実践編・応用編

キャリアコンサルタント実践の要領 36 | テクノファ

投稿日:2021年2月2日 更新日:

活躍しているキャリアコンサルタントからの近況や情報などを発信いたします。今回はM.Iさんです。

「フィードバックの効果」
キャリアコンサルタントとして自分のことを話してみるグループワークを実施しています。一番の機会は、就職活動中の方々対象の「就活セミナー」です。私は就職活動で結果を出すためのポイントは「自己理解の質」にあると思っていますし、採用面接やグループディスカッションでも、きちんと自分のことを言葉にしていく場面があります。

最近では、経営者や管理職、総務人事関係の方々向けのキャリア開発支援のための研修でも「自己理解」と「自分のことを話す」ワークを体験していただくことが多く、体験する中で新たな発見や気づきを得ていただける場面もあります。

人は「自分のことを話す」ことで、自らを見つめ直すことにもなり、適切な自己表現の訓練にもなっていきます。そして、ワークでの体験が、より深く本人にとっての新しい可能性への気づきにもつながっていくために欠かせない要素としてほかの参加者からの【フィードバック】があります。

フィードバックは、話し手にとっては、自分の話の伝わり方を確認したり、自分の本当の気持ち・価値観に気づいたり、自分自身に気づいたりできる効果があります。また、聞き手にとっては、フィードバックする体験を通して、自分の感情の表し方や聴くことの練習にもなり、自分の自己表現の傾向にも気づくことにつながるようです。
さらに双方にとって、お互いの「違い」に気づくことになりますし、相互理解が深まり、人間関係を作っていく上で大きなステップにもなっていきます。

このように、重要なフィードバックではありますが、実際にグループワークで実践していただくと、「難しい」「どうすればいいかわからない」など戸惑いを感じる方が多くいらっしゃいます。
初めて体験する方にとっては難しさを感じることが多いです。適切なフィードバックができるようになるためにはグループワークを何回も体験して練習することが一番なのですが、いくつかコツがあると思っています。

それは
1)話し手が言いたいことは何か、わかろうとするように聴く
2)話し手の感情に集中し、場面を想像しながら聴く
3)自分が感じたこと、理解したことを、自分の言葉でまとめる
4)自分の気持ちを率直に伝えてみる

といったものです。このようなことを意識しながら、繰り返し体験していくことでフィードバックする力が身に付きます。
さらに自分の言葉でフィードバックできるようになると、信頼関係づくりにもつながっていきます。講座参加者の方々には、以上のようなことを伝えながらフィードバックすることを試していただいています。

また、キャリアコンサルタントとして私が実施しているカウンセラーの方々向けの勉強会では、フィードバックの中でも特にパラフレージングについて演習して頂く場面を設け、言葉の選び方や感じたことの伝え方を学び合っていくようにしています。クライエントの言葉から感じたこと、理解したことを、カウンセラーが自分の言葉で伝え返すことは、クライエントの自己理解を深め、課題解決に向けて進んでいくためには欠かせないことです。

以上のように、人と関わる場面で大切な【フィードバック】について、今後もキャリアコンサルタントとして多くの方々に伝えていき、仕事や生活の中で活用していただけるよう広げていきたいと考えています。
(つづく)K.I編集

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