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いのち支える自殺対策推進センター|キャリコン国家試験合格235テクノファ

投稿日:2023年2月26日 更新日:

キャリアコンサルタントに必要な情報をお伝えします。
■いのち支える自殺対策推進センター
〇いのち支える自殺対策推進センターは、「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現を目指すため、自殺対策を推進し、そのために必要なあらゆる関係者との協働を模索しつつ、常に自殺対策の現場を意識しながら、「先進的なモデル」作りを意識し、効果的かつ効率的に事業を推進するための研究や検証の強化を行っています。

いのち支える自殺対策推進センターホームページより引用して活動内容などを説明します。
〇いのち支える自殺対策推進センターの活動方針
1 我が国の自殺総合対策における「ハブ(つなぎ役)」の役割を果たす。
2 「生きることの包括的な支援」として、自殺対策を幅広く総合的に推進する。
3 あらゆる活動の原点に、「いのち」と「対人支援や地域連携の現場」を据える。
4 EBPM(エビデンスに基づく政策形成の実践)を推進して自殺総合対策における「PDCAサイクルの牽引役」を担う。
5 海外に向けて政策輸出を積極的に行い「世界的な自殺対策の推進役」を目指す。

〇いのち支える自殺対策推進センターは「自殺対策の総合的かつ効果的な実施に資するための調査研究及びその成果の活用等の推進に関する法律」において「指定調査研究等法人の業務」とされている以下の6つの事業を行っていきます。
1 自殺の実態/自殺の防止
自殺者の親族等の支援の在り方、地域の状況に応じた自殺対策の在り方、自殺対策の実施の状況等又は心の健康の保持増進についての調査研究及び検証を行い、並びにその成果を提供し、及びその成果の活用を促進すること。具体的には、日本の自殺者数は1998年以降、14年連続して3万人を超える状態が続いていましたが、2012年に3万人を下回りました。また、2010年以降は10年連続の減少となっており、2019年は2万169人で、1978年の統計開始以来最少となりましたが、依然として、2万人を超えており、深刻な状況が続いています。そして、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した2020年は前年より750人多い2万919人(速報値)となり、11年ぶりに増加に転じました。また、我が国の自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)は主要先進7カ国の中で最も高くなっており、年齢階級別自殺死亡率は若い世代が特に深刻な状況です。

このような状況下でセンターでは新型コロナウイルス感染症拡大による自殺者の増加を想定し、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、自殺防止や自死遺族支援等に取り組む全国の民間団体が活動の制限や休止を余儀なくされている実態を把握するため、「緊急調査」を実施し、結果支援民間団体が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で活動を制限、休止せざるを得ない深刻な状況にあり、活動を全面的に休止している団体も多数に上ることが明らかとなりました。他方、「規模や体制を縮小して活動を継続したい」または「活動のリモート化を進める」と回答し、今後の活動の継続に前向きな意欲を示している団体もあります。センターはこの調査結果を厚労省に報告し、コロナ禍におかれた民間団体の支援状況の現状、課題を共有し、これをきっかけに、政府において民間団体の活動再開に向けた予算の確保や民間団体支援への体制の整備が実現し始めています。また自殺対策を推進するためにメディア関係者に知っていてほしい基礎知識に、世界保健機関(WHO)により作成された自殺対策に関するガイドラインの中のひとつ「メディア関係者に向けた自殺対策推進のための手引き」があります。この手引きでは、メディア関係者が自殺関連報道をする際の「やるべきこと」、「やってはいけないこと」などがまとめられていますが、センターはこの「自殺報道ガイドライン」に即した報道の呼びかけを行っています。上記の「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現を目指す上で、非常に重要な役割を担っているのが地方自治体です。いのち支える自殺対策推進センターは、地方自治体が最も効果的かつ効率的に自殺対策を展開できるよう、全国47都道府県と20指定都市に設置されている地域自殺対策推進センターを様々な形で支援しています。

