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キャリアコンサルタント国家試験合格 21  I テクノファ

投稿日:2020年12月3日 更新日:

― 過去問勉強 その3 労働法規 ―

ここまで説明してきたように、国家試験機関「キャリアコンサルティング協議会」は、平成30年3月の厚生労働省の見直しに合わせて「キャリアコンサルタント試験の出題範囲」を改定しました。
新「キャリアコンサルタント試験の出題範囲(キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目)」の適用は、2020年度(令和2)からの試験となっています。

今回からは、新「キャリアコンサルタント試験の出題範囲(キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目)」に焦点を合わせて、分野ごとに過去問を中心に勉強をしていきたいと思います。

【過去問勉強 その3】 労働法規(キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目 6)

6 労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識
次に掲げる労働者の雇用や福祉を取り巻く各種の法律・制度に関し、キャリア形成との関連において、その目的、概念、内容、動向、課題、関係機関等について一般的な知識を有すること。
① 労働関係法規及びこれらに基づく労働政策
ア 労働基準関係
労働基準法、労働契約法、労働時間等設定改善法、労働安全衛生法
イ 女性関係
男女雇用機会均等法、女性活躍推進法、パートタイム労働法(パートタイム・有期雇用労働法)
ウ 育児・介護休業関係
育児・介護休業法
エ 職業安定関係
労働施策総合推進法(旧:雇用対策法)、職業安定法、若者雇用促進法、労働者派遣法、高年齢者雇用安定法、障害者雇用促進法
オ 職業能力開発関係
職業能力開発促進法
カ その他の労働関係法令

② 年金、社会保険等に関する社会保障制度等
・厚生年金
・国民年金
・労災保険
・雇用保険
・健康保険
・介護保険 等

多くの【問】では、次の法令に関する名称は略語を使用しています。
・個人情報の保護に関する法律 : 個人情報保護法
・高年齢者等の雇用の安定等に関する法律 : 高年齢者雇用安定法
・個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律:個別労働関係紛争解決促進法
・障害者の雇用の促進等に関する法律:障害者雇用促進法
・雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 : 男女雇用機会均等法
・労働者災害補償保険法:労災保険法
・労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 : 労働者派遣法
・青少年の雇用の促進等に関する法律 : 若者雇用促進法

【問 う】
労働保険、社会保険に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.労働者災害補償保険は、業務災害と二次健康診断等給付のみを給付対象としている。
2.雇用保険は、失業に対する給付のみを対象としている。
3.健康保険は、傷病に対する給付だけでなく、出産、死亡に関する給付も行っている。
4.厚生年金保険は、日本国内に住所を有する20歳以上の者のみが加入する。

【正解 3】

【解説】
1.誤り。保険の給付の対象は、労働者災害補償保険法第7条にその規定がある。その給付対象は、①労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(「業務災害」 という。)に関する給付、②労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡(「通勤災害」という。)に関する給付、③二次健康診断等給付、となっている。
2.雇用保険法では、第十条に、失業等給付は、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付及び雇用継続給付とする、と規定されている。また、求職者給付には基本手当、技能習得手当、寄宿手当、傷病手当があり、雇用継続給付には、高年齢雇用継続基本給付金及び高年齢再就職給付金、育児休業給付金、介護休業給付金がある。
3.正解(52条)
4.誤り。厚生年金保険法では、20歳未満の者であっても被保険者となる。(9条で70歳未満)

過去問ではいろいろな法律の理解が問われます。法律を理解するには、まず(目的)又はそれに準じる第1条を読んでおくことが必要です。併せて、第2条以下の概要を把握しておきましょう。
この問には、労災保険法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法が出てきます。
キャリアコンサルタントになろうとする方は、ここで労働保険法を勉強しましょう。

【労災保険法】
第一条 労働者災害補償保険は、業務上の事由、事業主が同一人でない二以上の事業に使用される労働者(以下「複数事業労働者」という。)の二以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由、複数事業労働者の二以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。

第二条 労働者災害補償保険は、政府が、これを管掌する。

第三条 この法律においては、労働者を使用する事業を適用事業とする。
国の直営事業及び官公署の事業については、この法律は、適用しない。

第七条 この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。
一 労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡に関する保険給付
二 複数事業労働者の二以上の事業の業務を要因とする負傷、疾病、障害又は死亡に関する保険給付(前号に掲げるものを除く。以下同じ。)
三 労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡に関する保険給付
労働者が、経路を逸脱し移動を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間は通勤としない。

