実践編・応用編

キャリアコンサルタント実践の要領 184 | テクノファ

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新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活に大きな変化を呼び起こしました。キャリアコンサルタントとしてクライアントを支援する立場でこの新型コロナがどのような状況を作り出したのか、今何が起きているのか、これからどのような世界が待っているのか、知っておく必要があります。ここでは厚生労働省の白書からキャリアコンサルタントが知っておくべき情報をお伝えします。

第8章 健康で安全な生活の確保
第1節 健康危機管理・災害対策の推進
1 健康危機管理の取組みについて
厚生労働省においては、医薬品、食中毒、感染症、飲料水その他何らかの原因によって生じる国民の生命、健康の安全を脅かす事態に対して、「厚生労働省健康危機管理基本指針」に基づき必要な体制を整備して、健康危機管理に取り組んでいます。
具体的には、平素から、関係部局や国立試験研究機関を通じて内外からの情報を収集し、部局横断組織である「健康危機管理調整会議」において、毎月2回情報交換を行っています。有事の際には緊急の調整会議を開催し、対策本部の設置、職員や専門家の現地派遣、国民の皆様への健康危機情報の提供等を行っています。

また、平時の健康危機管理業務としても、①健康危機情報の監視、②公衆衛生対応及び初動期医療の整備(通信環境や資材の整備、大規模イベントに備えた希少医薬品等の備蓄等)、③危機管理関連の調査研究(被害予測や対策等)、④ガイドラインの整備、訓練・研修会の開催等を行っています。

2 災害対策の取組みについて
厚生労働省においては、「厚生労働省防災業務計画」に基づき、厚生労働省の所掌事務に係る災害予防対策、災害応急対策及び災害復旧・復興に取り組んでいます。2020(令和2)年7月には、熊本県を中心に日本各地で集中豪雨が発生した「令和2年7月豪雨」によって、九州、東海及び東北地方の多くの地点で24、48、72時間降水量が観測史上1位の値を更新し、各地に甚大な被害をもたらしました。

この災害の発生に対して、被災自治体、関係省庁、関係団体と連携し、以下のような医療、保健、福祉等の幅広い分野において様々な取組みを行いました。
・「災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team:DMAT)、災害派遣精神医療チーム(Disaster Psychiatric Assistance Team:DPAT)や災害時健康危機管理支援チーム(Disaster Health Emergency Assistance Team:DHEAT)」を被災地に派遣し、迅速に応急医療活動等を実施しました。
・現地に厚生労働省職員を派遣し、医療機関、社会福祉施設や水道施設の被害状況、避難所で生活をしている避難者の状況把握や応急給水等の情報収集を行うとともに、関係機関と連携した医療機関等の優先供給施設への給水支援を関係機関に要請、水道施設の早期復旧のための関係者との調整及び技術的助言を実施しました。
・災害ボランティアセンターの設置、運営を支援し、多数のボランティアが被災地で活動できるよう体制を整備しました。

第2節 ゲノム医療の推進
1 ゲノム医療の推進体制について
近年、個人のゲノム情報に基づき、体質や病状に適した、より効果的・効率的な疾患の診断、治療、予防が可能となる「ゲノム医療」への期待が急速に高まっており、特に、がんや難病の分野では既に実用化が始まっています。このような背景を踏まえて、「未来投資戦略2017」(平成29年6月9日閣議決定)、「健康・医療戦略」(平成26年7月22日閣議決定、平成29年2月17日一部変更)及び「医療分野研究開発推進計画」(平成26年7月健康・医療戦略推進本部決定、平成29年2月一部変更)では、信頼性の確保されたゲノム医療の実現等に向けた取組みを推進することや、ゲノム情報の取扱いについて、倫理面での具体的対応や法的規制の必要性も含め、検討を進めることとされました。2020(令和2)年3月には、2020年度から2024(令和6)年度までの5年間を対象とした「健康・医療戦略」及び「医療分野研究開発推進計画」が閣議決定され、ゲノム・データ基盤の構築及び利活用を推進することとされています。

2015(平成27)年1月に、健康・医療戦略推進会議の下に、ゲノム医療を実現するための取組みを関係府省・関係機関が連携して推進するための、「ゲノム医療実現推進協議会」が設置されて、2019(令和元)年10月には「ゲノム医療協議会」に改編され、ゲノム医療の推進のための取組みを関係府省・関係機関が連携して進めています。

