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建設業の商慣行・勤務環境等を踏まえた取組の推進 | テクノファ

投稿日:2022年12月2日 更新日:

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について、メンタルヘルス、自殺・過労死、ハラスメント等に関する知識、資料について説明していますが、今回は前回に続き令和3年版過労死等防止対策白書について説明します。今回は、政府が過労死等防止対策推進法に基づき国会に年次報告した白書における、過労死等の防止のために講じた施策の実施状況報告について、白書の項目3.啓発、の内容を前回の続きから説明します。

3 啓発
3.10 商慣行・勤務環境等を踏まえた取組の推進
(5)建設業
建設業における長時間労働の是正のためには、建設業者による生産性向上の取組と併せて、適正な工期設定や適切な賃金水準の確保、週休2日の推進等による休日確保等、発注者の理解と協力が不可欠であることから、その推進のため、以下の取組を行っている。
ア 働き方改革に関する関係省庁連絡会議・協議会の設置
働き方改革実行計画(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定)において、建設事業については、法改正による時間外労働の上限規制の一般則の施行期日の5年後に時間外労働の上限規制を適用するとされたことから、発注者を含めた関係者による協議の下、適正な工期設定や適切な賃金水準の確保、週休2日の推進などによる休日確保などに関する取組を推進するため、「建設業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議」を平成29年6月に設置した。平成30年7月には第4回会議を開催した。

イ 建設工事における適正な工期設定等のためのガイドラインの策定
建設業の生産性向上に向けた取組と併せ、適正な工期の設定等について民間も含めた発注者の取組が必要であることから、平成29年8月28日に受注者・発注者が相互の理解と協力の下に取り組むべき事項を指針(手引き)として取りまとめたガイドラインについて平成30年7月に改訂し、民間発注者も含め、広く周知を行った。

ウ 新・担い手3法の改正
急速な高齢化と若者離れが進む建設業では、工期を適正化し、長時間労働を是正することや、限りある人材を有効活用するなど建設現場の生産性を向上させること等が求められている。こうした現状を踏まえ、長時間労働の是正等を通じて建設業の将来の担い手を確保し、建設業の持続性を確保するため、建設業の働き方改革の促進、建設現場の生産性向上及び持続可能な事業環境の確保等の観点から、第198回通常国会において、新・担い手3法と呼ばれる「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律」及び「公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律」が成立した。公共工事を対象とする理念法である品確法により、将来にわたる公共工事の品質確保やその担い手の中長期的な育成、確保を図るとともに、民間工事を含む全ての建設工事を対象とする閣法を一体で改正することで、民間工事までその理念の波及が進むことが期待できる。

建設業法第34条において、中央建設業審議会において建設工事の工期に関する基準を作成し、その実施を勧告することができるとされたことを踏まえ、令和2年7月に「工期に関する基準」が作成・勧告された。同基準について、公共工事・民間工事を問わず、周知徹底を図っている。

3.11 若年労働者、高年齢労働者、障害者である労働者等への取組の推進
若年労働者、高年齢労働者、個々の特性に応じた雇用管理を求められることが相対的に多い障害者である労働者等については、各々の特性に応じた配慮を行う必要があることをパンフレット等で周知・啓発するとともに、以下の取組を行っている。
(1)若年労働者への取組
(独)労働者健康安全機構が全国の都道府県に設置する産業保健総合支援センターにおいて、若年労働者に対してセルフケアを中心としたメンタルヘルス教育を実施しており、令和2年度は719回実施した。また、若年労働者のメンタルヘルスケアに当たっては、労働者の家族の支援を受けながら進めることが重要であることから、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」において、事業場と労働者の家族が連携したメンタルヘルスケアの取組事例を掲載し、周知・啓発している。

(2)高年齢労働者への取組
令和2年3月に策定した「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン)に基づき、高齢者の身体機能の低下を補う設備・装置の導入や予防的観点からの労働者の筋力強化等の身体機能向上のための健康づくり等を促すとともに、高年齢労働者の安全衛生確保対策に取り組む中小企業等を支援する補助金(エイジフレンドリー補助金)を令和2年度に新設した。

