キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について、メンタルヘルス、自殺・過労死、ハラスメント等に関する知識、資料について説明しています。
■メンタルヘルスアクショントレーナーの手引き
メンタルヘルス対策に重点をおいた職場環境改善ファシリテータ(メンタルヘルスアクショントレーナー)の手引き
-グループワークの進め方とファシリテータの心構え-
平成16年度厚生労働科学研究費補助金労働安全衛生総合研究事業 「職場環境等の改善等によるメンタルヘルス対策に関する研究」 職場環境改善のためのヒント集(アクションチェックリスト)作成ワーキンググループ編 資料より引用説明します。
〇メンタルヘルスアクショントレーナーの手引きは、メンタルヘルス改善を目指した職場環境改善を進める際の手引きとして作成されたものです。
近年のメンタルヘルスの一次予防対策としては、労働生活そのものに眼を向けて、ストレスの背景となっている働き方を、従業員が産業保健スタッフの支援を受けながら職場の同僚や上司とともに職場環境改善により改善していく方向にあります。このように従業員が主体となって、職場のストレス要因に関するリスクアセスメントを実施し実効性のある提案にもとづいた職場環境の改善を効果的に進めていくための方法として、前の回で説明した「職場改善のためのヒント集」(メンタルヘルスアクションチェックリスト)の結果を持ち寄り、グループ討議などの参加型検討会(グループワーク)により改善を進めていく方法が活動の前提となっています。
従業員が安心して働ける健康的な職場環境に改善していくために必要な産業保健スタッフの支援は、一方的に知識伝達するのではなく、職場の当事者(従業員)が参加する場をつくり、自分たちの良いところを認め合い、ひとつの課題に対して改善点を討議する「対話型」の支援です。この「対話型」の手法の代表的なものがグループワークですが、グループワークを安全衛生活動にも利用して支援を担う人たちのことをこの手引きでは「ファシリテータ」と呼んでいます。
この手引きは、それぞれの企業や職場において行われる具体的な改善を促進することを目指して、それに利用できる実践的なグループワークの方式の取り上げ方を解説しています。ライン管理者、衛生管理者、産業保健スタッフが従業員による話し合いの場をどのようにつくりあげていくか、「実行して学ぶ」(Learning by doing)方式の利点を取り入れてグループワークが行えるように作られており、この手引きに沿って受講することによりファシリテータとして活躍できるようになることを目指したものです。
〇手引きの内容を下記の目次で示します。
目次
1.はじめに
2.研修の実際
2-(1)研修の企画
2-(2)開催準備
2-(3)グループワークのプログラムの実際
2-(4)研修の評価とフォローアップ
3.研修効果を向上するために
3-(1)研修の到達目標
3-(2)参加者の関心を引き出す方法
3-(3)講義方法のポイント
3-(4)オーバーヘッドプロジェクターの使用方法
4.研修企画の例の紹介(2003年~2004年)
5.添付資料
資料1:グループ学習会プログラム案
資料2:グループ討議の進め方ガイド
資料3:職場環境改善のためのヒント集について
資料4:グループ討議まとめ資料
資料5:改善計画シート、改善計画フォローアップシート例
資料6:職場環境改善のためのヒント集の項目一覧表
■職場環境改善の継続展開のためのファシリテータ・コーディネータ用ポイントマニュアル
平成23年度 厚生労働科学研究費補助金労働安全衛生総合研究事業「労働者のメンタルヘルス不調の第一次予防の浸透手法に関する調査研究」 科学的根拠によるEBMガイドライン開発:職場環境等の評価と改善の普及・浸透の資料
https://kokoro.mhlw.go.jp/wp-content/uploads/2017/12/H23_kaizen_facilitator_point.pdf
より引用説明します。
〇職場環境改善活動を実施した事業所や職場ではその有効性が確認されていますが、職場環境改善活動の推進は、実践的なマニュアルがまとめられてきているにもかかわらず、職場環境改善を実施する事業所の割合は教育研修などの他施策を実施済みの事業所と比べて低く、浸透に課題があります。メンタルヘルスケアに取り組んでいない事業所の理由として「専門スタッフがいない」、「取り組み方がわからない」が挙げられていることから、職場環境改善においても、よりわかりやすく、職場の人で進められるノウハウを整備することが必要と考えられます。また職場環境改善活動の継続展開が難しいという声もあるので、継続するためのポイントも押さえる必要があります。
