実践編・応用編

キャリアコンサルタント実践の要領 187 | テクノファ

投稿日:

新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活に大きな変化を呼び起こしました。キャリアコンサルタントとしてクライアントを支援する立場でこの新型コロナがどのような状況を作り出したのか、今何が起きているのか、これからどのような世界が待っているのか、知っておく必要があります。ここでは厚生労働省の白書からキャリアコンサルタントが知っておくべき情報をお伝えします。

【水際対策の強化】
(新型コロナウイルスの感染拡大を受けた検疫等の強化)
新型コロナウイルス感染症への水際対策として、2020年2月1日より順次、特定の国・ 地域に滞在歴のある入国者について、入国時の空港での検査の実施や、検疫所長が指定する場所での14日間の待機及び公共交通機関不使用を要請しています。同年4月1日には、14日以内に出入国管理及び難民認定法に基づく入国拒否対象地域(同年11月1日時点で152か国を指定)に滞在歴のある入国者に対して、入国時に検査を実施するとともに、全ての国・地域からの入国者に対して、検疫所長が指定する場所での14日間の待機及び公共交通機関不使用の要請を行うことを決定し、同月3日から実施しています。

他方で、ビジネス上必要な人材等の出入国については、同年6月18日の「国際的な人の往来再開に向けた段階的措置」等の決定に基づいて、追加的な防疫措置を確約できる受入企業・団体がいることを条件に、日本と相手国・地域の双方の取り決めに基づいて、例外的に新規入国を認めるレジデンストラックや、14日間の自宅等での待機期間中も、行動範囲を限定した形で行動制限を一部緩和するビジネストラックによる入国を認めてきました。また、同年10月1日からは、追加的な防疫措置を確約できる受入企業・団体がいることを条件として、原則として全ての国・地域からの新規入国を認めることとしました。
空港検疫については、同年7月29日以降順次、唾液検体による抗原定量検査を導入して、検査の迅速化、待ち時間の短縮を実現しました。検査機器の増設、人的体制の増強、待機場所の確保等を進め、同年11月には、1日約2万件の検査能力を確保しました。

(変異株流行を踏まえた対応)
一方、2020年末以降、各国で変異株の流行が見られるようになったことを受けて、同 年12月24日より、流行している国・地域(英国、南アフリカ共和国のほか、順次指定 し、2021年3月29日時点で26カ国を指定)からの入国者について、出国前72時間以内の検査証明の提出と入国時の検査に加え、検疫所が確保した施設での待機を要請し、入国後3日目に追加の検査を実施し、合計3回の検査で陰性を確認した上で、入国後14日間の公共交通機関の不使用と自宅等での待機を要請しています。また、変異株流行国・地域に滞在歴のある入国者については、厚生労働省が保健所に代わって入国後14日間の健康フォローアップを実施し、日々の健康状態や自宅等での待機の状況確認等を行っています。

また、2020年12月30日より順次、変異株の感染者が国内で確認されたと政府当局が発表している国・地域からの入国者について、出国前検査証明の提出と入国時の検査で陰性を確認した上で、入国後14日間の公共交通機関の不使用と自宅等待機を要請することとしました。さらに、2021年1月9日からは、緊急事態宣言の発出を受けて、全ての入国者に対し、出国前検査証明の提出と入国時の検査で陰性を確認した上で、入国後14日間の公共交通機関の不使用と自宅等での待機を要請することとしました。

また、同月14日から、全ての国・地域からの新規入国、ビジネストラック及びレジデンストラック等による入国については、当面の間、一時停止することとしています。
また、同年3月5日に防疫強化措置を更に強化することとし、変異株流行国・地域からの入国者に対して行っていた健康フォローアップについて、順次、対象者を全ての入国者に拡大するとともに、アプリを活用した位置情報の確認、ビデオ通話による状況確認等を実施することとしました。

【ワクチン接種の推進】
(ワクチンの確保)
新型コロナウイルス感染症のワクチンについては、世界の英知を結集して世界各国の企業において開発が進められてきており、日本における研究開発・生産体制整備についても支援を行っています。
日本においては、安全で有効なワクチンをできるだけ早期に国民に供給することを目指し、まず2020年7月31日に米ファイザー社と基本合意がなされ、続いて、同年8月7日には英アストラゼネカ社と基本合意がなされました。また同月28日には米モデルナ社との協議が行われました。その後、メーカーとの交渉を進め、2021年1月には、3社から3億1,400万回分の供給を受ける契約の締結に至りました。

