国家試験 未分類

キャリアコンサルタント国家試験合格 30-2 | テクノファ

投稿日:2021年1月11日 更新日:

国家試験機関「キャリアコンサルティング協議会」は、平成30年3月の厚生労働省の見直しに合わせて「キャリアコンサルタント試験の出題範囲」を改定しました。
新「キャリアコンサルタント試験の出題範囲(キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目)」の適用は、2020年度(令和2)からの試験となっています。
ここでは、新「キャリアコンサルタント試験の出題範囲(キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目)」に焦点を合わせて、分野ごとに過去問を中心に勉強をしていきたいと思います。
キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目6」には次のとおり書かれています。

6 労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識
次に掲げる労働者の雇用や福祉を取り巻く各種の法律・制度に関し、キャリア形成との関連において、その目的、概念、内容、動向、課題、関係機関等について一般的な知識を有すること。
① 労働関係法規及びこれらに基づく労働政策
ア 労働基準関係
労働基準法、労働契約法、労働時間等設定改善法、労働安全衛生法
イ 女性関係
男女雇用機会均等法、女性活躍推進法、パートタイム労働法(パートタイム・有期雇用労働法)
ウ 育児・介護休業関係
育児・介護休業法
エ 職業安定関係
労働施策総合推進法(旧:雇用対策法)、職業安定法、若者雇用促進法、労働者派遣法、高年齢者雇用安定法、障害者雇用促進法
オ 職業能力開発関係
職業能力開発促進法
カ その他の労働関係法令

② 年金、社会保険等に関する社会保障制度等
・厚生年金
・国民年金
・労災保険
・雇用保険
・健康保険
・介護保険 等

多くの【問】では、次の法令に関する名称は略語を使用しています。
・個人情報の保護に関する法律 : 個人情報保護法
・高年齢者等の雇用の安定等に関する法律 : 高年齢者雇用安定法
・個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律:個別労働関係紛争解決促進法
・障害者の雇用の促進等に関する法律:障害者雇用促進法
・雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 : 男女雇用機会均等法
・労働者災害補償保険法:労災保険法
・労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 : 労働者派遣法
・青少年の雇用の促進等に関する法律 : 若者雇用促進法

【問 か】
労働関係法令に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.男女雇用機会均等法では、労働者の募集及び採用について性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。
2.個別労働関係紛争解決促進法では、労働組合と事業主との間の紛争も対象としている。
3.労働基準法では、1日の労働時間が16時間を超える場合、使用者は、労働時間の途中に2時間以上の休憩を付与する義務を負うとされている。
4.労働基準法では、労働者・使用者の合意があれば労働基準法を下回る労働条件を設定することも許される。

【正解】1

【解説】

1.正しい
男女雇用機会均等法は,その第5条で事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならないと規定している。

2.誤り
個別労働関係紛争解決促進法は、労働者と事業主との個別案件をあっせん制度で迅速に解決することを目的としており、労働組合と事業主の紛争などは制度の対象としていない。

3.誤り
労働基準法は、休憩に関してその第34条で使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならないとだけ規定している。

4.誤り
労働基準法は、その第13条でこの法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準によると規定している。また労働基準法はその第一条で労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならないとして、この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならないとも規定している。

過去問ではいろいろな法律の理解が問われます。法律を理解するには、まず(目的)又はそれに準じる第1条を読んでおくことが必要です。併せて、第2条以下の概要を把握しておきましょう。

この問いには、男女雇用機会均等法、個別労働関係紛争解決促進法、労働基準法が出てきます。
キャリアコンサルタントキャリアコンサルタントを目指す方は、ここでは【男女雇用機会均等法】を勉強すると良いと思います。

【男女雇用機会均等法】
(目的)
第一条 この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのっとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。

(性別を理由とする差別の禁止)
第六条 事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。
一 労働者の配置、昇進、降格及び教育訓練
二 住宅資金の貸付け
三 労働者の職種及び雇用形態の変更
四 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新

(性別以外の事由を要件とする措置)
第七条 事業主は、募集及び採用にあって労働者の性別以外の事由を要件とするものについては、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。

(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)
第九条 事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならない。
妊娠中の女性労働者及び出産後一年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。

(職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置等)
第十一条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

(妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置)
第十二条 事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、その雇用する女性労働者が母子保健法(昭和四十年法律第百四十一号)の規定による保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならない。

(男女雇用機会均等推進者)
第十三条の二 事業主は、職場における男女の均等な機会及び待遇の確保が図られるようにするために講ずべきその他の措置の適切かつ有効な実施を図るための業務を担当する者を選任するように努めなければならない。

(苦情の自主的解決)
第十五条 事業主は、労働者から苦情の申出を受けたときは、苦情処理機関に対し当該苦情の処理をゆだねる等その自主的な解決を図るように努めなければならない。

