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医療従事者の商慣行・勤務環境等を踏まえた取組 | テクノファ

投稿日:2022年11月30日 更新日:

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について、メンタルヘルス、自殺・過労死、ハラスメント等に関する知識、資料について説明していますが、今回は前回に続き令和3年版過労死等防止対策白書について説明します。今回は、政府が過労死等防止対策推進法に基づき国会に年次報告した白書における、過労死等の防止のために講じた施策の実施状況報告について、白書の項目3.啓発、の内容を前回の続きから説明します。

3 啓発
3.10 商慣行・勤務環境等を踏まえた取組の推進
(3)医療従事者
国民が将来にわたり質の高い医療サービスを受けるためには、長時間労働など厳しい勤務環境に置かれている医師や看護職員などの医療従事者が健康で安心して働くことができる勤務環境の整備が喫緊の課題となっており、課題克服のため、以下の取組を行っている。
ア 医療法に基づく医療機関に対する相談支援の実施
平成26年10月1日に施行された改正医療法では、各医療機関においてPDCAサイクルにより計画的に勤務環境改善に取り組む仕組み(医療勤務環境改善マネジメントシステム)を導入するよう努めることとされたほか、都道府県において医療従事者の勤務環境の改善を促進するための拠点としての機能を確保することとされ、平成29年3月までに全ての都道府県で医療機関に対する勤務環境改善を支援するための「医療勤務環境改善支援センター」が設置されたところである。勤改センターでは、医業経営アドバイザーや医療労務管理アドバイザーが医療機関に対する相談支援業務を行うなど、医療機関の主体的な取組に対する支援の充実を図ることにより、医療従事者全体の勤務環境の改善に向けた取組の充実につなげている。

イ 医療機関の勤務環境改善に向けた調査研究や勤改センターの活動推進の支援
令和2年度も、国内の全病院・有床診療所を対象とした実態調査(アンケート)、個別医療機関からのヒアリング調査、モデル事業の実施等により、医療機関における労働実態(時間外労働、夜勤、連続勤務等)及び医療勤務環境改善マネジメントシステムの実施状況並びに勤改センターにおける活動状況の把握・分析を行い、更なる推進方策の検討を行った。

また、勤改センターが地域における医療勤務環境改善を牽引するため、各都道府県へのヒアリングやアンケート等を通じて好事例を収集し、勤改センターの設置、運営を担当する都道府県職員や実際に勤改センターの活動を担う勤改センター担当者を対象とした「手引き」を作成し、令和2年度においては、当該「手引き」の改訂を行った。

ウ 医療勤務環境改善マネジメントシステムの普及促進
各都道府県の勤改センターにおいて、個別相談支援や説明会等を実施し、医療勤務環境改善マネジメントシステムの普及促進を図っていることに加えて、医療機関の経営層及び労務管理の責任者・担当者等を対象に、医療勤務環境改善マネジメントシステムの概要や活用方法などを解説するセミナーを開催しており、令和2年度はオンラインセミナーを計5回開催した。併せて、医療勤務環境改善マネジメントシステムに関するリーフレットを作成し、医療機関等に配布した。さらに、医療機関が自主的に勤務環境の改善に取り組む際に活用できるデータベースサイト(いきいき働く医療機関サポートWeb(いきサポ)に勤務環境改善に取り組む個別の医療機関の事例や各都道府県における支援策等の情報を提供している。

エ 医療機関内のマネジメント改革について
医師の労働時間短縮を効果的に推進するためには、ICT等の技術の活用も含めたタスク・シフティングやタスク・シェアリング等先進的な取組とともに、医療現場の実態を把握するべき管理者の意識改革に徹底して取り組んでいく必要がある。医師の在院時間ですら把握していない医療機関もある中で、意識改革により組織のトップが自らの状況を適切に分析することで、取組の重要性に気づき、医療機関内のマネジメント改革の舵取りを率先して担うことが必要不可欠である。このため、医療機関の管理者(病院長)等を対象に、勤務環境改善に係る意識改革のためのトップマネジメント研修を令和元年度より開始し、令和2年度においては対象を労務管理の実務を担当する事務部長等に拡大し実施した。

オ 医師の働き方改革に関する検討会及び医師の働き方改革の推進に関する検討会
医師については、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定)において、時間外労働規制の適用は5年間猶予され、規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等については、医療界の参加の下で検討の場を設け、結論を得ることとされた。これを受けて、厚生労働省において「医師の働き方改革に関する検討会」を開催し、時間外労働の上限時間数の設定、地域医療確保のために長時間労働がやむを得ない場合には、医療機関を特定し、追加的な健康確保措置を義務付けた上で、暫定的に特例的な水準を設定すること等を盛り込んだ報告書を平成31年3月にとりまとめた。

