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キャリア開発支援のためのメールマガジン…vol.58(2017年10月号)…

■□■━━【コラム】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■

 キャリア・カウンセラー便り"藤田恒夫さん"
  ◆このコーナーは、活躍している「キャリア・カウンセラー」からの近況や情報などを発信いたします。◆

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◆「興味で聴くということ」

最近、国家検定キャリアコンサルタントの受験指導を担当させていただく機会があり、受験される方達と話をすると少々困惑することがあります。

過去に出題された論述試験で逐語記録を読んで「どのような教示、助言をするか?」
という設問がありました。
解答の考え方を説明すると、一人の受講生が「教えたり、アドバイスしちゃいけないんですよね」と、確認するように質問されました。

おい、おい、今どき誰がそんなこと教えているのか?それとも以前誤って理解した人から聞きかじったのか?、
いずれにしても、少々驚いたとともに困惑したのを覚えています。

かなり以前はそんなことも当たり前に教えていたという話を聞いたことがありますが、未だそのようなことを耳にすると残念であり、教える立場からすると少々恥ずかしくもあります。

経験もなく判断できる情報もなければ教える必要がありますし、理解できても一歩を踏み出せない人にはアドバイスを必要とする場合があります。

「答えは相談者が持っている」とする前提で内省を促し自己決定をしても、実は情報や知識を充分持ち合わせていなかったら、その支援は罪深いものになってしまうでしょう。

相談者の状態と使うタイミングが重要ということになります。

私が属している生活に困窮する人達の就労支援の現場では「答えは相談者が持っている」という前提でカウンセリングをされても解決に至ることができない場合が珍しく有りません。

新任のカウンセラーで一向に就労が決定できない方がいました。
支援の内容を伺うと、就労意欲を持ってもらうようカウンセリングするのだがなかなか前向きにならないので決定することができないとのこと。
仕事理解が不足しているのなら教える必要が有り、労働環境を誤認していれば修正しなくてはなりません。
自信が無ければ一歩踏み出せるようアドバイスが効果的な場合もあるのです。

私がキャリアカウンセリングを勉強し始めたころ同じ様に「興味で聴くな」と教えられました。
実は最近まで疑わずに面談時の注意事項にしていました。
例えば、刑務所から出所した相談者には私から犯歴については聴きませんし、相談者から話されても、犯罪の内容までは立ち入らないようにしていました。

ある相談者の支援をしたときのことです。相談者は生活保護を受けている男性で、前向きに就労活動をしない方とのことでした。
面談をすると今の状態はたまたま勤めていた会社が倒産しからだと話されていて、大学卒で知的にも問題はないと思われました。

しかし、面談を重ねるといろいろ首をひねることが出てきます。
忘れる、酒臭い、借金する等。ある時相談者が実は警察に厄介になったことがあるとポツっと話されました。
このときは、今の状態にひもづく何かがある気がして、私から更に突っ込んで聴くことにしました。

すると頑張っても仕事を続けることができず、空腹に耐えることができなくなり窃盗を犯したとのことで、この方の生き辛さを感じることができました。

何やら深刻な問題を抱えているようでしたので、飲酒の問題を含み心身の問題について市の担当の方に専門医の確認をお願いしました。

その結果、若い時の事故で脳に後遺症があり、また、アルコール依存性のため治療を優先しなければならないとのことでした。

興味で聴くことが功を奏した事例でしたが。
初任者は関係性に配慮せす脈絡無く聴いてしまうことがあり、その点では留意しなければならないでしょう。
しかし、私は、相談者への興味は常に持って聴く(質問する)ことを躊躇するべきではないと思います。
やがて実践を重ねるごとに微妙な事柄の気づきがしっかりした見立てに繋がっていくからです。

先日、経験の浅いドクター3人が経験豊富なドクターのファシリテーションで難解な症例を解明していく「ドクターG」というタイトルのテレビ番組を見ました。

患者の腹痛の原因が分からず迷走しますが、ファシリテーターのドクターがこんな話をされていましたので紹介します。

「診断に行き詰ったら患者さんに興味を持ち、生活背景を問診により聴き出すことが重要」

とのこと。最後は日常の生活の中での些細な出来事から原因をあぶり出すというもので精密機器を駆使しても突き止められない病気は沢山あるようです。

更にドクターは、そのとき「は行」で聴くことが大切だと付け加えられていました。
患者さんの話に「は~」「ほ~」「へ~」と声に出して頷くことが大切とのこと。
患者さんの話に「しっかり聴いてますよ」「力になりますよ」と言葉にはならないメッセージを送っているように聞こえます。

