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教育基本法に基づいて学校制度の基本を定めた法律 | テクノファ

投稿日:2022年6月17日 更新日:

キャリアコンサルタントがコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について説明していますが、今回は学校教育制度とキャリア教育に関連する知識、資料などについて、前回の続きから説明します。

■学校教育法
文部科学省資料
https://www.mext.go.jp/a_menu/kaisei/07101705/001.pdf
より引用説明します。

学校教育法は教育基本法に基づいて、学校制度の基本を定めた法律です。学校教育法第1条で学校として規定する幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校、第百二十四条で規定する、第一条に掲げるもの以外の教育施設で、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的として組織的な教育を行う専修学校、第百三十四条で規定する学校教育に類する教育を行うもので、当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があるもの及び第百二十四条に規定する専修学校の教育を行うものを除いて各種学校とし、各学校の設置、管理、教育目標などを規定している。昭和22年に制定されて教育基本法ととともに交付された。平成18年の改正教育基本法の新しい教育理念を踏まえ、平成19年には

〇新たに義務教育の目標を定めるとともに、幼稚園から大学までの各学校種の目的・目標を見直し。
〇視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授ける特別支援学校の創設。
〇学校に副校長等の新しい職を置くことができることとし、組織としての学校の力を強化。
などの改正が行われた。

■平成28年4月施行の改正の概要
文部科学省資料
https://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/03/17/1356011_01_1.pdf
より引用説明します。

(1)学校教育制度の多様化及び弾力化を推進するため、現行の小・中学校に加え、小学校から中学校までの義務教育を一貫して行う「義務教育学校」を新たな学校の種類として規定。
(2)学習者が、目的意識に応じて、自らの学びを柔軟に発展させることができるようにする等のため、修業年限2年以上、その他文部科学大臣が定める基準を満たす高等学校等の専攻科を修了した者が大学に編入学できる制度を創設。

■平成31年4月施行の改正概要
文部科学省資料
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/08/13/1395437_01.pdf
より引用説明します。

今後の成長分野を見据え、優れた専門技能等をもって、新たな価値を創造することができる専門職業人材の養成を目的とする新たな高等教育機関として、「専門職大学」及び「専門職短期大学」の制度を設ける。

(2)社会教育制度
ア 社会教育の定義
社会教育は、社会教育法第2条において、「学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーションの活動を含む。)をいう。」と定義されている。また、第1条では、同法の目的を、教育基本法の精神に則り、社会教育に関する国及び地方公共団体の任務を明らかにすることとしている。第2条の定義によると、社会教育は学校教育以外で主として青少年と成人を対象として組織的に行われているものということで、目的は問われていない。第3条1では、国及び地方公共団体の任務を、「この法律及び他の法令の定めるところにより、社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催、資料の作製、頒布その他の方法により、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高めるような環境を醸成するように努めなければならない。」としている。これは第1条における「教育基本法の精神に則り」という理念の具体的措置を規定したものと言ってよいであろう。教育基本法は前述したように、教育の機会均等の精神を規定しているが、社会教育法第3条はこの精神を社会教育においても配慮しなくてはならないとしている。

しかし、これはあくまでも国及び地方公共団体の任務であって、国及び地方公共団体が任務として行うものだけが社会教育というわけではない。第2条で規定されている定義に沿っているものは、それを行う主体を問わず、すなわち民間の行うものも社会教育に含めて考えるのが一般的である。

<キャリア教育に関する資料>
■教育振興基本計画
教育振興基本計画は、教育基本法に示された理念の実現と、我が国の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るため、同法に基づき政府として策定する計画です。

第3期の教育振興基本計画(対象期間  2018年度~2022年度)の概要を文部科学省ホームページ
https://www.mext.go.jp/a_menu/keikaku/
より引用説明します。

<第3期教育振興基本計画について>
○第3期計画は2部構成となっており、その概略は以下の通りです。
第1部では
総論として「我が国における今後の教育政策の方向性」を、以下の5つについて記載しています。

1.教育の普遍的な使命
2.教育をめぐる現状と課題
3.2030年以降の社会を展望した教育政策の重点事項
4.今後の教育政策に関する基本的な方針
5.今後の教育政策の遂行に当たって特に留意すべき視点

第2部では
各論として「今後5年間の教育政策の目標と施策群」を記載しています。具体的には上記第1部の総論のなかの 4.「今後の教育政策に関する基本的な方針」で示した5つの基本的な方針(1・夢と志を持ち、可能性に挑戦するために必要となる力を育成する 2・ 社会の持続的な発展を牽引するための多様な力を育成する 3・ 生涯学び、活躍できる環境を整える 4・ 誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティネットを構築する 5・ 教育政策推進のための基盤を整備する)に沿って、①教育政策の目標、②目標の進捗状況を把握するための測定指標及び参考指標、③目標を実現するために必要となる施策群、を示しています。

例として基本的な方針1の「夢と志を持ち、可能性に挑戦するために必要となる力を育成する」については次のように書かれています。

①教育政策の目標として
(1)確かな学力の育成<主として初等中等教育段階>
(2)豊かな心の育成<〃>
(3)健やかな体の育成<〃>
(4)問題発見・解決能力の修得<主として高等教育段階>
(5)社会的・職業的自立に向けた能力・態度の育成<生涯の各段階>
(6)家庭・地域の教育力の向上、学校との連携・協働の推進<〃>
を掲げ、

②測定指標・参考指標として
○知識・技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等の資質・能力の調和がとれた個人を育成し、OECDのPISA調査等の各種国際調査を通じて世界トップレベルを維持
○自分にはよいところがあると思う児童生徒の割合の改善
○いじめの認知件数に占める、いじめの解消しているものの割合の改善

③施策群(例)として
○新学習指導要領の着実な実施等
○子供たちの自己肯定感・自己有用感の育成
○いじめ等への対応の徹底、人権教育
などをあげています。
(つづく)A.K

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