【参考】これまでのワクチン確保の状況(2021年3月31日現在)
ファイザー社【2021年1月20日契約締結】
年内に約1億4,400万回分(7,200万人分)
アストラゼネカ社 【2020年12月10日契約締結】
2021年初めから1億2,000万回分(6,000万人分)、うち約3,000万回分は2021 年第1四半期までに供給
モデルナ社/武田【2020年10月29日契約締結】
2021年上半期に4,000万回分(2,000万人分)、第3四半期に1,000万回分(500万人分)の計5,000万回分(2,500万人分)

(ワクチン接種体制の構築)
2020年9月25日に開催された新型コロナウイルス感染症対策分科会で、国・自治体の役割分担を含めた実施体制や、医療従事者等、高齢者、基礎疾患を有する者といった順に接種を進めるといった接種順位の上位に位置づける者の接種順位と規模(想定)等に関する「新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの接種について(中間とりまとめ)」を決定しました。また、予防接種の実地体制の整備を行うため、同年10月27日に予防接種法の改正法案を臨時国会に提出、同年12月2日に成立し、同月9日に公布・施行されました。
ワクチン接種については、有効性、安全性を確認した上で、2021年2月17日から医療関係者、4月12日から高齢者への接種を開始しました。各自治体において円滑に接種が進むよう、緊密に連携しながら取り組むとともに、国民の皆さんに自らの判断で接種していただけるよう、科学的知見に基づいた正確でわかりやすい情報の発信に努めています。

【変異株への対応】
新型コロナウイルス感染症の変異株については、2020年12月19日に、英国政府が、 従来よりも感染力の強い可能性がある変異株が感染を拡大させた可能性があること等を発表しました。これを受け、迅速にゲノム解析を実施するため、国立感染症研究所における体制を整え、英国等からの入国者等の検体を優先的に解析することとしました。
国内では、同月25日に、英国から入国し、空港検疫の検査で陽性になった5名の者から、英国で報告された変異株が確認されました。また、翌26日には、英国の滞在歴があり、入国後の健康観察中に陽性が確認された者とその濃厚接触者の計2名から、英国で報告された変異株が確認されました。

その後、クラスターが複数報告され、海外とのつながりのない事例も継続的に確認されている状況にあります。海外からの変異株の流入を防ぎ、国内での感染拡大を防止するために、前述の水際対策の強化とあわせて、国内監視体制の強化を進めています。
具体的には、2021年1月22日に、各地の地方衛生研究所等でも変異株PCR検査が実 施できるよう、国立感染症研究所から地方衛生研究所に対して変異株PCR検査の検査手 法を提供し、技術移転に向けた支援を行いました。同年3月からは全国の都道府県で変異株PCR検査によるスクリーニングが行われることとなりました。

また、同年2月26日には変異株への対策パッケージを発表し、①水際対策の強化の継続、②民間検査機関とも連携した国内の変異株スクリーニング検査体制の整備、③変異株疑い事例への積極的疫学調査の強化、広域事例に対する自治体への支援、④国民への啓発等の取組みを進めることとしました。

(2)エボラ出血熱対策について
2014(平成26)年3月に、ギニアが世界保健機関(World Health Organization: WHO)に対しエボラ出血熱の大規模発生を報告して以来、2016(平成28)年6月に終息するまでの間、感染は西アフリカ3か国(ギニア、シエラレオネ、リベリア)を始めとして、ナイジェリア、マリ、セネガルといった周辺国にも広がりました。また、スペインやアメリカ合衆国においても、海外で感染した患者が帰国、入国する例(以下「輸入症例」といいます。)や、輸入症例から医療従事者に二次感染する症例が報告されました。

その後も、2018(平成30)年にコンゴ民主共和国においてエボラ出血熱の感染が発生、拡大し、2019(令和元)年7月にWHOが「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。2020(令和2)年6月に流行終息及び「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当しないとの宣言がなされましたが、それまでに約3,500人の患者(疑い例を含む。)、約2,300人の死亡者が報告されました。このほかにも、同年6月1日に同国赤道州でアウトブレイクが確認(同年11月に終息)されていることに加え、2021(令和3)年2月には、コンゴ民主共和国及びギニアでアウトブレイクが確認されており、今後の動向を注視しています。

厚生労働省では、エボラ出血熱等のウイルス性出血熱の患者に対する行政検査、患者搬送、入院措置、積極的疫学調査等を迅速に行えるように、2016年6月に「ウイルス性出血熱への行政対応の手引き」を作成し、都道府県などへ周知を行ってきました。

(3)中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory Syndrome:MERS)対策について
2012(平成24)年9月以降、サウジアラビアやアラブ首長国連邦などの中東地域の国々を中心に、中東呼吸器症候群(MERS)の患者が報告されており、2021(令和3)年2月28日時点で、2,567人の患者(うち、少なくとも882人が死亡)が確認されています。また、世界各国においても輸入症例が報告されています。

