実践編・応用編

キャリアコンサルタント実践の要領 38 | テクノファ

投稿日:

今回もキャリアコンサルタントとしての活躍している方からの近況や情報などをお伝えします。

「フィードバックの効果」
私はキャリアコンサルタントとして様々な講座で「自分のことを話してみる」グループワークを実施しています。

一番の機会は、就職活動中の方々対象の「就活セミナー」です。私は就職活動で結果を出すためのポイントは「自己理解の質」にあると思っていますし、採用面接やグループディスカッションでも、きちんと自分のことを言葉にしていく場面があります。

最近では、経営者や管理職、総務人事関係の方々向けのキャリア開発支援のための研修でも「自己理解」と「自分のことを話す」ワークを体験していただくことが多く、キャリアコンサルタントとして体験する中で新たな発見や気づきを得ていただける場面もあります。

人は「自分のことを話す」ことで、自らを見つめ直すことにもなり、適切な自己表現の訓練にもなっていきます。そして、ワークでの体験が、より深く本人にとっての新しい可能性への気づきにもつながっていくために、キャリアコンサルタントの知っているべき要素として、ほかの参加者からの【フィードバック】があります。

フィードバックは、話し手にとっては、自分の話の伝わり方を確認したり、自分の本当の気持ち・価値観に気づいたり、自分自身に気づいたりできる効果があります。
また、聞き手にとっては、フィードバックする体験を通して、自分の感情の表し方や聴くことの練習にもなり、自分の自己表現の傾向にも気づくことにつながるようです。

さらに双方にとって、お互いの「違い」に気づくことになりますし、相互理解が深まり、人間関係を作っていく上で大きなステップにもなっていきます。このように、重要なフィードバックではありますが、実際にグループワークで実践していただくと、「難しい」「どうすればいいかわからない」など戸惑いを感じる方が多くいらっしゃいます。

初めて体験する方にとっては難しさを感じることが多いです。適切なフィードバックができるようになるためには、グループワークを何回も体験して練習することが一番なのですが、キャリアコンサルタントにとっていくつかコツがあると思っています。
それは:
1)話し手が言いたいことは何か、わかろうとするように聴く
2)話し手の感情に集中し、場面を想像しながら聴く
3)自分が感じたこと、理解したことを、自分の言葉でまとめる
4)自分の気持ちを率直に伝えてみる
といったものです。

キャリアコンサルタントはこのようなことを意識しながら、繰り返し体験していくことでフィードバックする力が身に付きます。さらに自分の言葉でフィードバックできるようになると、信頼関係づくりにもつながっていきます。講座参加者の方々には、以上のようなことを伝えながらフィードバックすることを試していただいています。

また、私が実施しているカウンセラーの方々向けの勉強会では、フィードバックの中でも特にパラフレージングについて演習して頂く場面を設け、言葉の選び方や

感じたことの伝え方を学び合っていくようにしています。キャリアコンサルタントとして、クライエントの言葉から感じたこと、理解したことを、自分の言葉で伝え返すことは、クライエントの自己理解を深め、課題解決に向けて進んでいくためには欠かせないことです。

以上のように、人と関わる場面で大切な【フィードバック】について、今後もキャリアコンサルタントの多くの方々に伝えていき、仕事や生活の中で活用していただけるよう広げていきたいと考えています。

(つづく)I.K編集

 

-実践編・応用編

執筆者:

関連記事

キャリアコンサルタント養成講座12 I テクノファ

生活保護受給者および生活困窮者への「就労支援」について 今回は「地方自治体やハローワーク」で行われている「生活保護受給者むけ就労支援」と「生活困窮者むけ就労支援」ついてご紹介したい、と思います。現在、我が国では様々な理由から生活保護を受けている人が200万人以上いるといわれ、その年代も60歳台が最も多く、次いで70歳台、50歳台が多くなっていて単身者が非常に多いのも特徴とされています。同様に、生活保護受給に至る前の段階の生活困窮者の数ははるかに多く具体的数は把握が困難の為か推定であっても公表されていないようです。こうした生活保護受給者、生活困窮者にはそれぞれに自立に向けた支援法が制定され、就労 …

キャリコンサルタント実践の要領 64 | テクノファ

前回に続きキャリアコンサルティング協議会の、キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業報告書の、スーパービジョンのモデル実施及びアンケート・実施報告書の分析の部分の、アンケート結果を用いたスーパービジョン事例報告から記述します。 ④アンケート結果を用いたスーパービジョン事例報告 スーパービジョンに関する理解を深めるために、スーパービジョンに関係する三者 (相談者とキャリアコンサルタントとスーパーバイザー)のアンケート・報告書の結果を用い、 継続的な対応が行われた事例を一件報告する。 事例作成に際し、まずキャリアコンサルティングが2回行われたケースを抽出し、キャリアコンサルティングの …

キャリアコンサルタント実践の要領 40 | テクノファ

今回はキャリアコンサルタントの実践要領について、2級キャリアコンサルティング技能検定に合格するレベルについて説明します。2級キャリアコンサルティング技能検定は、実務経験があることが受験の条件になっていることからも言えるように、初心者キャリアコンサルタントとは異なり、安定して面接を行うことのできる、熟練者を指しています。キャリアコンサルタントとしての知識習得に加えて、実務訓練と数々の実務経験をこなして、2級の試験に合格できるのです。 ■面接で求められる能力とは 学科試験でキャリアコンサルティングについての知識が問われることは言うまでもありませんが、実際に試験官と対峙する実技(面接)試験(ロールプ …

キャリアコンサルタント実践の要領 164 | テクノファ

このコーナーは、活躍しているキャリアコンサルタントの皆さんからの近況や情報などを発信いたしています。今回はキャリアコンサルタントのS.Sさんからの便りです。 私は昔からラーメンが大好きで、「美味しい店があるよ」と聞けば、たとえ遠くとも食べるためだけにわざわざ出かけて行ったりするほどだ。 ただ、ここ数年は年齢のせいか脂っこいものや味が濃い類のものには食傷気味で、どちらかと言えばサッパリして薄味のものを好むようになってきている。だが、いかに薄味であってもダシが効いていないものは失格だ。というわけで、最近は「昔ながらの中華そば」が食べたいと強く思うようになった。 ラーメンは既に日本独自の食文化として …

うつ病を自覚しないクライエント I テクノファ

前回は本人がうつ病であると自覚して専門医の診断を受けた例を紹介しました。キャリアコンサルタントとしては、ある意味扱いやすい事例だったと思います。しかし、本人もキャリアコンサルタントもうつ病にかかっていることを知らないでいると、コンサルティングで意識せず症状に思わず一歩踏み込んでしまう失敗があります。うつ病は職場の環境や人間関係が引き金になって発症するケースが多いと思いますが、Aさんのようにはっきりとした精神症状を伴わないために、周囲の人も本人もうつ病であることに気付いていないクライアントは数多く存在します。 国内では100人に3~7人の割合でそのようなうつ病が発症していると言われており、一度発 …

2022年5月
« 4月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031