国家試験

キャリアコンサルタント国家試験合格 77 | テクノファ

投稿日:2021年6月13日 更新日:

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りがある、働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたをかなえる制度・施策のひとつである短時間勤務制度について前回の続きから説明します。

同法により定められた主なポイントを厚生労働省の資料https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355354.pdf
から説明します。キャリアコンサルタントが知っていると活動の幅が広がる知識です。

(5) 短時間勤務制度の手続については、一義的には事業主が定めることが可能ですが、適用を受けようとする労働者にとって過重な負担を求めることにならないよう配慮しつつ、育児休業や所定外労働の制限など育児・介護休業法に定める他の制度に関する手続も参考にしながら適切に定めることが求められます。
例えば、育児休業等と同様に、所定労働時間の短縮措置の適用を受けるためには、1か月前までに申し出なければならないとすることは問題ないと考えられます。一方、適用期間を1か月単位とすることは、他の制度が基本的に労働者の申し出た期間について適用されることを踏まえれば、望ましくないと考えられます。

(6) 事業主がこれらの措置の適用を容易に受けられるようにするため、あらかじめ、当該措置の対象者の待遇に関する事項を定め、これを労働者に周知させるための措置を講ずるように配慮してください

(7) 事業主は、当該措置を講ずるに当たっては、労働者が就業しつつその子を養育することを実質的に容易にする内容のものとすることに配慮してください。

Ⅱ 3歳に満たない子を養育する労働者に関する代替措置
○ 事業主は、短時間勤務制度について、「業務の性質又は業務の実施体制に照らして、所定労働時間の短縮措置を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者」として労使協定により適用除外とされた労働者に関して、育児休業に関する制度に準ずる措置又は「始業時刻変更等の措置」を講じなければなりません。
○ 「始業時刻変更等の措置」としては、次のいずれかの措置があります。
① フレックスタイムの制度
② 始業又は終業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる制度(時差出勤の制度)
③ 労働者の3歳に満たない子に係る保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与

(1) 「その他これに準ずる便宜の供与」には、労働者からの委任を受けてベビーシッターを手配し、その費用を負担することなどが含まれます。

(2) 事業主は、労働者がこれらの措置の適用を容易に受けられるようにするため、あらかじめ、当該措置の対象者の待遇に関する事項を定め、これを労働者に周知させるための措置を講ずるよう配慮してください。

(3) 事業主は、当該措置を講ずるに当たっては、労働者が就業しつつその子を養育することを実質的に容易にする内容のものとすることに配慮してください。

★ 短時間勤務制度の適用除外とされた業務に従事する労働者が、短時間勤務をすることを希望している場合、短時間勤務が可能である他の業務に配置転換して、その業務において短時間勤務をさせることも、労働者本人と真の合意がある場合には、差し支えありません。
この場合、短時間勤務が終了した後の配置等についても、あわせて合意しておくことが望ましいと考えられます。
(次回に続く)A.K

-国家試験

執筆者:

関連記事

キャリアコンサルタント国家試験合格 81 | テクノファ

前回までは、キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りがある、働き方改革を推進する多様で柔軟な働き方を推進する制度・施策について、育児・介護休業法で規定している、短時間勤務制度(所定労働時間の短縮措置)、休業制度(育児、介護)について説明しましたが、今回は同法で規定する、子の看護休暇、介護休暇の制度について説明します。 育児・介護休業法は少子化対策として育児支援の充実、介護対策として介護をしながらでも働ける柔軟な制度の充実を推進し、子育てや介護など家庭の状況から時間的制約を抱えている働く人たちの仕事と家庭の両立支援を進めることにより雇用の安定を目指すための法律です。 子の看 …

職場体験・インターンシップ実施状況|テクノファ

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について説明していますが、今回は前回に続き学校教育制度とキャリア教育に関連する知識、資料として、学校教育に関する統計調査について説明します。 ■職場体験・インターンシップ実施状況等結果 先の回で掲載した、国立教育政策研究所 生徒指導・進路指導研究センターの活動の中で説明しましたが、キャリア教育の推進は重要な教育政策課題の一つとされ中学校での職場体験活動や高等学校でのインターンシップ(就業体験活動)の充実は常に中心的な課題でした。このような職場体験活動・インターンシップの重要性に鑑み、国立教育政策研究所生徒指導研 …

企業の動向|キャリコン国家試験合格12テクノファ

キャリアコンサルタント国家試験の対策を行ううえで、知っておくべき情報をお伝えします。 ■令和4年版労働経済の分析 前回に続き、令和4年版の労働経済の分析より内容を紹介する。 企業の動向(企業の業況判断は業種別、企業規模別ともに全体として回復傾向がみられたが、「宿泊・飲 食サービス」等の非製造業を中心に厳しい状況が続いた) 企業活動の動向がどのように推移したのか、日本銀行「全国企業短期経済観測調査」 (以下「短観」という。)により、企業の業況判断についてみてみる。製造業・非製造業別に業況判断D.I.をみると、世界的な感染拡大に伴う景気減速を背景に2020年6月調査で大幅に「悪い」超となった後、製 …

キャリアコンサルタント国家試験合格 30-2 | テクノファ

国家試験機関「キャリアコンサルティング協議会」は、平成30年3月の厚生労働省の見直しに合わせて「キャリアコンサルタント試験の出題範囲」を改定しました。 新「キャリアコンサルタント試験の出題範囲(キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目)」の適用は、2020年度(令和2)からの試験となっています。 ここでは、新「キャリアコンサルタント試験の出題範囲(キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目)」に焦点を合わせて、分野ごとに過去問を中心に勉強をしていきたいと思います。 「キャリアコンサルタント試験の試験科目及びその範囲並びにその細目6」には次のとおり書かれ …

男女共同参画白書|キャリコン国家試験合格5テクノファ

キャリアコンサルタントに必要な情報をお伝えします。 ■男女共同参画白書について 男女共同参画白書は、男女共同参画社会基本法に基づき男女共同参画社会の形成の状況等について該当年度の男女共同参画社会の形成の状況、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策、について内閣府が毎年国会に報告している年次報告書です。 令和4年度男女共同参画白書の構成は、〇令和3年度男女共同参画社会の形成の状況、〇男女共同参画社会の形成の促進に関する施策、の2部構成になっており、白書を構成している〇男女共同参画社会の形成の状況、の中の令和4年版の特集テーマは「人生100年時代における結婚と家族 ~家族の姿の変化と課題にどう向 …