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キャリコンサルタント国家試験合格 45 | テクノファ

投稿日:2021年3月14日 更新日:

今回もキャリアコンサルタント国家試験合格44の続きとして、 キャリアコンサルタント国家試験を受けた経験をN.A氏に語っていただきます。

【試験結果を受け取って】

さあそしていよいよキャリアコンサルタント国家試験の合格発表の日。
まずはウェブサイトで発表がある。それなりの緊張感の中、サイトを見ると、筆記試験と実技試験で分かれている。
まずは筆記試験。これは自己採点で極めてギリギリながら大丈夫と判断しているのでそれほど心配なくPDFを開いていく。無事自分の受験番号を発見。

そして実技。さあこちらはと思って別のPDFファイルを開いていく。こちらも無事受験番号発見。正直ほっとした。
今回は一(イチ)・チャレンジャーの立場ではあるのだが、関係各所に相談を色々としていることもあり、落ちるわけにはいかない、という事情もある中でとにかくほっとした。というところである。

そして、翌日夜半、仕事から帰宅するとキャリアコンサルタント国家試験合格の封書が届いていた。
万が一ウェブサイトの見間違いがあってはいけないという意味で、正式な合格通知はこの書面によるわけだが、届いたものは無事合格通知だった。改めてホッとするのだが、ここで大きな問題発生となった。
実技評価の点数は具体的に出ていた。論述と面接合わせて150点満点での点数開示で、それぞれについても開示されていた。そして大きな問題となるのがその点数そのものである。

何と論述が33点(50点満点)。
面接が64点(100点満点)。

合計で97点と60%以上(90点以上)が合格とされている中でほとんどギリギリの点数なのである。また発表されている受験者平均点(合格者平均点ではなく)と大差ないのである。
正直なところこれはショックだった。論述はまあ、採点の仕方にもよることからまあ仕方ないのとして、実技評価のところは正直もっと高得点だと思っていたからである。

この点数ではかろうじてキャリアコンサルタント国家試験合格レベルにはなったものの、まだまだ実際の面談としてはあるべきレベルに達していない、という評価と受け止められるからである。
改めて自分のやってきたことを今回原稿というかたいで書き起こしていたことから、逐語録というわけではないが、読み返し始めた。

悔しい気持ちの中で、最初は反発心の方が大きかったというのが正直な気持ちだが、数日に分けて考えてみると、だんだんとそのような中から、終了直後では気付かなかったいくつかの問題点がおぼろげながら浮かんできた。
やはり一番大きな点は、普段の自分の考え方、やり方からの脱皮が必要であろう、ということである。

具体的にはどういうことかというと、クライエントの悩みが自分が普段接している人とはだいぶ違いがある可能性がある、という点である。日頃の部下との面談は、総合職正社員の立場として如何に業績を上げてもらい、本人の成長につながる業務推進をするかという視点で面談をするわけだが、今回設定されていたクライエントの状況はそのようなシチュエーションとはだいぶ開きがあったはずである、そのことへの理解が足りず、同列に扱ってしまっていたのではないか。そしてその点が厳しく試験官には見抜かれた、のではないかという思いである。

まずペースが非常に早く進んだ、という点。部下との面談であればそのようなペースで進むことも十分にあり得るわけだが、自分が就ける仕事はあるのかな、という不安を胸に秘め仕事の相談に訪れる人であれば、ポンポン答えが出てくるわけではないであろう。そうなるともっとコンサルタント側の自分がゆったりとした雰囲気を作り、不安な気持ちを言ってもいいのだな、という雰囲気を作ることも必要なはずである。

今回の自分の面談の場合は、クライエント役が悩む、言いよどむような場面があればそこは待とうと思っていたし、実際そのような状態になれば待つことはできたと思っているのだが、とにかくそのような雰囲気にならなかったことからどんどん話を進めてしまった。しかし、それでは表面的な対応に留まってしまうリスクをいまさらながらに感じてきたわけである。

そして、クライエントの状況を瞬時に判断して話を進めて行ったことが実は自分の勝手な思い込みでクライエントの本当の気持ちを聞き出す機会を自分から逸していたということなのか、というところである。

例えば外資系ホテルで勤めていたという情報。リッツカールトンのサービスや会社の理念(クレド)に関する本を何冊も読んでいるが故にその情景を思い浮かべ、リッツがどうかは確認せずともいずれにせよ外資系ホテルでの経験があり、仕事の充実感も感じていた人物なのだな、と勝手に思っていたわけである。そんな連想をするのではなく、もっと素直に受け止めて「外資系のホテルでお勤めだったのですか。高級ホテルだったのですか。それは立派な職場だったのでしょうね。英語もではペラペラなんですね」というようなコメントを発しておけば、クライエントの方に何らかの異なる反応が起きたかもしれない、という思いである。外資系ホテルへの就職の困難度がどの程度なのかの情報は持ち合わせていないが、一般的に考えて、間口が狭い分、就職する上では難関を突破したことが容易に想像できる。そういったクライエントの歩んできた道、そしてそこに裏付けられた本人のしてきた努力、自信というものをもっと引き出すことができたはず、という思いである。
(つづく)N.A

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