実践編・応用編

キャリアコンサルタント実践の要領 179 | テクノファ

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新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活に大きな変化を呼び起こしました。キャリアコンサルタントとしてクライアントを支援する立場でこの新型コロナがどのような状況を作り出したのか、今何が起きているのか、これからどのような世界が待っているのか、知っておく必要があります。ここでは厚生労働省の白書からキャリアコンサルタントが知っておくべき情報をお伝えします。これからキャリアコンサルタント養成講座を受けようとする方、キャリアコンサルタント国家試験を受けようとする方、キャリアコンサルタント技能試験にチャレンジする方にもこのキャリアコンサルタント知恵袋を読んでいただきたいと思います。

3 看護職員の資質向上
少子高齢化が急速に進展し医療提供の在り方が大きく変化している状況の中、患者の多様なニーズに応え、医療現場の安全・安心を支える看護職員の役割は、ますます重要になると見込まれています。
こうした背景の下、看護職員の資質のより一層の向上を図るために、厚生労働省では、地域医療介護総合確保基金を通じて、病院等が行う新人看護職員研修や都道府県が行う看護職員の実務研修等に対して支援を行っています。

さらに、2025(令和7)年に向けて、さらなる在宅医療等の推進を図るために、医師または歯科医師の判断を待たずに、手順書により、一定の診療の補助を行う看護師を養成して確保していく必要があります。このため、医療介護総合確保推進法により、保健師助産師看護師法が改正され、特定行為に係る看護師の研修制度が創設され、2015(平成27)年から施行されました。2019年4月には、本制度の施行状況の評価等を踏まえ、研修内容と時間の見直し及び領域において頻度の高い特定行為をパッケージ化し研修することを可能とする省令改正を行いました。厚生労働省では本制度の円滑な施行・運用のため、指定研修機関の設置準備や運営に対する財政支援等を実施し、制度の普及を推進しています。

3 国立病院機構や国立高度専門医療研究センター等の取組み
歴史的・社会的な経緯等により他の設置主体での対応が困難な医療や、国民の健康に重大な影響のある疾患に関する医療については、国の医療政策として、国立病院機構や国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター)などが着実な実施に取り組んでいます。

国立病院機構では、災害や新型インフルエンザ発生時など国の危機管理や積極的貢献が求められる医療、重症心身障害、筋ジストロフィーをはじめとする神経・筋疾患、結核、心神喪失者等医療観察法に基づく精神科医療など他の設置主体では必ずしも実施されないおそれのある分野の医療、地域のニーズを踏まえた5疾病・5事業の医療について、全国的な病院ネットワークを活用して、診療・臨床研究・教育研修を一体的を提供しています。

ナショナルセンターでは、国民の健康に重大な影響のある特定の疾患(がんその他の悪性新生物、循環器病、精神・神経疾患、感染症等国際的な調査研究が必要な疾患、成育に係る疾患、加齢に伴う疾患)等について高度先駆的な研究開発、これらの業務に密接に関連する医療の提供や人材育成等を行っています。2018(平成30)年に取りまとめられた「国立高度専門医療研究センターの今後の在り方検討会報告書」を踏まえて、2020(令和2)年4月1日に横断的な研究推進組織として、国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部が設置されました。本組織では、ナショナルセンターの資源及び情報の集約による研究の更なる活性化や、他機関との連携強化等に取り組んでいます。地域医療機能推進機構では、救急からリハビリまでの幅広い医療機能を有し、また約半数の病院に介護老人保健施設が併設されているなどの特長をいかしつつ、地域の医療関係者などとの協力の下、5疾病・5事業の医療、リハビリ、在宅医療等地域において必要な医療及び介護について、全国に施設がある法人として、「急性期医療~回復期リハビリ~介護」まで切れ目なく提供し、地域医療・地域包括ケアの確保に取り組んでいます。

また、国立の医療機関として国立ハンセン病療養所が全国に13施設あります。国立ハンセン病療養所の入所者は、ハンセン病の後遺障害に加えて、高齢化に伴う認知症や四肢の障害等を有する者が増加しています。このため、医師・介護員をはじめとする職員の確保など、入所者の療養体制の確保に努めています。

4 後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及促進
後発医薬品とは、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含む同一投与経路の製剤で、効能・効果、用法・用量が原則的に同一で、先発医薬品と同等の臨床効果が得られる医薬品をいい、ジェネリック医薬品とも呼ばれています。後発医薬品を普及させる事は、医療の質を保ちつつ患者負担の軽減や医療費の効率化を図ることができるため、医療保険財政の改善に資することから、2007(平成19)年に作成した「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」において、2012(平成24)年度までに全医療用医薬品をベースとした後発医薬品の数量シェア30%以上にするという目標を掲げて、後発医薬品の使用を推進してきました。

その後、2013(平成25)年に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を作成し、後発医薬品と後発医薬品のある先発医薬品をベースとした数量シェアを2018(平成30)年3月末までに60%以上にする目標を定め、後発医薬品の使用を進めてきました。2015(平成27)年には、「経済財政運営と改革の基本方針2015」において、後発医薬品の数量シェアを「2017(平成29)年央に70%以上とするとともに、2018年度から2020(令和2)年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上とする」という目標が定められて、さらに2017年には、「経済財政運営と改革の基本方針2017」において、「2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する。」という新たな後発医療品の使用割合の推移と目標を定めて、この目標の達成に向けて、引き続き後発医薬品の使用促進を行ってきました。