第八条 給付基礎日額は、労働基準法第十二条の平均賃金に相当する額とする。

第八条の二 休業補償給付、複数事業労働者休業給付又は休業給付の額の算定の基礎として用いる給付基礎日額については、次に定めるところによる。
(次に定めるところは略)

第九条 年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、支給を受ける権利が消滅した月で終わるものとする。

第十条 船舶が沈没し労働者の生死が三箇月間わからない場合又はこれらの労働者の死亡が三箇月以内に明らかとなり、かつ、その死亡の時期がわからない場合には、船舶が沈没し行方不明となった日又は労働者が行方不明となった日に、
当該労働者は、死亡したものと推定する。航空機が墜落しその死亡の時期がわからない場合にも、同様とする。

第十一条 この法律に基づく保険給付を受ける権利を有する者が死亡した場合においては、その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給
の保険給付の支給を請求することができる。

第十二条の五 保険給付を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはない。

第十二条の八 業務災害に関する保険給付は、次に掲げる保険給付とする。
一 療養補償給付
二 休業補償給付
三 障害補償給付
四 遺族補償給付
五 葬祭料
六 傷病補償年金
七 介護補償給付

第十三条 療養補償給付は、療養の給付とする。
一 診察
二 薬剤又は治療材料の支給
三 処置、手術その他の治療
四 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
五 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
六 移送

第十四条 休業補償給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第四日目から支給するものとし、その額は、一日につき給付基礎日額の百分の六十に相当する額とする。

第十五条 障害補償給付は、厚生労働省令で定める障害等級に応じ、障害補償年金又は障害補償一時金とする。

第十六条 遺族補償給付は、遺族補償年金又は遺族補償一時金とする。

第十七条 葬祭料は、通常葬祭に要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める金額とする。

第十八条 傷病補償年金は、別表第一(略)に規定する額とする。
② 傷病補償年金を受ける者には、休業補償給付は、行わない。

第十九条の二 介護補償給付は、月を単位として支給するものとし、その月額は、常時又は随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める額とする。

第二十一条 通勤災害に関する保険給付は、次に掲げる保険給付とする。
一 療養給付
二 休業給付
三 障害給付
四 遺族給付
五 葬祭給付
六 傷病年金
七 介護給付

第二十二条 療養給付は、労働者が通勤により負傷し、又は疾病(厚生労働省令で定めるものに限る。

第二十二条の二 休業給付は、労働者が通勤による負傷又は疾病に係る療養のため労働することができないために賃金を受けない場合に、当該労働者に対し、その請求に基づいて行なう。

第二十二条の三 障害給付は、労働者が通勤により負傷し、又は疾病にかかり、なおつたとき身体に障害が存する場合に、当該労働者に対し、その請求に基づいて行なう。

第二十二条の四 遺族給付は、労働者が通勤により死亡した場合に、当該労働者の遺族に対し、その請求に基づいて行なう。

第二十二条の五 葬祭給付は、労働者が通勤により死亡した場合に、葬祭を行なう者に対し、その請求に基づいて行なう。

第二十三条 傷病年金は、通勤により負傷し、療養の開始後一年六箇月を経過した日において負傷又は疾病が治っていない場合に、その請求に基づいて行なう。

第二十四条 介護給付は、障害年金又は傷病年金を受ける権利を有する労働者が、常時又は随時介護を要する状態にあり、当該介護を受けている間、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。

第二十六条 二次健康診断等給付は、労働安全衛生法において、血圧検査、血液検査その他業務上の事由による脳血管疾患及び心臓疾患の発生にかかわる身体の状態に関する検査であって、厚生労働省令で定めるものが行われた場合において、当該検査を受けた労働者がそのいずれの項目にも異常の所見があると診断されたときに、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。
② 二次健康診断等給付の範囲は、次のとおりとする。
一 脳血管及び心臓の状態を把握するために必要な検査であって厚生労働省令で定めるものを行う医師による健康診断
二次健康診断等給付は、労働安全衛生法に基づく定期健康診断等のうち、直近のもの(以下「一次健康診断」といいます。)において、「過労死」等に関連する血圧の測定等の項目について異常の所見が認められる場合に、労働者の請求に基づき、二次健康診断等給付として二次健康診断及び特定保健指導を給付します。

第三十条 労働者災害補償保険事業に要する費用にあてるため政府が徴収する保険料については、徴収法の定めるところによる。

第三十八条 保険給付に関する決定に不服のある者は、労働者災害補償保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。

第四十七条の二 行政庁は、保険給付に関して必要があると認めるときは、保険給付を受け、又は受けようとする者(遺族補償年金、複数事業労働者遺族年金又は遺族年金の額の算定の基礎となる者を含む。)に対し、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる。

(つづく)A.K

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