国家試験

キャリアコンサルタント国家試験合格 91 | テクノファ

投稿日:2021年8月2日 更新日:

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りがある、働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたを可能にする制度・施策を説明してきました。続いて前回は様々な事情を抱えて、多様で柔軟な働きかたを必要としている、これまで説明してきた制度・施策の対象者である働く人たち、その人たちを具体的に支援する立場にある支援者やキャリアコンサルタントなどに対して必要な情報を提供している厚生労働省のサイトのひとつ「治療と仕事の両立支援ナビ」の「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」

https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/dl/guideline.pdfについて説明しています。

前回の続きから説明します。
4 両立支援を行うための環境整備(実施前の準備事項)
(1)事業者による基本方針等の表明と労働者への周知
基本方針や具体的な対応方法等の事業場内ルールを作成し、全ての労働者に周知することで、両立支援の必要性や意義を共有し、治療と仕事の両立を実現しやすい職場風土を醸成する。

(2)研修等による両立支援に関する意識啓発
治療と仕事の両立支援を円滑に実施するため、当事者やその同僚となり得る全ての労働者、管理職に対して、治療と仕事の両立に関する研修等を通じた意識啓発を行う。

(3)相談窓口等の明確化
労働者が安心して相談・申出を行えるよう、相談窓口、申出が行われた場合の当該情報の取扱い等を明確にする。

(4)両立支援に関する制度・体制等の整備
ア 休暇制度、勤務制度の整備
短時間の治療が定期的に繰り返される場合、就業時間に一定の制限が必要な場合、通勤による負担軽減のために出勤時間をずらす必要がある場合などがあることから、以下のような休暇制度、勤務制度について、検討、導入し、治療のための配慮を行うことが望ましい。
①休暇制度
【時間単位の年次有給休暇】
労働基準法に基づく年次有給休暇は、1日単位で与えることが原則であるが、労使協定を結べば、1時間単位で与えることが可能(上限は1年で5日分まで)。
【傷病休暇・病気休暇】
事業者が自主的に設ける法定外の休暇であり、入院治療や通院のために、年次有給休暇とは別に休暇を付与するもの。
②勤務制度
【時差出勤制度】
事業者が自主的に設ける勤務制度であり、始業及び終業の時刻を変更することにより、身体に負担のかかる通勤時間帯を避けて通勤するといった対応が可能となる。
【短時間勤務制度】 ※育児、介護休業法に基づく短時間勤務制度とは別のもの
事業者が自主的に設ける勤務制度であり、療養中・療養後の負担を軽減すること等を目的として、所定労働時間を短縮する制度。
【在宅勤務(テレワーク)】
事業者が自主的に設ける勤務制度であり、パソコンなどの情報通信機器を活用した場所にとらわれない柔軟な働き方。
【試し出勤制度】
事業者が自主的に設ける勤務制度であり、長期間にわたり休業していた労働者に対し、円滑な復職を支援するために、勤務時間や勤務日数を短縮した試し出勤等を行うもの。
(つづく)A.K

-国家試験

執筆者:

関連記事

キャリアコンサルタント国家試験合格 57 | テクノファ

2018年6月に可決、成立し7月に法律公布、改正された働き方改革関連法は順次施行されています。キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティング業務を行う上でかかわりがある法律の改正を伴うものです。この法律は多くの法律に関連していますが、キャリアコンサルタントが知っているべき主要な労働に関する8つの法律についての主な改正点は次のようになります。 1.第一条 労働基準法関係 ・フレックスタイム制の拡充 ・時間外労働の上限規制 ・年5日の年次有給休暇の確実な取得 ・高度プロフェッショナル制度の創設 ・月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率引上げ ・労働条件の明示の方法 ・過半数代表者の選任 2. …

職場環境改善に向けた介入研究 | テクノファ

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について、メンタルヘルス、自殺・過労死、ハラスメント等に関する知識、資料について説明しています。今回は前回に続き令和3年版過労死等防止対策白書について説明します。 国会への年次報告を義務付ける過労死等防止対策推進法及び過労死等の防止のための対策に関する大綱には、国が取り組む重点対策として、過労死等の調査研究を行うことが明記されています。今回は白書の過労死等の調査研究全体の実施状況報告について項目2.3 疫学研究等、を前回の続きから説明します。 2.3 疫学研究等 (2)職場環境改善に向けた介入研究 過労死等を防 …

技能の継承や後進者の育成に関して | テクノファ

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う際に必要な知識とそれを補う資料について、厚生労働省の職業能力評価の施策を説明していますが、今回は若年技能者人材育成支援等事業(ものづくりマイスター制度)の、ものづくりマイスターの認定要件および対象分野を、前回の続きから説明します。 (3)技能の継承や後進者の育成に関して意欲を持って活動する意思及び能力がある人 ものづくりマイスターの対象分野は、技能検定の職種・技能五輪全国大会の競技職種のうち、建設業および製造業に該当する職種(111職種)です。 〇ITマスターの認定要件および対象分野 次の3つすべてに該当する優れた技能、経験を有する人をIT …

自殺総合対策大綱 キャリコン国家試験合格 223 | テクノファ

キャリアコンサルタントに必要な情報をお伝えします。 ■自殺総合対策大綱 自殺総合対策大綱は、自殺対策基本法に基づき、自殺総合対策会議における議論を経て、国が推進すべき自殺対策の指針として定めるものです。平成19年6月に初めての大綱が策定された後、平成20年10月に一部改正、平成24年8月に初めて全体的な見直しが行われました。平成24年に閣議決定された大綱は、おおむね5年を目途に見直すこととされていたことから、平成28年の自殺対策基本法の改正趣旨や我が国の自殺の実態を踏まえて抜本的に見直し、平成29年7月「自殺総合対策大綱~誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して~」が閣議決定されま …

キャリアコンサルタント国家試験合格 98 | テクノファ

キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りがある、働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたを可能にする制度・施策などについて回を重ねて説明してきましたが、様々な事情を抱えて、多様で柔軟な働きかたを必要とする、これまで説明してきた制度・施策の対象者である働く人たち、そのような人たちを具体的に支援する立場にある支援者やキャリアコンサルタントなどに対して必要な情報を提供している厚生労働省のサイトに関して、今回は介護離職ゼロポータルサイトついて説明します。 説明内容、情報リンク先はいずれも厚生労働省のもので今回の資料は、厚生労働省ホーム> 政策について> 分野別の政策 …