前回、前々回と2回にわたってキャリコンサルタントを目指す方に2級コンサルティング国家試験の情報をお伝えしてきました。
今回はそもそも技能検定とはどのような制度であるかについてお話しします。
■技能検定のあらましと試験実施団体
技能検定とは、労働者の持っている技能の程度を検定して、これを公証する国家検定制度です。働く人々の技能と地位の向上を図ることを目的として、職業能力開発法に基づいて実施されます。「キャリアコンサルティング」職種については、2008年2月27日付けの政令改正に続き、同年2月29日付けの省令改正によって、技能検定試験の対象職種となりました。これを受けて、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会がキャリアコンサルティング職種の指定試験機関として平成20年9月に厚生労働大臣から指定を受けて試験を実施しています。
■合格すると「技能士」の称号が与えられる
学科試験と実技試験(論述試験・面接試験)が行われます。それぞれ合否判定を行い、学科試験と実技試験の両方に合格すると試験等級 (1級と2級)に応じて合格証書が発行され、「キャリアコンサルティング技能士」の称号が付与されます。学科試験あるいは実技試験、いずれかの合格者には、一部合格証書が発行されます。この一部合格者については、合格した試験日の翌々年度末までに行われる試験に限り、一部合格証書が有効となる(試験免除制度)仕組みになっています。したがって再度受検する場合は、不合格となった試験(学科試験もしくは実技試験)のみを受ければよいことになります。これは、2級、1級の両方に共通します。
■試験の合否判定基準とは
学科試験は1級、2級それぞれ満点の70%以上の得点があれば合格となります。実技試験については、論述試験と面接試験両方について、それぞれ満点の60%以上の得点があれば合格です。ただし、面接試験について、全体で60%以上の得点があっても、そのうちの評価項目のいずれかひとつでも60%未満がつくと不合格になります。
■ACNとは
キャリコンサルタントの集まりであるACNには国家試験に関するいろいろな情報があります。
2016年4月から「キャリコンサルタント」は国家資格となり、かつ名称独占になり、キャリアコンサルティング技能士は登録することで「キャリコンサルタント」を名乗ることができることを先に説明しましたが、キャリコンサルタントの活動をサポートする一般財団法人ACCNが設立されていますので、ACCNの概要について、一般財団法人ACCN のホームページより抜粋して下記します。
ACCNは、多くのキャリコンサルタントの活動をいろいろな面からサポートすることを通して、志を持った全てのキャリアコンサルタントとともに社会の課題に向き合っていく団体です。
・法人の目的
当法人は、キャリコンサルタントの品位と資質を高め、実践の場を拡大することによってキャリコンサルタントの社会的価値をより確かなものとし、人々が学びあう社会の実現に寄与することを目的とする。
・事業内容
上記の目的に資するために次の事業を行う
試行と実践 / 資質向上 / 普及啓発 / 倫理啓発 / 調査研究 / 相互扶助
*技能検定試験対策、キャリコンサルタント試験対策に関わる事業は行わないものとする
・入会条件
-個人会員
キャリコンサルタントであること。
-法人会員(正会員)
養成講習(キャリコンサルタント試験の受験要件を満たす講習として厚生労働大臣が認定した講習)を実施している団
体、更新講習(キャリコンサルタントの登録の更新を受けるための講習として厚生労働大臣が指定した講習)を実施し
ている団体及びキャリアコンサルティング関連の学会等で本会の目的及び事業に賛同して入会した団体
-法人会員(協賛会員)
法人会員(正会員)の区分に該当しない団体で、本会の目的及び事業に賛同して入会した団体
・入会すると受けられるサービスほか
-会員の活動をサポートするサービスACTIVITY SUPPORT(アクティビティサポート)
ACCNテーブル活動
支部活動への参加
-全会員対象のサービス「Value Support(バリューサポート)」
会員限定継続学習支援サービス
会員限定動画
キャリコンサルタント専用団体保険への加入
各種情報配信
講座・書籍の割引
(つづく)Y.H