寄り添い、信頼関係をつくりながら見立てていくことは私たちの仕事に通じるものがあります。
皆さんも使ってみては如何でしょうか。

「は行」の中の「ひ~」「ふ~」は使わないのでしょうか?
   あ!主に産科で使われていましたね。

  おわり


キャリア開発支援のためのメールマガジン…vol.56(2017年8月号)…

■□■━━【コラム】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■

 キャリア・カウンセラー便り"藤田恒夫さん"
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◆事例を振り返って見えること

先月、事例検討を2日間経験する機会がありました。1日はファシリテーターとして、2日目は受講者として研修してきましたが、テーマは就労に前向きに取り組まない生活保護を受けている男性の事例と親の介護をしているが生活困窮に陥ってしまった女性の事例でした。

テーマに取り上げられるだけあってベテラン支援者でも困難な事例であると思います。
困難にしている最も大きな要因は、男性の事例では働くことを諦めてしまい自ら就労を望んで支援を求めて来ていないこと。
女性の場合は既に所持金が僅かで生命の危険から緊急の支援とその後の支援の2段階を要するということでした。二人とも就労を真っ先に着地点に支援できれば良いのですが、その前に様々なハードルがその道を塞いでしまっているようです。

詳細の内容は記載できませんが、これらは困難な事例ですが決して珍しい事例では
ありませんし、個室での面接だけで対応できるものでもありません。

私達が扱う事例が困難な事例とそうではない事例となるのは何がそうさせるのでしょうか?

以前、私が扱った就労支援の事例にこんな方がいました。
60歳代後半の方でしたが就労を希望されて面談に訪れ、話を聴いていくうちに多額の借金があることが分かってきました。
また、持病の疾患があることも分かり突っ込んで聞きますと通院せず放置したうえに症状の発症があるとのこと。
そして、仕事をしようにも借金で携帯電話が止まっていて就労を目指すには大きな障害となっていました。
どうしようか頭を悩ませていると程なくして借金の支払いを求め訴訟を起こされ出廷命令が届く始末。
この状態を把握した時点で、私は困難な事例を覚悟しました。
正直、就労は二の次、三の次、もしかして無理かもしれないと諦めモードになりかけていました。

結論からご紹介すると、この方は初めてお会いしてから2ヶ月ほどで短時間の就労でしたが社会生活をリスタートすることができました。
どのように対応したかですが、訴訟対策は法テラスに誘導して対応を明確化し、持病は以前かかっていた病院の再診療を優先し就労に影響なしとのこと。

携帯は借金返済を計画して実行し、何とか入手に漕ぎ着けました。
これらは私だけではなく担当するケースワーカーや他の関係者の協力を得て始めて完結できたと思います。なんともならなかったのは年齢だけでした。

事例を困難にしている要因を改めて考えてみると、大きく三つあるように思います。

ひとつは関係構築できずに支援を継続してしまっているケース。
二つめはアセスメントが誤っているか不充分のため大切な部分を見落してしまっているケース、三つ目は支援者が方策の引出しを持っていないにも拘らず支援を継続するケースです。

先の事例では、当初この方の働こうとする意欲や素直さといった課題解決に向けて大きな推進力となるストレングスに目を向けていませんでした。

最終的にはそのストレングスを活用して、方策を具体化し、就労まで対応することができました。

「複雑か否か」、「時間を必要とするか否か」は、大きな問題ではないように思えます。

事例を困難にしてしまうのは、キャリアコンサルタント自身が適切なアセスメントができずに先入観や偏った情報で判断していたり、力量を過信して抱え込んでしまうこと等に起因しているのかもしれません。

こんなことがある本に書かれていました。
『分からなかったら最後は本人(クライエント)に聞け!』だそうです。
なるほど!

