キャリアコンサルタントの知恵袋 | 株式会社テクノファ

実践に強いキャリアコンサルタントになるなら

実践編・応用編

キャリアコンサルタントの方からの近況や情報などを発信

投稿日:2025年11月16日 更新日:

このコーナーは、テクノファキャリアコンサルタント養成講座を卒業され、現在日本全国各地で活躍しているキャリアコンサルタントの方からの近況や情報などを発信しています。今回はM.Iさんからの発信です。

企業からの相談案件に【評価】を巡るものが増加傾向にあります。

今回はそれぞれの欲求と評価との関係を見てみようと思います。
欲求については「マズローの欲求5段階説※」が広く知られています。
人の欲求は下位のものから「生理的欲求」→「安心・安全欲求」→「社会的欲求」→「承認欲求」→「自己実現欲求」と5つの欲求を順々に満たそうとします。

※マズローの欲求5段階説 マズローの欲求イラスト|無料イラスト・フリー素材なら「イラストAC」

私は企業や組織におけるマネジメントや評価の場面では、それぞれのメンバーがどの欲求を満たそうとしているかを分かっていることが、成果につながるカギを握っており、更に個人の成長にもつながると考えています。私が活動している日本キャリア・カウンセリング研究会(JCC)がキャリア開発を広げていく上で基本的拠り所としている【24図】の中には、「欲求次元と管理次元」の関係について解説しているもの(図2:横山哲夫氏による)があります。

この図ではそれぞれの欲求を、マネジメント上のそれぞれの施策と関連付け具体的な指針を示してくれています。
詳細の解説は省略しますが、【評価】と【個人の成長】という視点で見てみると
【承認欲求】⇒【目標による管理(MBO)】
【自己実現欲求】⇒【キャリア開発】
という関連があります。

承認欲求に対応するMBOでは、目標は上司や組織とのすり合わせを経て、本人が自分で決めます。自分で決めるからこそ、成果を出そうと努力するし、結果も出しやすくなります。そして、成果に対する評価も納得感を得られやすくなるのではないでしょうか。個人にとっては自分の目標を達成することで、自分のやったことへの評価に納得し、さらなる成長を目指すのだろうと思います。

結果に対する適正な評価が、個人の満足感とモチベーションに繋がるのです。そして組織は、その人が目標を達成できるよう支えていくことが大切な役割だと思います。

自己実現の欲求に対するキャリア開発では、個人が「なりたい自分」を自覚することが大切だと思います。なりたい自分を発見し、そうなるための課題を明確にし、仕事を通してなりたい自分に成長していくことが、個人にとってのキャリア開発になるのです。

組織は個人のキャリア開発について考え、その意味を理解し、適材適所を実現することでより強い組織へと成長していくのではないでしょうか。そしてその人にとってのキャリア開発の意味を理解するためには、【評価】や【評価面談】によって得られた情報が手がかりになっていくのではないかと感じています。
(つづく)K.I

-実践編・応用編

執筆者:

関連記事

日本における安全・安心社会の構築

キャリアコンサルタントが知っていると有益な情報をお伝えします。 安全の目的が、事故防止だとすれば、安心の目的は心を安がらせることです。心の持ちようは、人それぞれであり、保険を例にすると、基本的プランで満足の人もいれば、様々なオプションを付けなければ不安な人もいます。一方、安全はもう少し客観性が必要です。「気を付ければ大丈夫」と主張されても多くの人は、納得しません。例えば猛犬を鎖で繋いだ状態のように客観的に見て、事故の確立等が低減されている必要があります。「安全」は客観性が必要で、「安心」は主観的要素が強いということです。今回は、安全・安心社会の構築についてお話しします。 ◆ユニバーサル社会の実 …

海外進出日本企業で働く人々_スウェーデン_労働施策 3

キャリアコンサルタントが知っていると有益な情報をお伝えします。 前回に続き、スウェーデンの労働施策の3回目です。スウェーデンは、「北欧の中の日本」と言われるほど両国の国民性には幾つかの共通点があります。例えば、几帳面で真面目・シャイな我慢強い性格のところです。また、グループ内の和の尊重や謙虚さも日本人に通じるところがあります。社会保障制度が手厚い北欧諸国の中でも、スウェーデンは特に育児に対する支援が手厚く、子供の大学までの教育費や18歳までの医療費が無料で、育児休暇などの制度も充実しています。スウェーデンに進出している日系企業の拠点数は、約160社です。なお、2024年3月に北大西洋条約機構( …

日本における高齢社会対策の推進 6

キャリアコンサルタントの方が知っていると有益な情報をお伝えします。 高齢社会対策の推進についての最終回です。我が国は、既に超高齢社会に突入しており、高齢者の割合が大きくなっていく中で、高齢者が暮らしやすい社会をつくることは、他の世代の人々にとっても暮らしやすい社会の実現につながります。すべての世代の人々が超高齢社会をを構成する一員として、今何をすべきかを考え、互いに支え合いながら希望が持てる未来を切りひらいていく必要があります。 ● 情報アクセシビリティの確保 行政窓口における各種申請等において、高齢期の特性に配慮した対応を図るとともに、民間企業や地方公共団体等と連携し、高齢期等のデジタル活用 …

学校教育 文部・科学技術施策の展開

キャリアコンサルタントが知っていると有益な情報をお伝えします。 初等中等教育は、生徒が各自の興味・関心、能力・適性、進路等に応じて選択した分野の基礎的能力を習得し、その後の学習や職業・社会生活の基礎を形成することを役割としています。今回は、初等中等教育の充実についてお話しします。文部・科学技術施策の展開についてみていきたいと思います。 ◆初等中等教育の充実 文部科学省は、教育機会の確保や教育水準の維持向上のため、学習指導要領が目指す教育の実現、学校における働き方改革の推進科学技術系人材を育成するための理数教育の推進、グローバル人材の育成に向けた教育の充実、キャリア教育・職業教育の推進、高等学校 …

日本におけるICT国際戦略

キャリアコンサルタントの方に有用な情報をお伝えします。 概要 総務省では、政府全体のインフラ海外展開戦略である「インフラシステム海外展開戦略2030」(令和6年12月24日経協インフラ戦略会議決定)に基づき、デジタルインフラやデジタルソリューションの海外展開について、案件発掘、案件提案、案件形成などの展開ステージに合わせ、人材育成・メンテナンス・ファイナンスなどを含めたトータルな企業支援を通じて精力的に取り組んできました。また、米国をはじめとした二国間での政策対話やG7、G20などの多国間の場を活用し、国際ルール形成に向けたデジタル経済に関する議論や国際的なルール形成に関する議論などに積極的に …