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キャリアコンサルタント国家試験合格 37 | テクノファ

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労働関係法については、キャリアコンサルティング協議会の「キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目6」には次のとおり書かれています。

6 労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識
次に掲げる労働者の雇用や福祉を取り巻く各種の法律・制度に関し、キャリア形成との関連において、その目的、概念、内容、動向、課題、関係機関等について一般的な知識を有すること。

① 労働関係法規及びこれらに基づく労働政策
ア 労働基準関係
労働基準法、労働契約法、労働時間等設定改善法、労働安全衛生法
イ 女性関係
男女雇用機会均等法、女性活躍推進法、パートタイム労働法(パートタイム・有期雇用労働法)
ウ 育児・介護休業関係
育児・介護休業法
エ 職業安定関係
労働施策総合推進法(旧:雇用対策法)、職業安定法、若者雇用促進法、労働者派遣法、高年齢者雇用安定法、障害者雇用促進法
オ 職業能力開発関係
職業能力開発促進法
カ その他の労働関係法令

② 年金、社会保険等に関する社会保障制度等
・厚生年金
・国民年金
・労災保険
・雇用保険
・健康保険
・介護保険 等
 

【問 さ】
学校教育制度キャリア教育に関する次の記載のうち、間違っているものはどれか。
1. キャリア教育は一人ひとりがふさわしいキャリアを形成し、自立していけるよう、必要な意欲や態度や能力等を育てることを目指している。

2. キャリア教育は幼児教育から初等・中等・高等教育段階にいたるまでのあらゆる教育機関において実施されるのみならず、成人も対象としている。

3. キャリア教育に携わる人がキャリア開発の支援であるキャリアカウンセリングを学び、自分自身のキャリア開発に取り組んでいることが求められる。

4. キャリア教育とは、卒業後の進路選択に向けて、どのような職業につきたいか、どのような働き方が望ましいか、という職業選択を勧める教育活動としている。

【正解】4

【解説】
1.正しい
1.の出題文は、中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」に、キャリア教育は、学校教育を構成する理念と方向性を示すものとして、キャリア教育とは何かを説明しているものである。

2.正しい
中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」には、キャリア教育は幼児期の教育や義務教育から高等教育と、体系的に各学校段階で実施されることが重要であることが記述されている。また同答申には、人が,生涯の中で様々な役割を果たす過程で,自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ねが,「キャリア」の意味するところであるとも記されているように、キャリア教育は成人になっても継続するものである。

3.正しい
キャリアカウンセリングに必要な技法、専門的な知識・技能を学ぶだけでなく、自己のキャリアを深めることを継続することが重要である。

4. 誤り
キャリア教育は一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育のことである。

キャリアコンサルタントを目指す方は、この機会に中央教育審議会の答申を読んでみると良いと思います。

【中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(答申)】

  • キャリア教育とは、一人-人の社会的・職業的自立に必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育。キャリア教育は、特定の活動や指導方法に限定されるものではなく、様々な教育活動を通して実践されるものであり、一人一人の発達や社会人・職業人としての自立を促す視点から、学校教育を構成していくための理念と方向性を示すもの。
  • 職業教育とは、一定又は特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態度を育てる教育。

専門的な知識・技能の育成は、学校教育のみで完成するものではなく、生涯学習の観点を踏まえた教育の在り方を考える必要がある。また、社会が大きく変化する時代においては、特定の専門的な知識・技能の育成とともに、多様な職業に対応し得る社会的・職業的自立に向けて必要な基となる能力や態度の育成も重要であり、具体の職業に関する教育を通して育成していくことが有効。

  • キャリア教育と職業教育の基本的方向性。

①幼児期の教育から高等教育まで体系的にキャリア教育を進めること。中心として、基礎的汎用的能力を確実に育成するとともに、社会.職業との関連を重視し、実践的・体験的な活動を充実する。

②学校における職業教育は、基礎的な知識・技能やそれらを活用する能力、仕事への意欲や態度を育成し、専門分野や関連する分野に応用・発展可能な広がりを持つものであること。職業教育においては実践性を重視すること。

③学校は、生涯にわたり社会人・職業人としてのキャリア形成を支援していく機能の充実を図ること。

  • キャリア教育と職業教育の方向性を考える上での重要な視点。

①仕事をすることの意義、幅広い視点から職業の範囲を考えさせる指導を行う。
②社会的・職業的自立や社会・職業への円滑な移行に必要な能力下記5つをつける。

◆基礎的・基本的な知識・技能
社会に出て生活し、仕事をする上でも極めて重要な要素。

◆基礎的・汎用的能力
・人間関係形成・社会形成能力
・自己理解・自己管理能力
・課題対応能力
・キャリアプランニング能力

社会人・職業人に必要な基礎的能力と学校教育で育成する能力との接点を確認し、キャリア教育の視点に取り込むことは、意義がある。具体的内容は、次の③で述べる。

◆論理的思考力、創造力
基礎的な知識・技能や専門的な知識・技能の育成と相互に関連させながら育成することが必要。

◆意欲・態度及び価値観
意欲・態度は、特に初等中等教育の中では重要な課題である、社会で仕事に取り組み、具体的に行動する際に極めて重要な要素で、両者は密接に関連している。
価値観は、勤労観・職業観も含むが能力の育成を通じて、個人の中で時間をかけて形成・確立していく必要がある。

