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キャリアコンサルタント国家試験合格 194 | テクノファ

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キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について、メンタルヘルス、自殺・過労死、ハラスメント等に関する知識、資料について説明しています。

■令和3年版自殺対策白書
自殺対策白書は、自殺対策基本法第11条に基づき、毎年、国会に提出する年次報告書です。
厚生労働省のサイト
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsuhakusyo2021.html
とそのリンク先資料より白書の内容を編集記載します。
1 自殺者数の推移
(1) 警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移
警察庁の自殺統計原票を集計した結果によれば、我が国の自殺者数は、昭和58年及び61年に2万5千人を超えたものの、平成3年の2万1,084人まで減少し、その後2万人台前半で推移していた。しかし、10年に前年の2万4,391人から8,472人(34.7%)増加の3万2,863人となり、15年には統計を取り始めた昭和53年以降で最多の3万4,427人となった。その後、3万2千人から3万3千人台で推移した後、平成22年以降は10年連続で減少し、令和元年は2万169人で昭和53年の統計開始以来最少となったが、2年は2万1,081人と、前年に比べ912人(4.5%)増加した。
男女別に見ると、男性は11年連続で減少したが、女性は2年ぶりの増加となった。

⑵ 厚生労働省の人口動態統計に基づく自殺者数の推移
厚生労働省の人口動態統計による自殺者数の推移をみると、昭和58年に2万4,985人に増加し、61年の2万5,667人をピークとした後、平成3年に1万9,875人まで減少したものの、10年に前年の2万3,494人から8,261人(35.2%)増加の31,755人となって以降は、3万人前後の状態が続いていたが、22年以降は減少を続け、令和元年は1万9,425人となった。

2 自殺死亡率の推移
⑴ 警察庁の自殺統計に基づく自殺死亡率の推移
人口10万人当たりの自殺者数の推移について、自殺統計によれば、昭和58年の21.1をピークとした後、平成3年には17.0まで低下した。その後、9年の19.3から10年に26.0と急上昇し、以後15年の27.0をピークとして、高い水準が続いていたが、近年は低下を続け、令和元年は昭和53年の統計開始以来最小の16.0となったが、2年は、前年より0.8上昇の16.8となっている。

3 年齢階級別の自殺者数の推移
年齢階級別の自殺者数の推移について、自殺統計をみると、全体的に減少傾向にあり、60歳以上が最も多く、40歳代、50歳代の順に多くなっている。
年齢階級別の自殺死亡率の推移をみると、平成10年の自殺者数急増に伴い自殺死亡率も上昇したが、近年は全体的に低下傾向にある。特に、40歳代、50歳代、60歳以上は、ピーク時から大幅に低下している。一方、20歳未満では平成10年以降おおむね横ばいで推移していたが、近年上昇傾向にある。20歳代や30歳代は、ピーク時から低下がみられるものの、減少率は40歳代以上と比べて小さくなっている。また、40歳代、50歳代、60歳以上は、急増以前の水準より低下している一方、20歳未満及び20歳代は急増以前の水準に戻っていない。特に、20歳未満は近年上昇傾向にある。さらに、男女別にみると、男性は、40歳代、50歳代では15年まで上昇傾向にあったが、16年以降は低下傾向にある。一方、20歳代が一貫して上昇していたが、23年以降は低下傾向にあり、30歳代は15年に更に高まった後、そのまま高止まりしていたが、22年以降は低下傾向にある。女性は、20歳代、30歳代、40歳代では上昇傾向にあったが、24年以降は低下傾向にある。

我が国における若い世代の自殺は深刻な状況にある。年代別の死因順位をみると、15~39歳の各年代の死因の第1位は自殺となっており、男女別にみると、男性では15~44歳において死因順位の第1位が自殺となっており、女性でも10~29歳で死因の第1位が自殺となっている。こうした状況は国際的にみても深刻であり、若い世代(10歳代及び20歳代)で死因の第1位が自殺となっているのは、先進国(G7)では日本のみである。なお、10歳代では、アメリカ及びカナダの死亡率が日本よりも高くなっている。また、20歳代では、アメリカの死亡率が日本と同程度となっている。