このマニュアルは、職場環境改善活動のコーディネータやファシリテータに向けて、専門知識がなくても効果的な活動を継続していけるためのノウハウをまとめたものです。このマニュアルの特徴は前提として、「参加型」の検討会を用いた職場環境改善の実施を念頭においています。労働者参加型の職場環境改善活動は、パフォーマンスの向上やストレス低減などに効果がみとめられており、ガイドラインでも推奨されています。そして、活動継続のために、既に職場環境改善活動を実施している企業の実例から抽出した特に重要と思われるポイントへの解説を中心にして、全体の進め方を紹介しています。
〇職場環境改善活動のプロセスは下記の流れになります。
<合意形成>
施策としての位置づけ
<評価>
職業性ストレスの評価
<上司教育、参加と周知>
結果説明会(結果のフィードバック)
所属長への事前ヒアリング(職場の準備状態による)
<対策討議と立案>
参加型職場環境改善検討会
対策計画の周知
<対策実施と状況確認>
対策計画の周知
実施状況の確認
<見直し>
対策内容の見直し・共有
〇内容は下記のようにまとめられています。
1.職場環境改善活動の全体の流れ
2.実効的な活動継続のための4つのポイント
2-1 活動の目的と位置づけおよび推進部署間の役割分担と連携の明確化
2-2 管理監督者の意識づけと職場の改善準備状態に合わせた対応
1)職場ヒアリング
2)職場環境改善準備状態に合わせた対応
2-3 ファシリテータを中心とした、実効性の高い取り組みの展開
1)各担当の役割
2)議論を活性化するファシリテーティングスキルのポイント.
2-4 継続のための良好事例の活用・ツール整備
3.まとめ よりよい環境改善のために
■2018年改訂版 いきいき職場づくりのための参加型職場環境改善の手引き
平成29年度厚生労働科学研究費補助金(労働安全衛生総合研究事業)(H27-労働-一般-004)「ストレスチェック制度による労働者のメンタルヘルス不調の予防と職場環境改善効果に関する研究」班
(主任研究者 川上憲人)の資料
https://mental.m.u-tokyo.ac.jp/old/1595.pdf
より引用説明します。
安全・健康で、働きやすい職場を目指して職場環境を改善することは、従業員のこころの健康(メンタルヘルス)に役立つことがわかっています。特に、自分たちの働く職場環境を管理監督者や同僚と一緒に見直して、皆で働きやすい職場環境に改善していくという参加型アプローチですすめることは、職場のコミュニケーション、相互支援をすすめるうえで効果があり、また従業員が働きやすい労働環境は生産性に直接的・間接的に良い効果をもたらすことも知られています。
この手引きは職場環境改善のうち、最も効果があるとされている参加型職場環境改善のための最新の手引きで、職場環境改善を通じたメンタルヘルス一次予防策に関心のある安全衛生担当者(衛生推進者、産業保健スタッフ等)だけでなく、職場環境改善に取り組みたいと考えている事業者や管理監督者に、参加型職場環境改善を進めるための具体的な手順や職場環境のすすめ方の解説、職場環境改善の際に実際に使用するツールの解説をするものです。
内容は下記の目次のようにまとめられています。
Ⅰ.手引きの目的と使い方・
1.はじめに
2.手引きの利用で達成できること
3.利用対象者
4.手引きの使い方
Ⅱ.ストレスチェック制度と職場環境改善
1.ストレスチェックの目的と法的位置づけ
2.改善主体別アプローチ
3.職場準備状況をみきわめたアプローチ
Ⅲ.職場環境改善の進め方
1.手順1 準備・計画(Plan)
2.手順2 いきいきワーク(60分) (Doその1)
3.手順3 改善計画の作成と実施 (Doその2)
4.手順4 成果発表と記録 (Check,Act)
5.いきいき職場づくりのための6つのポイント
Ⅳ.こころの健康づくりに役立つ職場環境のとらえ方
Ⅴ.さらに詳しく知りたい方のために
Ⅵ.職場環境改善に用いるツール
現業版 良好事例集・アクションチェックリスト
オフィス版 良好事例集・アクションチェックリスト
グループワークシート
改善計画・報告シート
(つづく)A.K