実践編・応用編

キャリコンサルタント実践の要領 66 | テクノファ

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このコーナーは、テクノファキャリアコンサルタント養成講座を卒業され、現在日本全国各地で活躍しているキャリアコンサルタントの方からの近況や情報などを発信しています。今回はM.Iさんからの発信です。

企業からの相談案件に【評価】を巡るものが増加傾向にあります。前回のメルマガに引き続き【評価】について考えてみます。前回は【時間軸】を通して評価の目的を見てみました。

今回はそれぞれの欲求と評価との関係を見てみようと思います。
欲求については「マズローの欲求5段階説」が広く知られています。
人の欲求は下位のものから「生理的欲求」→「安心・安全欲求」→「社会的欲求」→「承認欲求」→「自己実現欲求」と5つの欲求を順々に満たそうとします。

私は企業や組織におけるマネジメントや評価の場面では、それぞれのメンバーがどの欲求を満たそうとしているかを分かっていることが、成果につながるカギを握っており、更に個人の成長にもつながると考えています。私が活動している日本キャリア・カウンセリング研究会(JCC)がキャリア開発を広げていく上で基本的拠り所としている【24図】の中には、「欲求次元と管理次元」の関係について解説しているもの(図2:横山哲夫氏による)があります。

この図ではそれぞれの欲求を、マネジメント上のそれぞれの施策と関連付け具体的な指針を示してくれています。
詳細の解説は省略しますが、【評価】と【個人の成長】という視点で見てみると
【承認欲求】⇒【目標による管理(MBO)】
【自己実現欲求】⇒【キャリア開発】
という関連があります。

承認欲求に対応するMBOでは、目標は上司や組織とのすり合わせを経て、本人が自分で決めます。自分で決めるからこそ、成果を出そうと努力するし、結果も出しやすくなります。そして、成果に対する評価も納得感を得られやすくなるのではないでしょうか。個人にとっては自分の目標を達成することで、自分のやったことへの評価に納得し、さらなる成長を目指すのだろうと思います。

結果に対する適正な評価が、個人の満足感とモチベーションに繋がるのです。そして組織は、その人が目標を達成できるよう支えていくことが大切な役割だと思います。

自己実現の欲求に対するキャリア開発では、個人が「なりたい自分」を自覚することが大切だと思います。なりたい自分を発見し、そうなるための課題を明確にし、仕事を通してなりたい自分に成長していくことが、個人にとってのキャリア開発になるのです。

組織は個人のキャリア開発について考え、その意味を理解し、適材適所を実現することでより強い組織へと成長していくのではないでしょうか。そしてその人にとってのキャリア開発の意味を理解するためには、【評価】や【評価面談】によって得られた情報が手がかりになっていくのではないかと感じています。
(つづく)K.I

-実践編・応用編

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