  おわり


キャリア開発支援のためのメールマガジン…vol.54(2017年6月号)…

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 キャリア・カウンセラー便り"藤田恒夫さん"
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しごとのやりがいとキャリコンのしごとについて

就労支援の仕事をしていると"働くこと"や"やりがい"といった就労の根本を考えさせられることがあります。

私は心身の不調から仕事に就けない方を対象に3日間のトレーニングを年に数回開催しています。
このトレーニングの初日に私は「皆さんの仕事は必ず人の役に立ち、社会は皆さんの仕事を待っているんです。
是非、できる範囲でいいので仕事をして下さい」と話します。
そして、実際に短時間で働かれている事例を幾つかお話すると、皆さん何か気づくものが有るようです。

いまアドラーがブームだそうで書店の心理学のコーナーには沢山の解説書が並んでいます。
その中の永江誠司著「アドラー珠玉の教え」にこんな一節が有りました。
「人が社会に存在する意味はその貢献にある。
私にはこの世に存在する意味が有り、私はこの世に貢献する存在であると思えたとき、ひとは幸福だと感じることができる。」なるほど、自分は役に立っているんだと自覚できれば嬉しいし、その仕事にやりがいも感じることができるかもしれない。

更に、「本人の貢献感を高めるために上司は褒めるのではなく、成果に対する感謝や喜びを伝えることが重要」なのだそうです。

なるほど、上司から上から目線で「よくやった」と言われるより、
「ありがとう、助かったよ」といわれたら、私でもやる気が出るかもしれない。

 自信を無くした人にもう一度働く勇気を持ってもらうためにはお金を稼ぐことの魅力を力説するよりその先にある"役に立てる存在"に気づいてもらうことが効果的なようである。

 3月上旬、まだ肌寒い休日、ある団体の「キャリアコンサルタントの働き方シンポジウム」のお手伝いをしてきました。

参加された方はキャリコンの資格を取られて間もない方やこれからキャリコンの資格を取ろうと考えられている方70名ほどが参加されていました。

言い換えれば、ここに集まった方は対人支援を職業として様々な分野で個人や社会に貢献しようと思われている方達ということです。

私はグループ討議のファシリテーターをやらせて頂き皆さんのお話を伺いました。
そこで感じたことをいくつかまとめてみます。

 様々な悩みが出されていましたが、最も大きな悩みは経験がないため採用されない、働く機会が無いということのようでした。
かつてキャリアコンサルタントは民間資格であったため認知度も低く働く職場も公的な就労支援機関や大学の就職課、企業でも大企業の一部程度でした。

それに比較し現在は、資格は国家資格となりキャリアに関する支援制度が施行され、活躍する場は格段に広がっているように思えます。

しかし、実態はキャリアドック制度は緒についたばかりですし、キャリアコンサルタントには専門性と成果を求められるため未経験者を組織で養成する余裕が無いのが実態のようです。

しかし、見方を変えれば、資格をとったから活躍の場が約束されるなどということのほうがあり得ないことであり、様々な資格を要する仕事を見ても同様であろうと思います。では、初心者が経験を積む場は無いのでしょうか?

そんなことはありません。山のようにあります。

面談スキルを身につけるためには実践での面談経験が必要不可欠です。
そういったスキルが不十分な方には、ボランティアで面談経験を積むことをお勧めします。

老人施設での傾聴ボランティアや障がい者支援、生活困窮世帯の子供を対象とした学習支援、外国人への日本語学習支援など、福祉的側面が強くキャリアやカウンセリングという切り口ではないですが、悩みを聴き、寄り添い、支援する場面は必ず付随して存在します。

企業内ではどうでしょうか。

キャリア相談の機能を有している企業は大企業で50%程度、中小企業では30%と低い水準となっています。
まだまだ活躍する場は少なくこれからキャリアドック制度の普及が期待されますが、キャリアコンサルタントとして環境の好転を待つだけでは心許ない限りです。

環境への働きかけを行なってこそキャリアコンサルタントではないでしょうか。
討論したグループの一人から会社のしかるべき方に提案し、キャリアに関する仕事を開拓してみるとう積極的なお話がありました。

これは単に自身のやりたい仕事を頼んで作るという自己中心的なものではなく、人材の活性化ひいては人事面における重要な経営戦略の一施策であり、社員の中からそんな提案が出る組織こそ経営層が求めるものではないでしょうか。

在籍する会社にはキャリアの関する組織や土壌が無いからと諦めるのではなく、むしろチャンスであると考え、提案することで自身がキャリア支援のオーソリティーを目指して欲しいと思います。

キャリアコンサルタントは様々な問題に悩む相談者と向かい経験を重ねることでスキルを上げることができます。
慌てず様々な現場を経験しステップアップしながら人を支援すること、キャリコンができること、たまに感謝されること、人の役に立っていることを体験して頂きたいと思います。
隣の同僚の悩みを聴くことだって先々につながる貴重な一歩になりますよ。

  おわり