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大学等におけるインターンシップ実施状況|テクノファ

投稿日:2022年7月19日 更新日:

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について説明していますが、今回は前回に続き学校教育制度とキャリア教育に関連する知識、資料として、学校教育に関する統計調査について説明します。

■大学等におけるインターンシップ実施状況調査
文部科学省ホームページ
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/intern/1260927.htm
より引用説明します。

≪調査の概要≫
大学・短期大学・高等専門学校におけるインターンシップの実施状況を把握することにより、今後のインターンシップの一層の推進に役立てるための基礎資料を得るために実施しています。
調査の対象は全ての国公私立大学、短期大学、高等専門学校で全数調査です。
調査事項は単位認定を行う授業科目としてインターンシップを実施している国公私立大学、短期大学、高等専門学校における学部・研究科名、学科・専攻等名、授業科目名、実施学年、実施学生数、実施時期、実施期間等。
調査対象期間は調査対象年度の4月1日〜3月31日の1年間。

≪調査の結果≫
令和元年度大学等におけるインターンシップ実施状況についての調査結果を下記します。
文部科学省ホームページ
https://www.mext.go.jp/b_menu/internship/1413929_00002.htm
リンク先文部科学省資料
https://www.mext.go.jp/content/20201204-mxt_senmon01-000010706_01.pdf
より説明します。

調査内容
(1)調査時期 令和2年3月~6月
(2)調査対象 大学(786校(学部761校・大学院642校))、短期大学(326 校)、高等専門学校(57校)
(3)対象期間 令和元年度(平成31年4月1日~令和2年3月31日)
(4)回答率 93.0%

調査結果(概要)
1.単位認定を行うインターンシップの状況
(1)実施校数・実施率
単位認定している大学(学部・大学院)は 563校(71.6%)。(前回調査結果 565 校(72.4%)と比較して2校(0.8 ポイント)減少)。
(2)国公私立別実施校数・実施率(大学(学部・大学院)のみ)
国公私立別では、国立大学での実施率が高い。
(3)参加学生数・参加率
単位認定されるインターンシップに参加した学生(学部・大学院)は 634,644 人(22.1%)。うち特定の資格取得に関係しないインターンシップに参加した学生は83,961人(2.9%)(前回調査結果 82,343 人(2.9%)と比較して 1,618 人(0 ポイント)増減なし)。
なお、都道府県別在籍学生数に占める単位認定されるインターンシップに参加した学生数の割合は、青森県、秋田県、栃木県及び徳島県が高い。
(4)国公私立別参加学生数・参加率(大学(学部・大学院)のみ)
国公私立別では、公立大学の学生の参加率が高い。
(5)実施学年(体験学生数構成比)
実施学年別では、学部3年・修士1年・短期大学1年・高等専門学校4年での参加が最も多い(特定の資格取得に関係しないもの)。
(6)実施時期(体験学生数構成比)
実施時期別では、各学校種とも8月・9月(夏期休暇期間中)の参加が多い(特定の資格取得に関係しないもの)。
(7)実施期間(体験学生数構成比)
実施期間別では、各学校種とも2週間未満での参加が多い。
(8)都道府県・受入組織規模(体験学生数構成比)
都道府県別では、各学校種とも関東地方での実施が多い。
受入組織規模別では、民間企業での参加が多い。
(9)単位数(体験学生数構成比)
単位数別では、各学校種とも2単位以下での実施が多い。
(10)必修・選択(体験学生数構成比)
必修・選択別では、各学校種とも選択が多い(特定の資格取得に関係しないもの)。
(11)報酬等の支給(体験学生数構成比)
報酬等の支給の有無については、大学(学部・大学院)・短期大学では、受入れ企業等から学生に対して支給されていない場合が多い。高等専門学校では、報酬を支給されている学生と支給されていない学生が混在している場合が多い。
報酬を支給されている場合は、実費・交通費のみの支給が多い。
実施期間は2週間未満が多い。
(12)インターンシップに参加した外国人留学生数
大学(学部・大学院)で2,063人、短期大学で 253人、高等専門学校で 66人の外国人留学生が日本国内でのインターンシップに参加した。
(13)海外インターンシップの実施状況
海外インターンシップは、高等専門学校での実施率が最も高い。国別は、アメリカが多い。
実施期間別では、各学校種とも2週間未満での参加が多い(特定の資格取得に関係しないもの)。

2.単位認定を行わないインターンシップの状況
(1)実施校数・実施率
インターンシップを単位認定していないが学生の参加状況を把握・関与している大学(学部・大学院)は431校(54.8%)。(前回調査結果408校(52.3%)と比較して23校(2.5ポイント)増加)。
(2)国公私立別実施校数・実施率(大学(学部・大学院)のみ)
国公私立別では、国立大学での割合が高い。
(3)参加学生数・参加率
単位認定されないインターンシップに参加した学生(学部・大学院)は55,146人(1.9%)。(前回調査結果54,367人(1.9%)と比較して 779人(0 ポイント)増加)。
(4)国公私立別参加学生数・参加率(大学(学部・大学院)のみ)
国公私立別では、公立大学の学生の参加率が高い。
(5)実施学年(体験学生数構成比)
学年別では、学部3年・修士1年・短期大学 1年・高等専門学校4年での参加が多い。
(6)実施時期(体験学生数構成比)
実施時期別では、各学校種とも8月・9月(夏期休暇期間中)での参加が多いが、2月以降(春期休暇期間中)での参加も多い。
(7)実施期間(体験学生数構成比)
実施期間別では、各学校種とも1週間未満での参加が多い。特に、大学(学部・大学院)と短期大学では、1日が増加している。(学部:前回調査結果12.2%と比較して、14.7ポイント増加。)(大学院:前回調査結果2.9%と比較して、17.4ポイント増加。)(短期大学:前回調査結果5.8%と比較して、20.1ポイント増加。)
(8)都道府県・受入組織規模(体験学生数構成比)
都道府県別では、各学校種とも関東地方での実施が多い。
受入組織規模別では、民間企業での参加が多く、従業員数が大きくなるほど参加率が高い。

3.単位認定を行うインターンシップと単位認定を行わないインターンシップの状況
(1)実施校数・実施率
インターンシップを単位認定している大学(学部・大学院)と単位認定はしていないが学生の参加状況を把握・関与している大学(学部・大学院)の合計は701校(89.2%)。
(2)参加学生数・参加率
単位認定されるインターンシップと単位認定されないインターンシップに参加した学生(学部・大学院)の合計は689,790人(24.0%)。
(つづく)A.K

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