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キャリコンサルタント国家試験合格 21-4  I  テクノファ

投稿日:2020年12月7日 更新日:

― 過去問勉強 その3-4(最終) 労働法規 ―

ここまで説明してきたように、国家試験機関「キャリアコンサルティング協議会」は、平成30年3月の厚生労働省の見直しに合わせて「キャリアコンサルタント試験の出題範囲」を改定しました。
新「キャリアコンサルタント試験の出題範囲(キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目)」の適用は、2020年度(令和2)からの試験となっています。

過去問ではいろいろな法律の理解が問われます。キャリアコンサルタントを目指す方は法律を理解するに、まず(目的)第1条又はそれに準じる条文を読んでおくことが必要です。併せて、第2条以下の概要を把握しておきましょう。

【問 う】
労働保険、社会保険に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1.労働者災害補償保険は、業務災害と二次健康診断等給付のみを給付対象としている。
2.雇用保険は、失業に対する給付のみを対象としている。
3.健康保険は、傷病に対する給付だけでなく、出産、死亡に関する給付も行っている。
4.厚生年金保険は、日本国内に住所を有する20歳以上の者のみが加入する。

【正解 3】

【解説】
1.誤り
保険の給付の対象は、労働者災害補償保険法第7条にその規定がある。その給付対象は、①労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡(「業務災害」 という。)に関する給付、②労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡(「通勤災害」という。)に関する給付、③二次健康診断等給付、となっている。

2.誤り
雇用保険法では、第十条に、失業等給付は、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付及び雇用継続給付とする、と規定されている。
また、求職者給付には基本手当、技能習得手当、寄宿手当、傷病手当があり、雇用継続給付には、高年齢雇用継続基本給付金及び高年齢再就職給付金、育児休業給付金、介護休業給付金がある。

3.正解
健康保険法 52条に規定がある。

4.誤り
厚生年金保険法では、20歳未満の者であっても被保険者となる。(9条で70歳未満)

この問には、労災保険法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法が出てきます。

前回までに、労災保険法、雇用保険法、健康保険法を勉強しましたので、キャリアコンサルタントを目指す方は、ここでは厚生年金保険法を勉強します。

【厚生年金保険法】
(この法律の目的)
第一条 この法律は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。

(管掌)
第二条 厚生年金保険は、政府が、管掌する。

(年金額の改定)
第二条の二 この法律による年金たる保険給付の額は、国民の生活水準、賃金その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに改定の措置が講ぜられなければならない。

(財政の均衡)
第二条の三 厚生年金保険事業の財政は、長期的にその均衡が保たれたものでなければならず、著しくその均衡を失すると見込まれる場合には、速やかに所要の措置が講ぜられなければならない。

(財政の現況及び見通しの作成)
第二条の四 政府は、少なくとも五年ごとに、保険料及び国庫負担の額並びにこの法律による保険給付に要する費用の額その他の厚生年金保険事業の財政に係る収支についてその現況及び財政均衡期間における見通しを作成しなければならない。

(用語の定義)
第三条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 保険料納付済期間 国民年金法第五条第一項に規定する保険料納付済期間をいう。
二 保険料免除期間 国民年金法第五条第二項に規定する保険料免除期間をいう。
三 報酬 賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受ける全てのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
四 賞与 賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受ける全てのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。

(適用事業所)
第六条 次の各号のいずれかに該当する事業所若しくは事務所
一 次に掲げる事業の事業所又は事務所であって、常時五人以上の従業員を使用するもの

2 前項の認可を受けようとするときは、当該事業所の事業主は、当該事業所に使用される者の四分の三以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない。

(被保険者)
第九条 適用事業所に使用される七十歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする。

(資格取得の時期)
第十三条 被保険者は、適用事業所に使用されるに至った日に、被保険者の資格を取得する。

(資格喪失の時期)
第十四条 被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日に、被保険者の資格を喪失する。
一 死亡したとき。
二 その事業所が使用されなくなったとき。

(標準報酬月額)
第二十条 標準報酬月額は、被保険者の報酬月額に基づき、次の等級区分(次項の規定により等級区分の改定が行われたときは、改定後の等級区分)によって定める。

(現物給与の価額)
第二十五条 報酬又は賞与の全部又は一部が、通貨以外のもので支払われる場合においては、その価額は、その地方の時価によって、厚生労働大臣が定める。

(届出)
第二十七条 適用事業所の事業主は、被保険者の資格の取得及び喪失並びに報酬月額及び賞与額に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。

(記録)
第二十八条 実施機関は、被保険者に関する原簿を備え、これに被保険者の氏名、資格の取得及び喪失の年月日、標準報酬、基礎年金番号その他主務省令で定める事項を記録しなければならない。

