実践編・応用編

女性向けサービスのスーパーバイザーの仕事を通じて | テクノファ

投稿日:2022年11月17日 更新日:

テクノファは、あなた自身が輝いて働く(生きる)ためのトレーニング・講座をご提供しています。何よりも、自分の人生を自分で計画し切り開いていく、そのための自分自身が、何になりたいのか? そもそも自分は何者なのか? どうやったらなりたいものになれるのか。一つ一つを明確にすることで、地面が揺らいだときにも、急に会社の方針が変わったとしても、しっかりと地面をつかむことができ、自分の働き方をつかむことができるのです。常に成長し変化している人の成長を支援することがキャリア開発支援です。

キャリアのカウンセリング・コンサルティング・ガイダンスや、キャリア教育、人材育成など、人の成長にかかわっている方々や、部下を持っている上司、組織の一員として働いている方々や、家族(親、子供、夫婦など)の役割を担っている方々全てにこのメールマガジンをお届けします。

このコーナーは、活躍している「キャリアコンサルタント」からの近況や情報などを発信いたします。今回はキャリアコンサルタントのY.Yさんからです。

11月、クリスマスを控えたこの時期、4月に転居した方も新しい土地に慣れしたんだこの時期。私自身も今年も12月を迎え、昨年の大きな転機を思い出している。

昨年4月、夫の転勤に伴い、東京から四国へ引っ越しをした。急に仕事を退職することになり、大きく気持ちが揺れた。

家族で引っ越しをするだろうことは、随分前から予想されていたことで、いざその時が来たら、全国どこでも自分の力を活かせるようにと、キャリアコンサルタントの資格取得を目指してきた。

2006年から始めた、女性向けサービスのスーパーバイザーの仕事を通じて、様々な企業の雇用状況を知り、そこで働く人の想いを聞き、より多くの人が「やりがい、働きがい」を持って仕事ができるようなお手伝いをしたいと思うようになった。

キャリアコンサルタント」という仕事があると知った数年後の2013年、テクノファの養成講座受講をスタート。同期に恵まれ、毎回の講座がとても楽しく、大変良い学びを得ることができた。その後、国家資格2級へチャレンジし、3回目で合格。2015年のことだった。

その間に長女を出産、翌年には育児休暇明けで仕事復帰と、忙しく過ごす中で、いつしか「キャリアコンサルタントを生業」に、という気持ちは正直消えかかっていた。そんな中、昨年、引っ越しのため、慣れ親しんだ会社を退職せざるを得なくなった。家族の都合とはいえ、突然の退職は会社にも迷惑をかけてしまう。

そこで、会社からの提案もあって、業務委託という形で、パソコンや電話を使って遠隔で仕事を続けて行くことになった。仕事への責任を持つ(急に辞めない)ことは、会社での学びである。仕事は続けよう、という腹は決まった。

一方で、この機会をチャンスと思う自分もいた。「このために、資格取得を目指してきたのだ」という原点に立ち返ることができた。そこで、これまでキャリア関連の講習会等で出会った、キャリアコンサルタントの先輩方に連絡をさせていただき、直接のお話、あるいはお電話で、働き方・お仕事にかける想い・アドバイス等々を頂戴することができた。

これほど心強いことはなく、出会えたことへの感謝を噛みしめながら東京を離れた。その後、遠隔での仕事がスタートしたが、うまくいくことばかりではなかった。情報伝達の遅れや、コミュニケーションミス、そして、整理できていたと思っていた“退職”という事実に対する混沌とした想い…

今まで会社に守られていた自分、意外と自立ができていない自分を実感し、1人という環境もあって気持ちが不安定になることも多々あった。まさにトランジションを体験した1年。ニュートラルゾーンの混乱、苦悩を味わった。

しかしながら、時が経つにつれて中立圏(ニュートラルゾーン)から、開始(新しい始まり)に向かっていく自分も見えてきた。雇用形態はどうあれ、仕事を続けられることは安定感がある、これまでと変わらないやりがい・働きがいもある、仕事の中からも、学べることが沢山ある、今の仕事をしながら、キャリアコンサルタントとしての仕事も受けて経験を積むなどのやり方もある…

こういったことは、仕事で出会うクライエントの皆さんやキャリアコンサルタントの先輩方が教えてくれた。自分の力だけでは、乗り越えられない1年であった。自分自身がトランジションを体験したことによって、仕事をされている多くの方が自分と同じような状況になる可能性があり、悩むこともあるだろうと、身を持って実感することができた。

この体験は、キャリアコンサルタントとしてもとても役に立った。もしもクライエントが、ニュートラルゾーンに置かれている場合には、相手の気持ちに寄り添えるだろう。その気持ちに共感しながら話を聞いて、対処方法を一緒に考え、そして、クライエント自身が答えを見つけ出していく手助けをしたい。仕事も、自分自身の予期せぬ体験も、全て自分の糧として、周囲の人のために使っていくことができるキャリアコンサルタントでありたいと思う。
(つづく)I.K

-実践編・応用編

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