実践編・応用編

キャリアコンサルタント実践の要領 41 | テクノファ

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2級コンサルティング技能士検定の試験について前回の続きです。前回も説明しましたが、実技(面接)試験の詳細についてお話しします。
面接試験は、口ールプレイ形式の面接20分と、その後の口頭試問10分で構成されています。

■試験官2名の前で口ールプレイ形式の面接を行う
面接試験は、まず、ロールプレイ形式で始まります。試験官2名を前に、相談者役の人と20分間の面接を行います。相談者候補の相談内容、簡単なプロフィールなどの相談ケースは、受検票などと一緒に送られてきます(送られた5ケース の中から1ケース出題されます)。当日どのケースの相談者と面接をするかは、面接室に入るまでわかりません。面接室に入った後に、試験官からの受検内容の説明があり、すぐにロールプレイを開始します。そこで相談者の名前が告げられ、相談を始めます。時間は受検者が管理をして、20分間で終わらせるようにします。試験官もタイマーをセットしているので、20 分後にロールプレイを終了できなくても、タイマー音で打ち切りになり、試験官から終わりを告げられます。20分までかからず終了しても大丈夫です。面接を終えるときには、今回の面接が終わることを相談者へ伝え、確認するようにします。例えば、この面談で終了なのか、 次回相談することがあるのかを相談者と確認します。

この20分で終わらなければ、次回の約束をするなどします。その後、口頭試問が行われます。
※ここでの説明はロールプレイ試験出題の表記に合わせて「来談者」「クライエント」を「相談者」の表記に統一しています。

■ロールプレイでのポイント
ロールプレイでの面接時間は20分間しかないという限られた状況で面接を組み立てることが必要です。
相談者の抱えている課題、自己理解、情報理解、目標設定など具体的展開までつながるような応答が求められています。ロールプレイのなかでは、関係構築ができて、相談者が安心して話すことができ、自分の内面に目を向けられるように充分なやりとりをしたうえで、受検者は情報を整理し、相談者の課題解決に向けた目標設定等を具体的に確認できるまでを、20分間に収めるようにします。

実際の面接と同様に、ロールプレイでの相談者も相談に来た目的を持っています。したがって、それをしっかり理解し、相談者と確認したうえで、受検者は問題解決に向けた具体的な解決方法などを指摘、提案していくことになります。
相談者にとっては、なかなか簡単に解決しない問題だからこそ、相談に来ている場合が多いので、取り組むことが難しかったり、相談者の思い込みがあって、考えが及ばなかったりすることもあります。その場合は、受検者は相談者に自分の考えを確認する意味で質問するなどして、不注意な指摘で相談者との信頼関係が損なわれないようにすることも必要です。

■口頭試問でのポイント
ロールプレイ終了後、10分程度の口頭試問で、ロールプレイでよかった点、改善したい点、相談者のかかえている課題などが聞かれます。
評価する項目は、
①キャリアコンサルタントとしての基本的態度
②関係構築
③問題把握
④目標設定に向けた具体的展開
となります。

ロ頭試問では、ロールプレイの内容を自分自身が客観的に評価し、それを伝えられるかがポイントになります。面接のなかで、よくできた点は何か、やり残したことが何だったのかを説明しなければなりません。さらに、キャリアコンサルタントが行った質問や提案などが、何を根拠にしていたかも説明できなければなりません。
たとえ面接が時間内に最後まで終わらなかったとしても、今後の課題に取り組むにあたっての提案をすることも大事です。相談者の課題が、長期的な対応の必要性があると判断した場合、課題の把握を相談者の言動で示したうえで、どのようにしたら相談者が受け入れて行動に移すことができるのかまでを面接官に伝えます。

また、面接は百人百様なので、自分自身のスタイルや、やり方をふまえて、面接官に自分の面接を説明できることも必要です。熟練キャリアコンサルタントとして、普段から自信を持って、相談者が面接後に問題解決に向かって行動が起こせるような支援(面接)を行っている人が合格となります。