◆専門的な知識・技能
将来の仕事を展望して必要になる専門的知識・技能の育成は重要である。従来企業内教育・訓練での育成が中心だったが、学校教育の中での育成が重要であり、この観点から職業教育の在り方を見直し、充実していく必要がある。

③ 基礎的・汎用的能力
「仕事に就く」という行動をとった際に表れる、人間関係形成・社会形成能力、自己理解・自己管理能力、課題対応能力、キャリアプランニング能力の4つで、独立したものではなく、相互に関連・依存した関係にあるが順序があるものではなく、全員に同じ程度に身に付けることを求めるものではない。
学校においては、この4つの能力を参考にしつつ、個々の課題に沿って実際の能力を設定、工夫された教育による達成が望まれる。

  • 人間関係形成・社会形成能力

多様な他者の考えや立場を理解し意見も聴き、他者に自分の考えを正確に伝えるとともに、自分の置かれた状況を受け止め、役割を果たしつつ協力・協働して社会に参画し、今後の社会を積極的に形成することができる力。

  • 自己理解・自己管理能力

自分ができること、意義を感じること、したいことについて、社会と相互関係を保ちつつ、自分自身の可能性を含めた肯定的な理解に基づき主体的に行動すると同時に、自らの思考や感情を律しながら、今後の成長のために進んで学ぼうとする力。キャリア形成や人間関係形成における基盤となるもの、とりわけ自己理解能力は、生涯にわたり多様なキャリアを形成する過程で常に深めていく必要がある。

  • 課題対応能力

仕事上の様々な課題を発見・分析し、適切に計画を立てて課題を処理し、解決することができる力。

  • キャリアプランニング能力

働くことの意義を理解し、自らが果たすべき様々な立場や役割に関連して働くことを位置付け、多様な生き方から生じる様々な情報を適切に取捨選択・活用し、主体的に判断してキャリアを形成していく力。

  • 各学校段階におけるキャリア教育のポイント

◇幼児期 自発的・主体的な活動を促す。
◇小学校 社会性、自主性・自立性、関心・意欲等を養う。
◇中学校 自らの役割や将来の生き方・働き方等を考えさせ、目標を立て計画的に取り組む態度を育成し、進路の選択・決定に導く。
◇後期中等教育 生涯にわたる多様なキャリア形成に必要な能力や態度を育成し、勤労観・職業観等の価値観を自ら形成・確立する。
◇特別支援教育 個々の障害の状態に応じたきめ細かい指導・支援の下で行う。
◇高等教育 学校から社会・職業への移行を見据え、教育課程の内外での学習や活動を通じ、高等教育全般で充実する。

キャリア形成は一生続くのでそれに必要な力の基盤を学校で作り、社会に出た後も伸長していかなければならない。学校教育においては、基本的な知識・技能や専門的な知識・技能とともに、どのような状況下でも、社会に適応したり、置かれた状況を打破しながら、能力を発揮できる力をつける必要がある。社会的・職業的自立に必要な基盤となる能力、態度を育成することが重要である。

キャリアは、子ども・若者の発達の段階やその発達課題の達成と深くかかわりながら、段階を追って発達していくものであり、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる能力や態度は、このような発達の段階を踏まえながら、育てていくことが必要である。このため、キャリア教育は幼児期の教育や義務教育の段階から取り組んでいくことが必要であり、各学校段階の取組を考えていくことが重要である。

  • キャリア教育・職業教育の充実のための様々な連携

キャリア教育は、一人一人の生き方にかかわり、自己と働くこととの関係付けや価値付けを支援する教育であり、キャリア形成には、一人一人の成長・発達の過程における様々な経験や人との触れ合いなどが総合的にかかわってくる。
キャリア教育には、学校が家庭や地域・社会、企業、経済団体・職能団体などと連携することが不可欠であり、また地域の企業等と連携した職業教育の充実には、地方公共団体等の積極的な対応が求められる。
教員が社会に存在する多くの仕事について実感を持って子供に指導することは困難な場合があるが、地域・社会には、社会人・職業人としての知識や経験の豊富な者がおり、学校の教育活動に参画を得ることが不可欠である。また産業界等と、学校、行政の連携・協力も重要である。

国においては、厚生労働省や、民間主体の組織、経済産業省等の関係府省間での連携・協力を図ることが必要である。

(つづく)A.K

 

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