(保険給付の種類)
第三十二条 この法律による保険給付は、次のとおりとし、政府及び実施機関が行う。
一 老齢厚生年金
二 障害厚生年金及び障害手当金
三 遺族厚生年金

(裁定)
第三十三条 保険給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、実施機関が裁定する。

(調整期間)
第三十四条 政府は、厚生年金保険事業の財政が、その均衡を保つことができないと見込まれる場合には、保険給付の額を調整するものとし、政令で、保険給付の額を調整する期間の開始年度を定めるものとする。

(受給権者)
第四十二条 老齢厚生年金は、被保険者期間を有する者が、次の各号のいずれにも該当するに至つたときに、その者に支給する。
一 六十五歳以上であること。
二 保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が十年以上であること。

(年金額)
第四十三条 老齢厚生年金の額は、被保険者であつた全期間の平均標準報酬額を乗じて得た額の総額を、当該被保険者期間の月数で除して得た額をいう。

(再評価率の改定等)
第四十三条の二 再評価率については、毎年度、「物価変動率」に「名目手取り賃金変動率」を基準として改定し、当該年度の四月以降の保険給付について適用する。

(加給年金額)
第四十四条 老齢厚生年金の額は、受給権者がその権利を取得した当時その者によって生計を維持していたその者の六十五歳未満の配偶者又は子があるときは、加給年金額を加算した額とする。

(支給の繰下げ)
第四十四条の三 老齢厚生年金の受給権を有する者であってその受給権を取得した日から起算して一年を経過した前に当該老齢厚生年金を請求していなかつたものは、実施機関に当該老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができる。

(失権)
第四十五条 老齢厚生年金の受給権は、受給権者が死亡したときは、消滅する。

(支給停止)
第四十六条 老齢厚生年金の受給権者が被保険者である日、国会議員若しくは地方公共団体の議会の議員である日又は七十歳以上の使用される者である日が属する月において、その者の標準報酬月額とその月以前の一年間の標準賞与額の総額を十二で除して得た額とを合算して得た額(については、その者の標準報酬月額に相当する額の支給を停止するものとする。

(障害厚生年金の受給権者)
第四十七条 障害厚生年金は、疾病にかかり、又は負傷し、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病につき初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日において被保険者であつた者が、当該初診日から起算して一年六月を経過した日があるときは、受給権が生じる。

(障害厚生年金の額)
第五十条 障害厚生年金の額は、規定の例により計算した額とする。この場合において、当該障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が三百に満たないときは、これを三百とする。

(障害手当金の受給権者)
第五十五条 障害手当金は、疾病にかかり、又は負傷し、その傷病に係る初診日において被保険者であつた者に支給する。

(受給権者)
第五十八条 遺族厚生年金は、被保険者又は被保険者であつた者が次の各号のいずれかに該当する場合に、その者の遺族に支給する。

(遺族)
第五十九条 遺族厚生年金を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であつた者の配偶者、子、父母、孫又は祖父母である。

(年金額)
第六十条 遺族厚生年金の額は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額とする。

(当事者等への情報の提供等)
第七十八条の四 当事者又はその一方は、実施機関に対し、主務省令で定めるところにより、標準報酬改定請求を行うために必要な情報であって次項に規定するものの提供を請求することができる。

(運用の目的)
第七十九条の二 積立金の運用は、積立金が厚生年金保険の被保険者から徴収された保険料の一部であり、かつ、将来の保険給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、専ら厚生年金保険の被保険者の利益のために、長期的な観点から、安全かつ効率的に行うことにより、将来にわたって、厚生年金保険事業の運営の安定に資することを目的として行うものとする。

(運用職員の責務)
第七十九条の十 積立金の運用に係る行政事務に従事する厚生労働省、財務省、総務省及び文部科学省の職員は、積立金の運用の目的に沿って、慎重かつ細心の注意を払い、全力を挙げてその職務を遂行しなければならない。

(保険料)
第八十一条 政府等は、厚生年金保険事業に要する費用に充てるため、保険料を徴収する。

(保険料の負担及び納付義務)
第八十二条 被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料の半額を負担する。

(保険料の源泉控除)
第八十四条 事業主は、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料を報酬から控除することができる。

(審査請求及び再審査請求)
第九十条 厚生労働大臣による被保険者の資格、標準報酬又は保険給付に関する処分に不服がある者は、社会保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服がある者は、社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる。

(事業主の事務)
第九十九条 厚生年金保険の施行に必要な事務は、厚生労働省令の定めるところにより、その一部を事業主に行わせることができる。
(つづく)平林良人

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