自殺対策は、社会における「生きることの阻害要因(自殺のリスク要因)」を減らし、「生きることの促進要因(自殺に対する保護要因)」を増やすことを通じて、社会全体の自殺リスクを低下させる方向で、「対人支援のレベル」、「地域連携のレベル」、「社会制度のレベル」、それぞれにおいて強力に、かつそれらを総合的に推進するものとされています。そのためには、精神保健的な視点だけでなく、社会・経済的な視点を含む包括的な取組が重要であり、そうした「生きることの包括的な支援」を実施するためには、様々な分野の施策、人々や組織が密接に連携する必要があります。いのち支える自殺対策推進センターは、新型コロナ感染症拡大の影響による自殺リスクの高まりを想定しその対応に最優先で取り組み、「新型コロナ感染症の影響による自殺防止策」を検討し、具体策をいくつも実現させてきました。その一つが内閣官房「新型コロナウイルス感染症対策推進室」と協働で社会実装を果たした「支援情報ナビ」です。これは、制度等に関する情報が必要な人には「制度等の支援情報」を提供し、ストレスへの対処法を知る必要がある人には「ストレス対処法に関する情報」を伝え、ストレス度が極めて高い人(自殺リスクを抱えた人)は「直接支援につなげる」という、3段階の支援を途切れさせずに連動して行うことができるWebサイト(https://corona.go.jp/info-navi/)です。

他にも、全国の自治体職員(自殺対策担当)向けに新型コロナ感染症の影響による自殺リスクに備えるためにどういった対策を講ずべきかを伝えたりしています。
地域担当者向けに行ったことは次です。
・「地域の保健医療における自殺未遂者ケア・オンライン研修」
・「地域自殺対策推進センター」初任者研修会
・地域自殺対策推進センター自殺対策担当初任者研修会
・「生きることの包括的支援のための基礎研修」
・「地域の保健医療における自殺未遂者ケア・オンライン研修」
・地域自殺対策政策パッケージ(地域における自殺対策取組事例集)
・都道府県地域自殺対策推進センター連絡会議
等があります。
センターは、地方自治体の地域自殺対策支援の一環として、全国の都道府県、市区町村における自殺対策事業の先進優良事例を収録するWebデータベースを構築し公開しています。
我が国の自殺対策は「現場本位」で行われてきましたが、センターもこれまでのそうした理念や方針を引き継いで、「目の前の危機」に即応しつつ、あわせて、「時代や社会の動き」をしっかりと捉えながら活動しています。

2 前号に規定する調査研究及び検証を行う者に対して助成を行うこと。

3 自殺対策について、先進的な取組に関する情報その他の情報の収集、整理及び提供を行うこと。
センターでは、自治体の地域自殺対策を支援する活動の一環として、都道府県・政令指定都市の地域センターと連携し、年度ごとに自治体の「先進優良事例」を集めたデータベースを作成し、提供しています(自殺対策先進事例データベースhttps://jireidb.jscp.or.jp/)。
センターでは、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指す施策を達成すべく、科学的根拠に基づいた自殺総合対策を強力に推進するため、革新的自殺研究推進プログラムを実施しています。このプログラムは、自殺が多様かつ複合的な原因及び背景を有することに鑑み、保健医療のみならず他部門との連携の在り方を含めた学術的基盤を強固にし、日本の政策及び社会へ還元することを目的として、実践的研究や政策研究を中心に、幅広い分野の研究者等に対して公募による委託研究を実施しています。

4 地域の状況に応じた自殺対策の策定及び実施について、地方公共団体に対し、助言その他の援助を行うこと。
全国47都道府県並びに20指定都市に地域センターを設置し、管内市町村等において地域の状況に応じた自殺対策が総合的かつ効率的に推進されるよう、その支援に必要な体制の整備を推進し、市町村等への適切な助言や情報提供等を行うため、以下の事業を行い、トータルでサポートしている。
・地域の自殺の実態把握と自殺対策計画に基づく事業の情報の収集、分析、提供
・自殺対策計画策定と進捗管理に係ること
・管内の連絡調整と地域の自殺対策ネットワークの強化
・民間団体の自殺対策事業への相談支援と技術的助言
・自殺念慮者、自殺未遂者並びに自死遺族の支援者に対する研修などの人材育成

5 自殺対策について、地方公共団体の職員、自殺対策に係る活動を行う民間の団体の職員その他の関係者に対する研修を行うこと。
研修については1.のなかで既に説明しています。

6 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
〇いのち支える自殺対策推進センターは、自治体職員への研修会実施、地域の自殺対策センターとの連携など現場を重視した実際の行動を伴う活動を続けている。
<引用先> 厚生労働大臣指定法人・一般社団法人いのち支える自殺対策推進センター ホームページ https://jscp.or.jp/about/
(つづく)A.K

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