前回に続きキャリアコンサルタントに向けて2級キャリアコンサルティング技能検定の概要について、受検資格や、その手続きについて説明します。
■実技・学科いずれかの受検も可
キャリアコンサルタントを目指す方は学科試験、実技試験どちらか一方の受検は可能ですが、学科試験、 実技試験にそれぞれ合格したときのみ2級キャリアコンサルティング技能士と称することができます。
実技試験は論述試験と面接試験両方受検し、いずれとも合格点(60点)に達しなければなりません。合格点(60点)にどちらかが達したとしても、もう一方が未達の場合は、次回もう一度、両方を受検しなければなりません。
検定試験は、年度内2回(春と秋)行われる予定になっており、翌年度計画は、毎年3月末までに検定HPの「受検案内」に発表されます。
■2級キャリアコンサルティング技能検定の試験科目とその範囲
試験区分 | 出題形式 | 問題数 | 合格基準 | 試験時間 | 受検手数料 | |
学科試験
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筆記試験(四肢択一のマークシート方式による解答) | 50問 | 100分 | 100点満点で70点以上の得点 | 8,900円(非課税) | |
実技試験
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論述 | 記述式による解答 | 1ケース | 60分 | 100点満点で60点以上の得点 | 29,900円 (非課税) |
面接 | ①ロールプレイ (受検者がキャリアコンサルタント役となり、相談を行う。ケース内容および試験実施の概要については、受検票に記載。)②口頭試問 (自らの相談について試験官からの質問に答える) |
1ケース | 30分(ロールプレイ20分、口頭試問10分) | 100点満点で60点以上の得点
※評価区分ごとに満点の60%以上の得点(所要点)が必要。 |
※学科試験と実技(論述)試験は同日、同会場で行います。
【出典】:「2級キャリアコンサルティング技能検定受検案内」
■試験会場は7つの主要都市が主体
学科試験と実技試験が行われる場合は、学科試験と実技(論述のみ)試験は、同日、同会場で行われます。
札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の主要都市を主体に回によって決まった地区で実施されています。
■2級キャリアコンサルティング技能検定の試験科目とその範囲
2級キャリアコンサルティング検定試験の合格に必要な技能と、これに関する知識は次のとおり。(2020年度からの出題範囲)
試験科目 | その範囲 |
学科試験
Ⅰ キャリアコンサルタントの社会的意義 |
1 社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解
2 キャリアコンサルタントの役割の理解 |
Ⅱ キャリアコンサルティングを行うために必要な知識 | 1 キャリアに関する理論
2 カウンセリングに関する理論 3 職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識 4 企業におけるキャリア形成支援の知識 5 労働市場の知識 6 労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識 7 学校教育制度及びキャリア教育の知識 8 メンタルヘルスの知識 9 中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の知識 10 人生の転機の知識 11 個人の多様な特性の知識 |
Ⅲ キャリアコンサルティングを行うために必要な技能 | 1 基本的な技能
2 相談過程において必要な技能 |
Ⅳ キャリアコンサルタントの倫理と行動 | 1 キャリア形成及びキャリアコンサルティングに関する教育並びに普及活動
2 環境への働きかけの認識及び実践 3 ネットワークの認識及び実践 4 自己研鑽及びキャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識 5 キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢 |
実技試験
キャリアコンサルティング作業 Ⅰ キャリアコンサルティングを行うために必要な技能 |
1 基本的技能
2 相談過程において必要な技能 |
【出典】「キャリアコンサルティング協議会ホームページ受験概要」
■合否通知は試験終了後2カ月ころ
合否通知は、検定試験がすべて終わった後、およそ2カ月後に受検申請書に記載された送付先住所へ郵送されます。また、同時に検定のホームページにも受検番号で掲載されます。
■試験が免除されるケースとは
学科試験あるいは実技試験のどちらか一部合格者は、次回受検の際に、合格した試験が免除されます。一部合格による次回試験免除の適用を受ける場合は、受検申請の際に「一部合格番号」が必要となりますので、合格通知を保管しておいてください。
なお、一部免除の適用期間は、合格した学科試験もしくは実技試験の試験日の翌々年度末(3月末日)までに行われる検定試験までとなっています。
■出題範囲に関わる「法令基準日」とは
試験問題の出題は、試験年度の4月1日時点ですでに施行(法令の効力発効)されている法令等に基づいています。また、試験範囲に含まれている時事的問題など、キャリアコンサルタントに関連するものとして知っておくべき知識・情報については、基準日に関わらず出題される可能性があるので、注意が必要です。
■受検申請手続きについて
受検申請には、Web申請と郵送申請の2種類の申請方法が用意されています。また受検申請には「個人申し込み」と 「団体申し込み」の2つがあり、団体申し込みは、法人格を有する団体で、2人以上で申し込みをする場合に限られます。
団体申し込みの場合は郵送申請を利用します。申請書類等はキャリアコンサルティング技能検定検定センターHPで確認してください。
(つづく)A.K