓練や福利厚生等についても記載。
・ このガイドラインに記載がない退職手当、住宅手当、家族手当等の待遇や、具体例に該当しない場合についても、不合理な待遇差の解消等が求められる。このため、各社の労使により、個別具体の事情に応じて待遇の体系について議論していくことが望まれるとしている。

■外国人を雇用する上でのルールと支援策
厚生労働省のホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page11.html
より引用説明します。

■雇用する上でのルール
1.就労可能な外国人の雇用
外国人には労働施策総合推進法に基づき、出入国管理及び難民認定法で定められている在留資格の範囲内において、我が国での就労活動が認められています。事業主は、外国人の雇い入れの際には、「在留カード」等により、就労が認められるかどうかを確認しハローワークに届け出ることが義務づけられています。

■就労目的で在留が認められる外国人
厚生労働省のホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/todokede/index.html
のリンク先資料 (外国人を雇用する事業主の方へ) 令和3年6月版より

在留資格一覧
・教授
日本の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究、研究の指導又は教育をする活動
大学教授等
・芸術
収入を伴う音楽、美術、文学その他の芸術上の活動
作曲家、画家、著述家等
・宗教
外国の宗教団体により日本に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動
外国の宗教団体から派遣される宣教師等
・報道
外国の報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動
外国の報道機関の記者、カメラマン
・高度専門職1号・2号
日本の公私の機関との契約に基づいて行う研究、研究の指導又は教育をする活動、日本の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動、日本の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い又は管理に従事する活動など
ポイント制による高度人材
・経営・管理
日本において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動
企業等の経営者・管理者
・法律・会計業務
外国法事務弁護士、外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動
弁護士、公認会計士等
・医療
医師、歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動
医師、歯科医師、看護師
・研究
日本の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動
政府関係機関や私企業等の研究者
・教育
日本の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校、専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動
中学校・高等学校等の語学教師等
・技術・人文知識・国際業務
日本の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは、法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動
機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者等
・企業内転勤
日本に本店、支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が日本にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項に掲げる活動
外国の事業所からの転勤者
・介護
日本の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動
介護福祉士
・興行
演劇、演芸、演奏、スポ―ツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動
俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手等
・技能
日本の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動
外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者,貴金属等の加工職人等
・特定技能1号・2号
日本の公私の機関との契約に基づいて行う特定産業分野に属する相当程度の知識若しくは経験を必要とする技能を要する業務(1号)又は熟練した技能を要する業務(2号)に従事する活動
特定産業分野の各業務従事者
(つづく)A.K

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