2 ゲノム医療推進のための取組みについて
ゲノム医療を推進するためには、ゲノム情報等を用いた診断や治療等について、検査の精度や患者のアクセスを確保する必要があります。検査の精度の確保については、上記の「ゲノム医療等の実現・発展のための具体的方策について(意見とりまとめ)」も踏まえて、遺伝子関連検査を含めた検体検査の精度の確保を盛り込んだ「医療法等の一部を改正する法律案」を第193回通常国会に提出しました。2017(平成29)年6月に成立した後、検体検査の精度の確保について具体的な基準を策定するため「検体検査の精度管理等に関する検討会」を開催し、その結果を踏まえ、医療機関、衛生検査所等における検体検査の精度の確保に係る基準について整備し、2018(平成30)年12月1日より施行しました。

また、遺伝子関連検査に用いられるもののうち、特にDNAシークエンサーを用いた遺 伝子解析システムについて、2016(平成28)年4月に「遺伝子検査システムに用いる DNAシークエンサー等を製造販売する際の取扱いについて」を公表し、DNAシークエンサー等を用いた遺伝子解析システムの「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性 の確保等に関する法律」(昭和35年法律第145号)上の取扱いを明確化することで、開発を推進しています。

他方、患者のアクセスの確保については、「難病の患者に対する医療等に関する法律」 (平成26年法律第50号)の施行を踏まえて、診療報酬において、関係学会の作成する指針に基づいて行われた場合に限り、診断に遺伝子関連検査が必須とされている指定難病への遺伝子関連検査を保険適用としており、エビデンスに基づいて順次対象疾患を追加しています。

また、一人ひとりにおける治療精度を格段に向上させ、治療法のない患者に新たな治療を提供するといったがんや難病等の医療の発展や、個別化医療の推進などを目的として、全ゲノム解析等を推進するため、がんや難病領域の「全ゲノム解析等実行計画(第1版)」を2019(令和元)年12月に策定し、全ゲノム解析等を推進してきました。がん、難病において、日本人のゲノム変異の特性等を明らかにしつつ、引き続き体制整備を進めています。

第3節 感染症対策、予防接種の推進
1 国際的に脅威とされる感染症対策について
・新型コロナウイルス感染症について
(1) 保健医療分野における新型コロナウイルス感染症への対応(2020(令和2)年1月~ 2021(令和3)年3月)
新型コロナウイルス感染症を巡るこれまでの経緯(2021年3月末時点)を以下に纏めます。
①発生当初から2020年3月末までの状況
2019(令和元)年12月に中国湖北省武漢市で確認された新型コロナウイルス感染症は、その後、全世界に拡大し、2020年3月11日にはWHOが「パンデミック(世界的な大流行)と形容できる」と表明しました。
我が国においても、同年1月15日に最初の感染者が確認されて以降、感染が拡大し、 同年3月31日18時までに国内で2,107人の感染者と57人の死亡者が確認されました。
政府は、同年1月以降、全閣僚を構成員とする新型コロナウイルス感染症対策本部(以下「政府対策本部」といいます。)を設置し、総合的かつ強力な対策を推進してきました。

同年1月28日には飛行機(チャーター便)による武漢市からの邦人待避を開始し、同年2月17日までに湖北省在住で出国を希望する邦人等828人の帰国を支援し、帰国後の生活支援・健康管理を行いました。
同年2月1日には新型コロナウイルス感染症を感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)に基づく「指定感染症」と検疫法(昭和26年法律第201号)に基づく「検疫感染症」に指定する政令を施行しました。さらに同月13日には、「検疫法第34条の感染症」として指定し、検疫法上の隔離・停留を可能とするための措置を講じました。

また、多数の感染者が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」について、 同年2月3日より横浜港において検疫を実施しました。これについては、同年3月1日に全ての乗客乗員の下船が終了、同月25日に全ての検疫が終了しました。
同年2月13日には「新型コロナウイルス感染症に対する緊急対応策」を決定し、帰国者等への支援、国内感染対策の強化、水際対策の強化、影響を受ける産業等への緊急対応などについて対応策を実行することとしました(総額約153億円)。また、同月25日には、「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」が決定されました。さらに、同年3月10日には 「新型コロナウイルス感染症に対する緊急対応策―第2弾―」を決定し、感染拡大防止策と医療提供体制の整備、学校の臨時休業に伴って生じる課題への対応、事業活動の縮小や雇用への対応等について対応策を講じることとしました(総額4,308億円)。

同年3月14日には、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号。 以下「特措法」といいます。)の改正法が施行され、まん延防止と社会機能の維持のための様々な措置を講ずることが可能となりました。また、同月28日には同法に基づく「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」が策定されました。
(つづく)Y.K

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