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いくつかの調査統計とその他のもの|テクノファ

投稿日:2022年7月17日 更新日:

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について説明していますが、今回は前回に続いて学校教育制度とキャリア教育に関連する知識、資料として、学校教育に関する統計調査について説明します。

文部科学省ホームページ
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/main_b8.htm
には学校教育に関する統計調査として次のような統計調査があげられています。

・学校基本調査
・学校教員統計調査
・児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査
・日本語指導が必要な児童生徒の受入れ状況等に関する調査
・学校における教育の情報化の実態等に関する調査
・高等学校卒業(予定)者の就職(内定)状況調査
・大学,短期大学,高等専門学校及び専修学校卒業予定者の就職内定状況等調査
・大学等におけるインターンシップ実施状況調査
・公立学校施設実態調査
・学術情報基盤実態調査(旧大学図書館実態調査)
・教職員に係る係争中の訴訟事件等の係属状況等の調査
以上の中のいくつかの調査統計とその他のものを次に説明していきます。

≪学校基本調査≫
文部科学省ホームページ
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm
より引用説明します。

学校基本調査は学校に関する基本的事項を調査し、学校教育行政上の基礎資料を得ることを目的としています。「学校基本調査」開始以前は学校に関する統計資料は、各種の報告様式により各学校から報告され、文部省で集計し、文部省年報に掲載、公表していました。しかし、学校制度の発展に伴い学校の内容の複雑化と数の著しい増加とによって、従前の業務報告形式では正確迅速にまとめることが困難となってきたため、昭和23年(1948年)にそれまでの調査内容及び調査方法を再検討し、抜本的改善を加え、新たに統計法に基づく指定統計として「学校基本調査」が開始されました。当初の調査は、学校調査、経費及び資産調査、学校施設調査、入学調査、卒業者調査、教員・学生・生徒・児童異動調査及び学齢児童及び学齢生徒調査の7つの調査で構成され、別に附帯調査として卒業者調査に関連した「就職状況調査」を実施していました。その後、調査対象、調査の構成、調査事項などが変更されていますが、基本的には当初の形式が踏襲されています。なお、平成15年度調査からはオンライン調査を導入しています。

調査対象の範囲は幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学(短期大学を含む)、高等専門学校、専修学校及び各種学校です。
調査事項は、学校数、在学者数、教職員数、学校施設、学校経費、卒業後の進路状況などです。

令和3年12月公表の令和3年度学校基本調査(令和3年5月1日現在)のポイントを文部科学省資料
https://www.mext.go.jp/content/20211222-mxt_chousa01-000019664-1.pdf
より引用し下記します。
Ⅰ.在学者数、教員数
1.初等中等教育機関、専修学校・各種学校
< 在学者数 >
〇幼稚園は、100万9千人で、前年度より6万9千人減少。
〇幼保連携型認定こども園は、79万7千人で、前年度より3万8千人増加し、過去最多。
〇小学校は、622万3千人で、前年度より7万7千人減少し、過去最少。
〇中学校は、323万人で、前年度より1万8千人増加。
〇高等学校は、300万8千人で、前年度より8万4千人減少。
〇中等教育学校は、3万3千人で、前年度より3百人増加し、過去最多。
〇特別支援学校は、14万6千人で、前年度より1千5百人増加し、過去最多。
〇専修学校は、66万2千人で、前年度より1千人増加。うち高等課程は、3万4千人で、前年度とほぼ横ばい。
〇各種学校は、10万2千人で、前年度より3千人減少し、過去最少。

< 教員数 >
教員全体に占める女性の割合は、中学校で44.0%(前年度より0.3ポイント上昇)、高等学校で32.9%(前年度より0.4ポイント上昇)、特別支援学校で62.3%(前年度より0.4ポイント上昇)となり、それぞれ過去最高。

2.高等教育機関
< 在学者数 >
○ 大学全体の在学者数は、291万8千人で、前年度より2千人増加。
うち学部 262万6千人で、前年度より2千人増加し、過去最多。
うち大学院 25万7千人で、前年度より3千人増加。
うち専攻科 9百人で、前年度とほぼ横ばい。
うち別科 2千人で、前年度より1千5百人減少。
うちその他 3万2千人で、前年度より8百人減少。

〇大学学部の女子学生は、119万7千人で、前年度より3千人増加し、過去最多。また、学部学生に占める女子学生の割合は、45.6%(前年度より0.1ポイント上昇)で過去最高。
〇短期大学学生数は、10万2千人で、前年度より5千人減少。
〇高等専門学校学生数は、5万7千人で、前年度とほぼ横ばい。
〇専門学校生徒数は、60万7千人で、前年度より3千人増加。

< 教員数 >
○ 大学全体の女性の教員数は、5万人(前年度より1千人増加)で過去最多。また、教員全体に占める女性の割合は、26.4%(前年度より0.5ポイント上昇)で過去最高。

3.女性管理職
○ 女性管理職の割合は、31.3%(前年度より1.2ポイント上昇)となり過去最高。

Ⅱ.卒業後の状況

≪高等学校等卒業者≫
高等学校等:高等学校(全日制・定時制)、中等教育学校後期課程卒業者(過年度卒を含む)。
○ 高等教育機関(大学(学部)・短期大学(本科)入学者、高等専門学校4年在学者及び専門学校入学者)への進学率は83.8%で、前年度より0.3ポイント上昇し、過去最高。
〇大学(学部)・短期大学(本科)進学率は58.9%で、前年度より0.3ポイント上昇し、過去最高。
〇大学(学部)進学率は54.9%で、前年度より0.5ポイント上昇し、過去最高。
〇専門学校進学率は24.0%で、前年度と横ばい。

2.大学(学部)卒業者
〇大学院等への進学率は、11.8%(前年度より0.5ポイント上昇)。
〇卒業者に占める就職者の割合は、74.2%(前年度より3.5ポイント低下)。

3.修士課程修了者
○大学院等への進学率は、10.1%(前年度より0.3ポイント上昇)。
○修了者に占める就職者の割合は、75.8%(前年度より2.1ポイント低下)。

4.博士課程修了者
〇修了者に占める就職者の割合は緩やかな上昇傾向であったが、8年ぶりに減少に転じ、68.4%(前年度より1.4ポイント減少)。
(つづく)A.K

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