また、同報告書に記載された方向性に沿って、医療機関における労務管理の適正化、医師の労働時間短縮の促進を図るほか、同報告書記載事項の制度化に向けて、令和元年7月より「医師の働き方改革の推進に関する検討会」を開催し、同報告書で引き続き検討することとされた事項について具体的検討を進め、令和2年12月に中間とりまとめを公表し、以下の長時間労働の医師の労働時間短縮及び健康確保のための措置を盛り込んだ医療法の改正案を令和3年2月2日に第204回通常国会に提出し、同年5月21日に成立した(令和3年法律第49号)。

①勤務する医師が長時間労働となる医療機関における医師労働時間短縮計画の作成
②地域医療の確保や集中的な研修実施の観点から、やむを得ず高い上限時間を適用する医療機関を都道府県知事が指定する制度の創設
③当該医療機関における健康確保措置(面接指導、連続勤務時間制限、勤務間インターバル規制等)の実施等

(4)情報通信業
平成28年6月2日に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」や平成29年3月28 日に取りまとめられた「働き方改革実行計画」において、関係省庁が連携して下請けなどの取引条件にも踏み込んで長時間労働を是正する仕組みを構築することとされ、特に、IT業界については、発注者や事業者の協働により、「急な仕様変更」など、取引の在り方の改善と長時間労働の削減を進めることとされているところである。
このような状況の中、IT 業界全体が今後とも健全な発展をするためには、労働環境の改善など働きやすい職場環境を目指すことが必要である。
このため、平成28年度から業界団体と連携し、検討委員会の開催、企業等の実態調査、セミナーの開催、企業に対する個別訪問による働き方改革のコンサルティング、周知広報などを実施している。
ア 検討委員会の設置
長時間労働削減対策に向けた課題の抽出や支援策等について検討することを目的として、事業者団体、学識経験者、労働組合、経営者団体、関係省庁により構成した検討委員会を設置し、令和2年度は5回開催し、以下イ~カの取組を実施することとした。

イ セミナーの開催
IT企業の働き方改革を実践する企業経営者や担当者、また、企業の働き方改革を支援する社会保険労務士や中小企業診断士等を対象とした、IT 業界で働く労働者の働き方改革の推進に関するセミナーを令和3年1月にオンラインで開催した。

ウ アンケートを通じた実態調査の実施
働き方改革関連法の施行によるIT業界の働き方に関する状況の変化や、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴うテレワークの実施状況及び実施上の課題等の実態を把握することを目的に、IT業界の企業、労働者に対してアンケート調査を実施した。アンケート調査の結果については、下記するオの「働き方改革実践の手引き~企業と社員のための働き方改革へ~」の改訂を行うに当たって活用した。

エ 企業に対する個別訪問による働き方改革のコンサルティング
働き方改革をより実践的に進めるための他社のモデルとなる事例を創出することを目指し、企業に対する個別訪問によるコンサルティングを実施した。
令和2年度は新型コロナウイルス感染症に伴いテレワークがIT業界において拡大したことを踏まえて、「テレワークを前提とした新しい働き方に向けた課題解決と施策の方向性を示すこと」をテーマに実施した。コンサルティングの結果については、オの「働き方改革実践の手引き~企業と社員のための働き方改革へ~」の改訂を行うに当たり、読者が実際に働き方改革に取り組む際に活用できるよう、具体的な課題・取組の事例として掲載した。

オ 「働き方改革実践の手引き~企業と社員のための働き方改革へ~」の改訂
令和元年度に作成したハンドブック「働き方改革実践の手引き~企業と社員のための働き方改革へ~」について、アの検討委員会で改訂方針の検討を行い、ウの「アンケートを通じた実態調査」の調査結果及びエの「企業に対する個別訪問による働き方改革のコンサルティング」の支援結果を基に特集ページ「DX を牽引する IT 業界における新しい働き方のポイント」を作成し、改訂を実施した。

カ 周知・広報
令和2年度は周知・広報として以下の活動を実施した。
① Web サイトの更新
IT業界で働く労働者の長時間労働の問題と改善策等について、平成28年度に作成したWebサイトを更新し、SNS等による周知・広報を行った。
② インターネット広告
令和3年1月に開催したセミナー、座談会を紹介するインターネット記事広告の掲載を通じて、ハンドブック「働き方改革実践の手引き~企業と社員のための働き方改革へ~」及び「発注者・受注者で実現するIT業界の取引環境改善と働き方改革~円滑なプロジェクトの推進に向けて」(令和元年度作成)の認知拡大を図った。
(つづく)A.K

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