後発医薬品の数量シェアは、これまでの取組みによって着実に増加していたが、医薬品価格調査(薬価調査)の速報値では、2020(令和2)年9月に78.3%となっていて、残念ながらわずかに目標には達しませんでした。

後発医薬品の使用促進には引き続き取り組む必要があり、数量シェア80%に代わる新たな目標を検討するとともに、各都道府県において「後発医薬品の安心使用促進のための協議会」を設置する等、地方の実情に応じた普及・啓発をはじめとした環境整備、特に後発医薬品の使用が進んでいない地域等を重点地域として選定して、各地域における個別の問題点の調査・分析などを行い、目標の達成に向けた使用促進策の強化を図る取組みなどを進めていきます。

第3節 安定的で持続可能な医療保険制度の実現
1 医療保険制度改革の推進
我が国は、国民皆保険制度の下で世界最高レベルの平均寿命と保健医療水準を実現してきました。一方で、今後を展望すると、団塊の世代が全て75歳以上となる2025(令和7)年や、団塊ジュニア世代が高齢期を迎え、支え手の中心となる生産年齢人口の減少が加速する2040(令和22)年頃といった将来の日本社会を見据えた改革が求められています。

「全世代型社会保障改革の方針」(2020(令和2)年12月15日閣議決定)等を踏まえ、現役世代への給付が少なく、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直し、全ての世代で広く安心を支えていく「全世代対応型の社会保障制度」を構築するため、「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」を、2021(令和3年)の通常国会に提出して、成立しました。

法案の主な改正内容は下記(1)から(7)までです。
(1)後期高齢者医療における窓口負担割合の見直し
後期高齢者医療は、給付費の5割を公費で、4割を現役世代からの後期高齢者支援金で、1割を後期高齢者の保険料で負担する支え合いの仕組みであり、現役世代の理解が不可欠です。
少子高齢化が進み、2022(令和4)年度以降、団塊の世代が後期高齢者となり始めることで、後期高齢者支援金の急増が見込まれる中で、若い世代は貯蓄も少なく住居費・教育費等の他の支出の負担も大きいという事情に鑑みると、後期高齢者であっても負担能力のある方には可能な範囲で負担いただくことにより、後期高齢者支援金の負担を軽減し、若い世代の保険料負担の上昇を少しでも減らしていくことは重要な課題です。

そのため、現役並みの所得がある方以外は1割とされている後期高齢者医療の窓口負担割合について、課税所得が28万円以上かつ年収が200万円以上(単身世帯の場合。複数世帯の場合は後期高齢者の年収合計が320万円以上)の方に限って、2割とします。

一方で、この見直しにより必要な受診が妨げられることがないよう、長期にわたり頻回な受診が必要な患者等への配慮として、外来受診において、施行後3年間、1ヶ月の負担増を最大でも3,000円とする措置を講ずることとしており、所得基準や施行日(2022年 10月から2023(令和5)年3月までの各月の初日を想定)等とともに政令で規定します。

(2)傷病手当金の支給期間の通算化
健康保険においては、病気やけがの治療のため働くことができない場合に、報酬の3分の2程度を傷病手当金として支給することとされています。その支給期間については、同一の病気やけがに関して、支給を始めた日から起算して1年6ヶ月を超えない期間とされており、その間に一時的に労務可能となり、傷病手当金が支給されなかった期間についても、1年6ヶ月の期間に含まれる仕組みとされていました。

仕事と治療の両立の観点から、がん治療のために入退院を繰り返す場合などに柔軟に傷病手当金を利用できるようにするため、出勤に伴い不支給となった期間がある場合には、その分の期間を延長して傷病手当金の支給を受けられるよう、支給期間の通算化を行います。

(3)任意継続被保険者制度の見直し
健康保険においては、被保険者が退職した後も、本人の選択によって、引き続き2年間、退職前に加入していた健康保険の被保険者になることができる任意継続被保険者制度が設けられています。
任意継続被保険者の保険料については、「退職した時の標準報酬月額」又は「任意継続被保険者が加入している保険者のすべての被保険者の標準報酬月額の平均に基づく標準報酬月額」のいずれか低い額を基礎とすることとされていましたが、それぞれの健康保険組合の実状に応じた柔軟な制度とするため、健康保険組合がその規約で定めた場合には、「退職した時の標準報酬月額」を保険料の基礎とすることも可能とします。

また、任意継続被保険者の生活実態に応じた加入期間の短縮化を支援する観点から、任意継続被保険者からの申請による任意の資格喪失を可能とします。

(4)育児休業中の保険料の免除要件の見直し
育児休業中の社会保険料については、被保険者の経済的負担に配慮して、月末時点で育児休業を取得している場合にはその月の保険料を免除する仕組みが設けられています。
この免除の仕組みについては、月末時点で育児休業を取得している場合にはその月の保険料が免除される一方、月の途中に短期間の育児休業を取得した場合には保険料が免除されないことや、賞与に係る保険料について、実際の賞与の支払に応じて保険料が賦課されているにもかかわらず、月末時点で育児休業を取得している場合にはその月の保険料が免除されることから、賞与月に育児休業の取得が多いといった偏りが生じている可能性がありました。

このため、短期の育児休業の取得に対応して、月内に2週間以上の育児休業を取得した場合には当該月の保険料を免除するとともに、賞与に係る保険料については1月を超える育児休業を取得している場合に限り、免除の対象とすることとします。
(つづく)I.K

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