ヒトコブラクダが感染源の動物であるといわれており、高齢者や糖尿病などの基礎疾患のある者で重症化しやすく、患者から医療機関受診者や医療従事者などへの感染といった限定的な人から人への感染も確認されています。
MERSは、「検疫法」(昭和26年法律第201号)に基づく検疫感染症に位置づけられて おり、水際対策として中東地域からの渡航者や帰国者に対して必要に応じ健康監視を実施しているほか、ポスターやリーフレットで注意喚起を実施しています。また、MERSは「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(平成10年法律第114号。以下「感染症法」といいます。)において二類感染症に位置づけられており、国内でMERSの患者が発生した際は入院勧告など適切な措置が取られることとなっています。

依然として、サウジアラビア等で発生が起きていることから、引き続き、中東地域への渡航に関する注意喚起や感染が疑われる患者に対する迅速な行政対応等を適切に行っています。
(つづく)I.K

-実践編・応用編

執筆者:

関連記事

no image

キャリアコンサルタント実践の要領 197 | テクノファ

テクノファは、あなた自身が輝いて働く(生きる)ためのトレーニング・講座をご提供しています。何よりも、自分の人生を自分で計画し切り開いていく、そのための自分自身が、何になりたいのか? そもそも自分は何者なのか? どうやったらなりたいものになれるのか。一つ一つを明確にすることで、地面が揺らいだときにも、急に会社の方針が変わったとしても、しっかりと地面をつかむことができ、自分の働き方をつかむことができるのです。常に成長し変化している人の成長を支援することがキャリア開発支援です。 キャリアのカウンセリング・コンサルティング・ガイダンスや、キャリア教育、人材育成など、人の成長にかかわっている方々や、部下 …

キャリヤコンサルタント実践の要領 168 | テクノファ

新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活に大きな変化を呼び起こしました。キャリアコンサルタントとしてクライアントを支援する立場でこの新型コロナがどのような状況を作り出したのか、今何が起きているのか、これからどのような世界が待っているのか、知っておく必要があります。ここでは厚生労働省の白書からキャリアコンサルタントが知っておくべき情報をお伝えします。これからキャリアコンサルタント養成講座を受けようとする方、キャリアコンサルタント国家試験を受けようとする方、キャリアコンサルタント技能試験にチャレンジする方にもこのキャリアコンサルタント知恵袋を読んでいただきたいと思います。 第4章 自立した生活の実 …

キャリアコンサルタント実践の要領 121 | テクノファ

キャリアコンサルティングの社会的意義 キャリアコンサルティングを学ぶ前提 キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを学ぼうとするとき、日本の産業社会においてはキャリアという言葉も概念も、つい最近まで正しく存在していなかったという点をふまえておかなければならない。キャリアコンサルティングはキャリア開発の支援活動であり、キャリア開発のためのコンサルティングであるが、キャリアコンサルティングを学ぶということは単にキャリアコンサルティングを技法としてとらえるのではなく、キャリアコンサルタントが果たさなければならない役割など、キャリアコンサルティングの前提や背景、あるいは周辺についても正しく理解 …

キャリアコンサルタント養成講座11 I テクノファ

今回は、職業相談の奥深さについて振り返ってみようと思います。当然ですが、職業相談に来られる方の目的は仕事の相談です。相談の目的が明瞭であれば、ご本人の意向や希望に沿ってマッチングや自己アピールの支援等を比較的順調に進めていくことができますが、このような例はごくわずかです。 相談の目的が仕事に関することであっても、具体的なビジョンが描けず、何をやっていいか分からない方が多くおります。ただし、食べていくために収入が無いのは困る、何か仕事はないでしょうかという相談から話が始まります。 インテーク(最初の面接)の中で、そのような心境状態に至った段階を理解するようにします。何をやったらよいか分からないと …

キャリコンサルタント実践の要領 64 | テクノファ

前回に続きキャリアコンサルティング協議会の、キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業報告書の、スーパービジョンのモデル実施及びアンケート・実施報告書の分析の部分の、アンケート結果を用いたスーパービジョン事例報告から記述します。 ④アンケート結果を用いたスーパービジョン事例報告 スーパービジョンに関する理解を深めるために、スーパービジョンに関係する三者 (相談者とキャリアコンサルタントとスーパーバイザー)のアンケート・報告書の結果を用い、 継続的な対応が行われた事例を一件報告する。 事例作成に際し、まずキャリアコンサルティングが2回行われたケースを抽出し、キャリアコンサルティングの …