試験という大変緊張する場面ですが、例えば、相談者を大切にしているかなど、プロのキャリアコンサルタントとしての適性に関わる部分が面接のなかで表れ、面接官に対して伝わることが求められています。

■試験会場の配置例

※上記の配置は、あくまでも一例です。 会場の状況によって異なります。

次に知識の深め方・スキルの磨き方について説明します。
熟練レベルのキャリアコンサルタントになるにはどうすればよいか、また、キャリアコンサルティング技能検定2級合格にはどんな勉強をすればよいか。当然、それらに近道はありませんが、これからその一例を紹介します。

■実力に合わせて、長期の学習計画を立てる
キャリアコンサルティング技能検定2級は、これまでも述べたように、実務経験のある、熟練レベルを判定するものですから、現状のレベルによっては、1年後2年後、あるいは3年後の検定をめざして、学習計画を立てることが必要になります。
まず、導入レベルの実力であれば、先に説明した国家資格キャリアコンサルタントをとるための学習をします。これによって、 大きな範囲での知識を得ることができます。そのなかで、実務に役立ち、なおかつ自分に足りない部分のスキル、知識を学んでいきます。

■実務スキルを高めたい場合
面接の経験が少ないならば、傾聴やアサーションのスキルを高めるための講習や研修を受けるとよいでしょう。
実際に面接の経験を重ねたら、面接の内容を振り返ったり、面接の実力を向上させたりするための訓練、スーパービジョンを受けます。スーパービジョンを受けるにあたっても、面接の機会が普段多くなく自分自身が経験した事例が少ない場合は、準備が必要です。たとえば、逐語録の作成では、実際の面接ではなく受講者同士のロールプレイで、録音し、それを文字にして逐語録を作成するとよいでしょう。それを研修の場に出して、面接の応答の確認作業や、相談を受ける側の疑間や自分にあった聞き方や表現方法など、次回の面接へ向けての自分の課題を学びます。

また、キャリアコンサルタントとして、グループでのファシリテーターとしての役割も必要とされます。自分自身がグループ体験を重ねるほか、自分自身のアイデンティティが確立していないなら、自分自身の確認作業や、自身のキャリア開発を行います。

■知識を増やしたい場合
カウンセリング理論については、書籍で学ぶ方法や、各種の学習会で実際に学ぶ方法があります。アセスメントテストはカウンセリング理論に基づいて開発されているので、アセスメントテストの使い方を学ぶことも理論を学習できる機会になります。自分で納得のいく(よく理解している)理論のアセスメントを使用することも、来談者の自己理解を助けるために重要です。また、面接のプロセスを学ぶことで、アセスメントテストの有効な使用の時期がわかり、来談者の成長(発達)を促進することができます。労働法や条例、雇用情勢などは、筆記試験での出題数が多い分野です。過去のデータから最新の情報まで学ぶことも重要です。さらに、職業情報を確認しておくことや、来談者が自分の専門外の知識を必要とする場合にはリファーすることができるように、いろいろな専門家と会って依頼しやすい人間関係を作っておくことも、 キャリアコンサルタントには必要です。

■分野別スキルアップのための方策例

・傾聴訓練(ヒアリング訓練、力ウンセリングスキル学習)
・アサーション訓練(理論・実習)
・面接実務訓練(口一ルプレイ訓練や、インターン研修、逐語録作成、事例検討)
・スーパービジョン訓練(逐語録作成、事例検討、個人あるいはグループ)
・グループ関連(キャリア開発ワークショップ・エン力ウンターグル―プ等)
・自己理解

・アセスメント
各社、団体が主催するセミナ一で学ぶ。

・労働法規・労働実務・雇用情勢・キャリア教育など
厚生労働省の施策を勉強する。各種研究会の報告書を読む。労働法に関して不足ならば、労働基準監督署からの発行物や一般書籍で学ぶ。

雇用情勢・社会情勢・労働環境・市場の動きを学ぶ。
・ガイダンス
各種情報源を調べる 。

・ネットワーク構築、拡大
各団体の研究会や勉強会、学会に参加する。
(つづく)平林良人

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