実践編・応用編

「キャリア開発とMBO」「OJT」などの講義|テクノファ

投稿日:2022年9月22日 更新日:

テクノファは、あなた自身が輝いて働く(生きる)ためのトレーニング・講座をご提供しています。何よりも、自分の人生を自分で計画し切り開いていく、そのための自分自身が、何になりたいのか? そもそも自分は何者なのか? どうやったらなりたいものになれるのか。一つ一つを明確にすることで、地面が揺らいだときにも、急に会社の方針が変わったとしても、しっかりと地面をつかむことができ、自分の働き方をつかむことができるのです。常に成長し変化している人の成長を支援することがキャリア開発支援です。

キャリアコンサルタントのカウンセリング・コンサルティング・ガイダンスや、キャリア教育、人材育成など、人の成長にかかわっている方々や、部下を持っている上司、組織の一員として働いている方々や、家族(親、子供、夫婦など)の役割を担っている方々全てにこのメールマガジンをお届けします。

このコーナーは、活躍している「キャリアコンサルタント」からの近況や情報などを発信いたします。今回はキャリアコンサルタントのT.Mさんからです。

◆ ちょうど10年前の2008年3月にテクノファでのキャリアコンサルタント養成講座を修了しました。8期生となります。
受講する動機は曖昧なもので、当時の私は、専業主婦で50歳を過ぎていました。講座の初日に自己紹介の場面がありましたが、同期のメンバーは第一線で活躍(仕事)している方々がほとんどで、私は「場違いなところに来てしまった」という後悔の気持ちだったこと、今でもその時の心細かった気持ちは忘れられません。

特に、講義では「キャリア開発とMBO」「OJT」など、日常聞きなれない言葉が飛び交い、頭の中は真っ白。ですから授業についていくのも困難でした。どうにか無事に修了証をいただきましたが、正直内容の理解もできていませんでした。ただ、養成講座を終える頃、私の意識が変わっていることに気が付きました。それは、家庭の中の役割だけでなく、社会の中での自分の役割、価値を見出したいと強く思うようになったことです。

仕事に就きたいという気持ちと同時に、社会福祉への貢献という役割をしたいという思いでした。これこそ、内的キャリアなんでしょうね。でも、実際何をしたらいいのかわからず、まずは松戸市で主催しているボランティア講座(女性支援)を受講することにしました。そこで知り合った方の紹介で、市川市で生活保護を受給している人たちへの就労支援相談、そして長期失業者の就労支援相談と繋がっていきました。

並行して婦人科クリニックでの受付業務(カウンセリングも)のパートもしていました。週6日勤務のハードな体制で働いた時期もあります。忙しくもやってこられたのは、誰かのための手助けができているという実感があったからです。自信を失くしている相談者に寄り添い、その人も気が付いてない長所や強み、可能性に目を向けた時、相談者は自信を取り戻し、一歩進んでいくことができました。

現在は、就労支援業務からは離れましたが、NPO法人対話の会(千葉)、NPO法人RJ対話の会(越谷)という2つのNPOで活動しています。活動としては、相談者と相手方との対話をつなげること、少年院での矯正教育の一環でのグループワーク、ペアワーク、高齢者デイでのトーキングサークルなどの進行役など。いずれの活動においても、対話が基本となっています。相手を深く理解しようという対話です。

これは、テクノファの養成講座で繰り返し勉強してきた「受容・共感・自己一致」が必要であると実感しています。講座を受けた当時はピンとこなかった点も正直ありますが、今だったら先生方が伝えたかったことがもっと頭と心に入っただろうなと感じています。

対話の会への相談として、私は性虐待の被害者や子どものいじめ問題に取り組みました。いじめの相談は小学3年生の母親からでした。その男の子は、いじめがきっかけで30日以上不登校になっている状況でした。いじめ問題は学校も深く関わっています。学校側の対応に双方の親たちは不満を持っていました。いじめの被害を受けた子、いじめをしたと思われる子、双方の家族、そして学校側との面談を何度も重ねると、お互いの気持ちの誤解(ボタンの掛け違い)があることがわかりました。いじめた子のストレスも見えてきました。中立・公平な立場である第三者の私たちが間に入ることでお互いを理解し合えることができました。

相談を受け、対話の会を開けるまでには半年近くかかりましたが、お互いが満足する結果が得られました。それぞれの思いや考えをじっくり聴く時間を経て対話の会を開いたからだからこそです。4月からは家庭裁判所の調停委員を務めることが決まっています。テクノファで勉強してきたことや今までの経験を活かして、聴くことを大事にし、当事者双方ともが解決への意欲を高めていく仲立ちができる調停委員を目指していきます。
(つづき)K.I

-実践編・応用編

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