前回の「平成29年度労働者等のキャリア形成における課題に応じたキャリアコンサルタントの技法の開発に関する調査・研究事業報告書」の説明に続いて、今回は「平成30年度労働者等のキャリア形成における課題に応じたキャリアコンサルタントの技法の開発に関する調査・研究事業報告書」について説明します。
報告書の意図するところは次のようになっています.
「平成30年度労働者等のキャリア形成における課題に応じたキャリアコンサルタントの技法の開発に関する調査・研究事業」の報告書によれば、人口減少下においても持続的な成長を実現させるためには、労働者一人ひとりの労働生産性の向上が欠かせません。「一億総活躍社会」や「働き方改革」の実現に向けて、「治療と職業生活の両立」や「就職氷河期世代の労働者」のキャリア形成上の課題解決に対する社会的関心、ニーズは高まりつつありますが、「治療と職業生活の両立」に課題を抱える労働者や「就職氷河期世代」の労働者に対するキャリアコンサルタントのノウハウは十分に確立しているとはいえません。こうした課題に対応出来るキャリアコンサルタントの育成に向けて、実務上の留意点を取りまとめたキャリアコンサルタントの技法を開発することとしました。キャリアコンサルティング技法開発を通して、キャリアコンサルタントの社会的な存在価値の向上を図っていくことがこの事業の最終的な目的となります。
この報告書にまとめられたキャリアコンサルタントの技法はキャリアコンサルティング全体の流れの中で、相談者の状況を整理、明確化することや、相談者が課題解決への気付きを得るきっかけを提供する助力となることを前提としています。
キャリアコンサルタントの技法は厚生労働省ホームページにツールとしての、シートのひな形・そのシートの使用の手引きと作成例・参考資料などとともに、それらのツールの使い方を説明する動画とともにアップされています。
キャリアコンサルタントの技法(ツール)
・治療と職業生活の両立支援
1-1.両立支援ナビシート
1-2.4Sヒアリングシート
1-3.両立支援モニタリングシート
1-4.不安ごと見える化マップ
1-5.職場における配慮のためのヒアリングシート
1-6.相談シート
・就職氷河期世代の労働者に対する支援
2-1.事前相談シート1(A-1、A-2タイプ向け)
2-2.事前相談シート2(B、Cタイプ向け)
2-3.好きと得意を明確にする質問シート
2-4.振り返りシート
2-5.働くための基礎的スキルチェックシート
2-6.職業マイニングシート
2-7.働くことを考えるシート
2-8.経験振り返りシート
2-9.行動計画表
2-10.行動計画作成表
2-11.働く条件の整理シート
2-12.自分の人脈ネットワークシート
2-13.職務経歴書をみて受けた印象
2-14.模擬面接チェックシート
2-15.面接で聞かれたくないこと対策ワークシート
(つづく)A.K