4 職業別の自殺者数の推移
職業別の自殺の状況については、自殺統計では平成19年の統計から自殺統計原票の改正により職業の分類が改められたことから、18年までの推移とその後の推移の単純比較はできないが、まず18年までの推移をみると、昭和60年頃の自殺者数が増加した時期には、「無職者」、「被雇用者」、「自営者」が増加しており、その他の職業にはあまり変化がみられない。さらに、平成10年に自殺者が急増した時期にも、同様に「無職者」、「被雇用者」、「自営者」が増加しており、その他の職業にはあまり大きな変化がみられない。その後は15年に「無職者」と「被雇用者」が一旦増加するが、「自営者」は減少傾向にある。19年以降の推移をみると、自殺者数が減少傾向にあったことから、多くの職業でも減少傾向にある中で、「学生・生徒等」がおおむね横ばいとなった。令和2年は元年と比較して「自営業者・家族従業者」は減少したものの、「被雇用者・勤め人」、「学生・生徒等」及び「無職者」は大きく増加した。さらに、「無職者」の内訳をみると、「年金・雇用保険等生活者」及び「浮浪者」が微増し、「主婦」は大きく増加した。

5 原因・動機別の自殺者数の推移
自殺の多くは多様かつ複合的な原因及び背景を有しており、様々な要因が連鎖する中で起きている。原因・動機別の自殺の状況については、平成19年の自殺統計から、原因・動機を最大3つまで計上することとし、より詳細に原因・動機を公表している。平成18年までの原因・動機別の自殺の状況について、自殺統計によれば、昭和60年前後に自殺者が急増した際には、「健康問題」及び「経済・生活問題」が増加している。また、平成10年に自殺者が急増した際には、「家庭問題」や「勤務問題」が若干増加し、「健康問題」や「経済・生活問題」が大きく増加している。その後「健康問題」は減少傾向にあったが、15年に一旦増加した。「経済・生活問題」については、10年の急増の後、横ばいで推移したが、14年、15年と更に増加した。その後は減少傾向にある。

平成19年以降の原因・動機別の自殺の状況については、「健康問題」が最も多く、次に「経済・生活問題」、「家庭問題」、「勤務問題」が続いている。「健康問題」や「経済・生活問題」は、ピーク時からの減少が大きくなっている一方、「勤務問題」や「家庭問題」については、他の原因・動機と比べてピーク時からの減少が小さくなっている。令和2年では「経済・生活問題」及び「勤務問題」が減少した以外は増加となった。

6 令和2年の自殺の状況
⑴ 令和2年における自殺の概要
自殺統計によると、令和2年の自殺者数は2万1,081人で、前年に比べ912人(4.5%)増加した。性別では、男性が1万4,055人で全体の66.7%を占めている。年齢別の状況についてみると、「40歳代」が3,568人で全体の16.9%を占め、次いで、「50歳代」(3,425人、16.2%)、「70歳代」(3,026人、14.4%)、「60歳代」(2,795人、13.3%)の順となっている。前年と比べて、50歳代、60歳代以外の年齢階級では増加している。
職業別の状況についてみると、「無職者」が1万1,718人で全体の55.6%を占めて最も多く、次いで「被雇用者・勤め人」(6,742人、32.0%)、「自営業・家族従業者」(1,266人、6.0%)、「学生・生徒等」(1,039人、4.9%)の順となっており、この順位は前年と同じである。前年と比べて、「自営業・家族従業者」以外の各職業で自殺者数が増加している。

原因・動機別の状況についてみると、原因・動機特定者は1万5,127人(71.8%)であり、そのうち原因・動機が「健康問題」にあるものが10,195人で最も多く、次いで「経済・生活問題」(3,216人)、「家庭問題」(3,128人)、「勤務問題」(1,918人)の順となっており、この順位は前年と同じである。また、前年と比べて、「経済・生活問題」及び「勤務問題」で自殺者数が減少している。
(つづく)A.K

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