(紛争の解決の援助)
第十七条 都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。

(調停)
第十九条 調停は、三人の調停委員が行う。

(時効の完成猶予)
第二十四条 調停が打ち切られた場合において、通知を受けた日から三十日以内に調停の目的となった請求について訴えを提起したときは、時効の完成猶予に関しては、調停の申請の時に、訴えの提起があつたものとみなす。

(訴訟手続の中止)
第二十五条 民事上の紛争であるものについて関係当事者間に訴訟が係属する場合において、関係当事者の共同の申立てがあるときは、受訴裁判所は、四月以内の期間を定めて訴訟手続を中止する旨の決定をすることができる。

(資料提供の要求等)
第二十六条 委員会は、当該委員会に係属している事件の解決のために必要があると認めるときは、関係行政庁に対し、資料の提供その他必要な協力を求めることができる。

(調査等)
第二十八条 厚生労働大臣は、男性労働者及び女性労働者のそれぞれの職業生活に関し必要な調査研究を実施するものとする。

(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告)
第二十九条 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。

(公表)
第三十条 厚生労働大臣は、規定に違反している事業主に対し、前条第一項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

(適用除外)
第三十二条 国家公務員及び地方公務員に、第二節 事業主の講ずべき措置等第十一条、十二条、十三条(第十三条の二を除く。)の規定は、一般職の国家公務員、裁判所職員、国会職員及び自衛隊員に関しては適用しない。

第三十三条 第二十九条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の過料に処する。
(つづく)A.K

-国家試験, 未分類

執筆者:

関連記事

経営不振により解雇せざるを得ない場合 | テクノファ

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について説明していますが、今回は労働者の雇用、労働契約に関連する知識、資料などについて、前回の続きから説明します。 3 整理解雇 使用者が、不況や経営不振などの理由により、解雇せざるを得ない場合に人員削減のために行う解雇を整理解雇といいます。これは使用者側の事情による解雇ですから、次の事項に照らして整理解雇が有効かどうか厳しく判断されます。 ・人員削減の必要性 人員削減措置の実施が不況、経営不振などによる企業経営上の十分な必要性に基づいていること ・解雇回避の努力 配置転換、希望退職者の募集など他の手段によって …

職場体験・インターンシップ実施状況|テクノファ

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について説明していますが、今回は前回に続き学校教育制度とキャリア教育に関連する知識、資料として、学校教育に関する統計調査について説明します。 ■職場体験・インターンシップ実施状況等結果 先の回で掲載した、国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センターの活動の中で説明しましたが、キャリア教育の推進は重要な教育政策課題の一つとされ中学校での職場体験活動や高等学校でのインターンシップ(就業体験活動)の充実は常に中心的な課題でした。このような職場体験活動・インターンシップの重要性に鑑み、国立教育政策研究所生徒指導研 …

社会保障に関して必要な知識など | テクノファ

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について、社会保障に関して必要な知識、資料などについて前回の続きから説明します。 ■介護保険の保険者と財政 介護保険の保険者は、市町村と特別区 (広域連合を設置している場合は広域連合) になります。 介護保険者は、介護サービス費用の9割 (8割) を給付するとともに、第1号被保険者の保険料を徴収し、介護保険財政を運営しています。財源は公費5割、保険料5割とされています。 ■要介護(要支援)認定者数は、令和3年3月に暫定で681.8万人で、うち男性が216.0万人、女性が465.8万人となっている。 社会保障制度 …

キャリアコンサルタント国家試験合格  103 | テクノファ

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りのある働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたをかなえる制度・施策が整備されてきていること、 その制度施策に基づく具体的な支援情報を、支援を必要としている人や支援する側の立場の人・組織に周知するサイトがあること、働きかた改革を推進するためには働く人のキャリア形成支援も重要であることから、キャリア形成支援におけるキャリアコンサルティングの役割が重視され、キャリアコンサルティングの質の向上や、キャリアコンサルタントの能力向上が図られていることなど、今まで主として働きかた改革に関連した事項を中心に説明してきました。 今回からは、キャリア …

キャリアコンサルタント国家試験合格 57 | テクノファ

2018年6月に可決、成立し7月に法律公布、改正された働き方改革関連法は順次施行されています。キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティング業務を行う上でかかわりがある法律の改正を伴うものです。この法律は多くの法律に関連していますが、キャリアコンサルタントが知っているべき主要な労働に関する8つの法律についての主な改正点は次のようになります。 1.第一条 労働基準法関係 ・フレックスタイム制の拡充 ・時間外労働の上限規制 ・年5日の年次有給休暇の確実な取得 ・高度プロフェッショナル制度の創設 ・月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率引上げ ・労働条件の明示の方法 ・過半数代表者の選任 2. …