(3)障害者である労働者や傷病を抱える労働者への取組
「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」(平成28年2月策定)や、ガイドラインの参考資料として疾患別留意事項及び企業・医療機関連携マニュアルを作成し、シンポジウムをオンラインで年9回開催する等により企業や医療機関等への普及啓発を実施した。また、両立支援を必要とする労働者に寄り添い、医療機関と事業者の連携を支える両立支援コーディネーターを年間3,402人養成した。そのほか、各都道府県に設置している地域障害者職業センターにおいてうつ病等による休職者の職場復帰支援(リワーク支援)を実施している。休職者本人、事業主、主治医の3者の合意のもと、生活リズムの立て直し、体調の自己管理・ストレス対処等適応力の向上、職場の受入体制の整備に関する助言等を行い、うつ病等による休職者の円滑な職場復帰を支援している。

また、全国の主要なハローワーク等において、就職に関連した様々な生活支援等を必要とする求職者に対し、臨床心理士等の専門家による巡回相談を実施している。

3.12 公務員に対する周知・啓発等の実施
(1)国家公務員に対する周知・啓発等の実施
ア 国家公務員の超過勤務の縮減や年次休暇の計画的な取得促進について
国家公務員については、政府全体を通じて「国家公務員の労働時間短縮対策について」(平成4年12月9日人事管理運営協議会決定)、「採用昇任等基本方針」(平成26年6月24日閣議決定)、「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」(平成26年10月17日女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会決定、「計画表の活用による年次休暇及び夏季休暇の使用の促進について」(平成30年12月7日人事院職員福祉局長通知)、平成31年4月に施行された超過勤務命令の上限設定等に係る人事院規則15―14(職員の勤務時間、休日及び休暇)等の規定等に沿って、一層の超過勤務の縮減や年次休暇の計画的な取得促進に取り組んできた。

一方、内閣人事局が令和2年10月及び11月に実施した在庁時間の調査では、霞が関の長時間労働の実態、特に若手職員に負担が偏っているという実態が明らかになった。また、内閣人事局が令和元年度に実施した職員アンケート調査では、働き方改革の観点で国会関係業務の効率化を求める本府省等職員が約4割に達した。このようなこと等を踏まえ、令和3年1月29日に取組指針を改正し、職員の心身の健康確保及び仕事と生活の両立には長時間労働の是正が不可欠であるとの認識の下、改正後の取組指針及び取組指針に基づき各府省等が策定した取組計画により、国会関係業務を含む業務効率化・デジタル化、勤務時間管理のシステム化、的確な勤務時間管理による超過勤務縮減をはじめとする働き方改革の取組をより一層強力に推進している。

人事院は、平成31年4月から、人事院規則 15―14 により、超過勤務命令を行うことができる上限を、原則、1年について360時間、他律的業務の比重が高い部署においても720時間などと設定した。大規模災害への対処等の重要な業務であって特に緊急に処理することを要する業務に従事する職員に対しては、これらの上限の時間を超えて超過勤務を命ずることができることとしているが、その場合には、各省各庁の長は、原則として翌年度の9月末までに、上限を超えて超過勤務を命じた要因の整理、分析及び検証を行わなければならないこととしている。令和元年度に各府省において上限を超えて超過勤務を命ぜられた職員は、他律部署では定員の8.7%、他律部署以外の部署では定員の6.6%であった。このうち、本府省の他律部署においては定員の15.7%が上限を超えて超過勤務を命ぜられていた。人事院は、各府省の令和元年度における要因の整理、分析及び検証の状況に関する報告を踏まえて各府省に対する指導を行い、あわせて、その状況を整理し、人事院のホームページにおいて令和3年3月に公表するとともに、超過勤務の更なる縮減に向けた取組を促進する観点から各府省に共有した。
(つづく)A.K

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